社団法人私立大学情報教育協会

平成20年度第1回CCC社会学グループ運営委員会 議事概要

機テ  時: 平成20年12月24日(水)午後1時30分〜3時30分

供ゾ譟 ―蝓Аー卉痛/融篶大学情報教育協会事務局会議室

掘ソ 席 者: 池田委員、津田委員
           井端事務局長、事務局山野上

検ジ‘せ項:

1.本委員会の進め方について

 事務局長より、本委員会を進めるにあたって前提となる中教審における学士課程教育の構築や、内閣による教育振興基本計画等の高等教育の動向について説明がなされた。

(1)教育振興基本計画

 中教審で答申のあった内容を実現するため、主に大学に関連する施策として「基本的方向3」の中でいくつかの課題と施策が示されている。
  第1に、社会の信頼に応える学士課程教育の実現である。同世代の半数以上が大学に進学するユニバーサル段階に入ったことにより重要な課題となっている。それに対して三つの施策を示している。

 具体的には学士課程で身につけなければならない知識や能力について、認定試験等を行うことにより出口管理を行うことを推奨し、これについて補助金で支援を行う。また、教育環境の充実や大学間のネットワーク作り、ITを活用した教材作成を促したり、優れた取り組みを行っている大学に補助金による支援を行う。 
  これは、FDが努力規定から義務規定となったことから、質保証に関する取り組みを国が積極的に関与するという意思表示ととることができる。

そのほかには、主に以下のような課題が提示されている。

(2)学士課程教育の構築について

 中教審で示された学士課程教育について、各分野を通じて培う学士力〜学士課程共通の「学習成果」に関する参考指針〜について説明がなされた。
  知識の理解、汎用的技能の獲得、態度・志向性の涵養、そしてそれらの能力や学習経験を総合的に活用して問題を解決する能力の4つの能力が示されている。これらを参考に、大学ごとに学習成果を規定し、単位の取得を持って卒業とするのではなく、たとえば卒業認定試験を行い総合的な学力認定を行う組織的な態勢作りをすることが求められる。
  質保証の内容については、中教審では日本学術会議と連携して検討するとしているが、私立大学の質保証を率先して行うため、また、私情協に登録されているサイバーFD研究者という2万人弱の教員の意見というエビデンスが得られるため、日本学術会議に一任することはせず、私情協自ら分野別の学士力を取りまとめていこうと取り組んでいる。既に20を超える学問分野で固有の学士力を検討し、最後にインターネット上でサイバーFD研究者からの意見を得て修正し、文部科学省に提言を行っている。

(3)OECDによる学習成果の評価

 経済協力開発機構(OECD)では、各国の経済発展は教育水準に拠っていると考え、生産性の低い教育を行っている国には勧告を行う目的で、世界共通の大学生の学力試験を実施する方向で動いている。
  内容としては、批判的思考力、応用展開力、コミュニケーション能力等を問う内容となり、20歳前後の学生が多い日本には厳しいものとなる。社会人を経験して大学に入学する欧米の方が有利かと思われるが、社会からの要請に加え、世界的な通用性の確保を目指すためには、国としては協力せざるを得ないという状況になっている。

(4)授業改善調査

 平成19年度に教員を対象にした授業改善に関する悉皆調査では、効果的な授業のシナリオ作りが難しいという問題を挙げた教員が全体の8割に上った。大学としての課題については、人材育成を主軸にした教育改善に大学が積極的でなく、FDを主導できていないという回答が多かった。
  また、情報技術に関する回答では、授業に刺激は与えられるが、学習効果の向上には繋がっていない。授業シナリオが不十分だとITをただ活用しても効果はないということを示している。

(5)今後の進め方

 現在、各学問分野で最低限度の学士力を平易な文章で表現し、学士力の第一次案として公開している。社会学分野でも同様に学士力案を作成することとするが、最初の学士力案が確定した後には、更なる詳細化を来年度の冬頃までには明らかにしたい。共通能力も含めた学士力、コアカリキュラムのイメージ、能力判定や測定方法等について検討を進め、サイバーFD研究者からの幅広い意見を反映した上で文部科学省に提言することとする。
  世界に通用する教育を実現するために教育の多様性に配慮することが指摘されていることから、私情協では多様な意見、分野別の意見を参考に提言をまとめた。また、ICTを活用した教育の推進について、学士力のような目標が定まっていないと、何に対してICTを活用するのか説得力をもてない。
  一方で、私情協では経済団体との連携も視野に入れている。例えば、社会学であれば、学ぶことの意義づけが身についていないのに社会調査をやっても効果は薄い。実際に社会で活用されている現場情報を企業に提供していただいたり、インターンシップで学生を受け入れていただくなど、経済団体に大学の授業への協力を要請していくことを検討している。

2.社会学教育における学士力について

(1)意見交換

社会学分野における学士力の策定について、意見交換を行ったところ次のような意見があった。

(2)委員資料1について

 運営委員より、現代社会学の理論や、学習過程、問題解決のプロセス等について概略をまとめた資料提示がなされた。以下の点について、委員間で共通認識を持った

(3)委員資料2について

 メディア社会学の観点から期待される学習成果について、課題や目標について取りまとめた資料が提示された。要旨は以下のとおり。

  1. 教育目標が不明確である。メディア社会学を学びながらメディア業界に就職する学生は少なく、職業教育かどうかの位置づけも不安定である。また、学問としての体系性が欠如しており、教員により内容がまちまちとなっている。他分野の教員との連携が求められる。
  2. メディアリテラシーについて、知識、理解を身に付けることが求められる。情報がメディアに流れていく過程や、マスメディアの役割や弊害、今後のメディアの構造変化について理解する。
  3. 技術面の目標として、メディア分析(統計的知識や言説分析のためのスキル等)、情報発信(文章力の向上、コンテンツの作成技術等)、情報収集(データベースの活用やインタビュー技術、情報倫理等)についてスキル獲得を目指す。

このことについて、委員間で意見交換を行った。

(3)今後の進め方について

 次回は学士力案策定に向けて具体的な意見交換を行うこととなった。社会学でとりあげられる現象について例を挙げて検討すると分かりやすいと思われる。

 なお、次回は2月上旬に委員会を開催することとなった。