JUCE 社団法人 私立大学情報教育協会
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平成11年度 受賞者 戻る
私立大学情報教育協会賞 (3件)
文科系短期大学における総合的な情報活用能力の育成
拓殖短期大学 森  園子氏  
受賞理由    
  短期大学という限られた時間の中で、問題解決能力の開発という明確な目的達成の中で、コンピュータを巧みに活用している点が高く評価できる。学生自身による課題の決定から始まり、問題をいかに解決していくか、その結果をどのように発表するかという一連の過程の中でコンピュータを活用させるという狙いがあり、いわゆるコンピュータ・リテラシー教育を型どおりにやらないという教育方法を実施している。これには、教員のいろいろな分野に対する知識と解決のための手法も指導する必要があり、学生以上に教員の高い資質が伴わないと教育効果をあげることが難しい。このような困難さに真正面から取り組む姿勢は高く評価される。
この授業では単なる情報教育という枠組みにとらわれず、より広い視点から情報教育をしようとしていること、短期間にまとまった効率的な指導がなされているを見習いたい。結果の評価についてもアンケート調査などを通じて十分な検討がなされている。

図学およびコンピュータグラフィックス教育のための3次元立体生成ソフトウェアの開発
東京電機大学 新津  靖氏
受賞理由  
  最近では安価なものも出回るようになってきたが、もともとCAD関係の専門的ソフトウェアは高額なものであり、大学で多人数教育に使うには費用の面で障害となっていた。本ソフトはフリーソフトのレベルで学生に3次元立体図形の概念を把握させるのに十分な機能をそなえている。学生の潜在能力を引き出す効果があると認められる。
基本的な図形を描くプログラムが豊富に用意されており、これらを組み合わせていくことによって複雑な3次元立体図形を描くようになっている。

マルチメディアによる音響工学教育
千葉工業大学
三井田 惇郎氏
千葉工業大学   浮貝 雅裕氏
千葉工業大学 須田 宇宙氏
受賞理由  
  専門教育に特化した教育用マルチメディア教材は従来から見られるが、専門的な内容と教育現場における汎用性もあり、完成度はかなり高いものと評価できる。
基本テーマとそれと対になったメインスライドと称する基本的なプレゼンテーション画面は担当者の教育方針と、受講者の反応やレベルに合わせて臨機応変に対応できるようなインタラクティブで豊富なリンク形式で構成されている。
取り扱っているテーマが音響工学で、もともと授業内容を補完するための視覚化は大きなテーマであった。表題の「マルチメディアによる音響工学」は正にこの点を視野に進められたものであるが、単なる視覚化に終わらず、マルチメディアの特徴である動画や音声を駆使したシミュレーションは教育支援ツールとして強力である。本論文で取上げられている事例においても、数式から任意の条件でリアルタイムにイベント駆動型のシミュレーションを実行し、動画や音声をリンクすることで自由な形で内容が展開できることが示唆されており充分使い慣れることによってより効果的なツールになるものと思われる。
教育効果の検証としては、学生に対する授業内容の調査を実施している。
奨 励 賞 (4件)
インターネット上に分散型データベースを配置した教育システム
  〜広範な電子教材と利用者を想定する汎用性のあるサービス〜
帝塚山大学 古藤 保次氏
帝塚山大学   向井 篤弘氏
帝塚山大学   中嶋 航一氏
帝塚山大学 堀 真寿美氏
受賞理由  
  Web上の公表データ(経済企画庁のデータ)活用によって生きた教材を入手し、統計学の知識を文系の学生に与えている。教材データベースを動的に構築し、大学での学習すべての統合環境を目指すねらいは評価できる。また、ユーザーフレンドリーなシステムは活気ある授業の展開を期待するものである。

情報処理入門教育におけるハイパーリンクを用いたドキュメントの制作
兵庫大学 森下  博氏
受賞理由  
  ハイパーリンクを利用したドキュメントの制作をさせることによって、ワープロ、表計算、データベース、インターネットなどを意識させることなく理解させ、情報処理の基礎を与えていることは、大きく評価することができる。文系学生のみならず理工系学生に対しても入門的情報教育授業の実践例として大変意義あるものと思われる。また学生にとってわかりやすいテーマを取り上げ、各人の知的好奇心と創造性を刺激する具体的な例題とその展開は、他の教員にとって非常に参考になるものである。

「マルチメディア韓国語」学習システムの開発と実践
東海大学福岡短期大学
李  奉賢氏
東海大学福岡短期大学 神山 高行氏
受賞理由  
  韓国語の発音から会話までの数少ないユニークなコースウェアである。著者の作成した中国語版作成の経験を生かし、学生に興味を抱かせ、学習途中で放り出させないよう工夫されている。動画や音声を取り入れたマルチメディアを効果的に駆使している。
設計から開発に要する時間は膨大なものと推察され、言語学習システムのなかでも大作の部類に入るものと評価が高い。

統計・計量経済学のためのインタラクティブなインターネット教材の共同開発
東洋大学 渡辺美智子氏
早稲田大学   櫻井 尚子氏
関西大学   橋本 紀子氏
東洋大学   門間 麻紀氏
大東文化大学   浅野美代子氏
日本経済新聞社 祷  道守氏
立教大学   井上 達紀氏
立教大学   山口 和範氏
受賞理由  
  大学間の協力をインターネットを用いて実践している。ネットワークの性能をよく考慮しているのと同時に、情報化社会の課題でもあるマルチメディアの活用にも留意されていることが評価できる。教材の共有化により、各自の授業に豊富な教材を活用できるようになる。今後の大学間協力のひとつのよい事例となるであろう。


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