平成20年度第2回CCC芸術系グループ議事概要

Ⅰ．日　　時：　平成20年10月8日(水)午前10時～正午

Ⅱ．場　　所：　社団法人私立大学情報教育協会事務局会議室

Ⅲ．出席者：　宮田委員(ネット参加)、井澤委員(ネット参加)、有馬委員、
　　　　　　　　　　久原委員、西垣委員
　　　　　　　　　　井端事務局長、事務局山野上

Ⅳ．検討事項：

１．美術･デザイン教育における学士力の内容の精査について

　前回委員会で仮決定した学士力案について、サイバーFD研究者に意見を求めた結果が事務局より提示された。それに基づき、意見交換を行いながら学士力案の修正を行った。

　主な意見は次の通りであった。

美学、美術史などの理論について、制作に携わる学生はもちろん、例えば学芸員課程など、制作に携わらない学生にとっても最初に学ぶべき内容であり、取り上げる必要があるのではないか。特に歴史や社会との関連の中でどう芸術が位置づけられてきたかを理解することは重要である。
前回「感受性」という表現を取り入れたが、学士力として定義する以上、どのように効果を測定するのかということが問われてくる。表現としては「感受性に富み」という曖昧な表現に押さえてはどうか。
本案は美術・デザインの両分野にかかるものであり、専門技能について特定の分野の能力を細かく列記することは難しいので、触れない方がよいのではないか。
美術理論を踏まえた上で、技能及び知識を活用することが重要である。
日本大学芸術学部デザイン学科では、「生活に役立つ」、「社会に寄与する」ことを教育理念としている。このような考え方を学士力の中に取り入れてはどうか。
美術とデザインの関係について、デザインは美術のサブセット、社会へ応用する実学として捉えられがちな側面があるが、デザインも芸術としての整合性を保つ必要があることから、現時点では別立ての学士力案とはしない。

検討を行った結果、美術・デザイン系の学士力として次の通り決定した。

社会、歴史、科学などの観点から芸術を理解できる。
感受性に富み、創作を通じて独創的な表現ができる。
芸術系分野における専門の理論と技術を統合し、社会の中で活用できる。

２．今後の予定

　取りまとめた学士力案は、他の分野のものと合わせて11月に文部科学省に提出することとしている旨、事務局長より説明があった。今後は到達度評価等をどのように行うかという課題もあり、引き続き検討を続けていくこととなった。