JUCE 社団法人 私立大学情報教育協会
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平成19年度 教育改革ITフォーラム 開催報告

開催日 平成19年6月15日(金)〜16日(土)
会  場 明治大学(駿河台校舎リバティタワー)
東京都千代田区神田駿河台1-1(TEL 03-3296-4545)
     
主  催 社団法人 私立大学情報教育協会
後  援 文部科学省
     
開催趣旨 教育改革の課題を解決するための方策を模索するため、ファカルティ・ディベロップメント、スタッフ・ディベロップメントへの取り組み、教育支援・学習支援、学習意欲の向上を促進するIT活用の工夫など問題提起を踏まえ、研究討議する他、教育活動に役立つ事例紹介を実施する。
     
参加者数 291名 (127大学、12短大、賛助会員9社)
 
6月15日(金)

●全体会

15:00 開 会
開会挨拶 戸高 敏之 会長(私立大学情報教育協会)
会場校挨拶 吉田 悦志 氏(明治大学教育の情報化推進本部長)
当協会事業紹介 井端 正臣 事務局長(私立大学情報教育協会)
 
 
開会挨拶(戸高 敏之 会長) 会場校挨拶(吉田 悦志 氏)
開会挨拶 戸高 敏之 会長
(私立大学情報教育協会)
会場校挨拶 吉田 悦志 氏
(明治大学教育の情報化推進本部長)
事業紹介
 
15:50 事例紹介
「学ぶ力を高めるための教育改革〜教育のオープン化の取り組み〜」
講師:土方 正夫氏(早稲田大学オープン教育センター所長)
 学生の学習意欲が低下している中で、大学の授業は閉塞状態にある。この問題を打開するためには、学生に学ぶ楽しさや知的好奇心を持たせ、学びの動機付けを行うことが重要であり、大学としての教育力の発揮が求められている。学生の学ぶ力を高める実践型の教養教育(テーマカレッジ)、選択制によるテーマスタディ(全学共通副専攻)、チュートリアル語学教育、教員・学生・企業によるテーマ単位のオープンゼミなど、早稲田大学の学部の枠を超えた教育の取り組みや教育改革としての教育のオープン化についてそのねらいを紹介された。
   
土方 正夫氏(早稲田大学オープン教育センター所長)

17:30 移動

17:45 情報交流会 (コーヒー、サンドイッチなど軽食・ドリンクを用意しました)

18:30 終 了



6月16日(土)

●テーマ別自由討議

※A−1〜A−4は同時並行で実施します

10:00  
 
分科会
   

分科会A−1

初年次教育と教育支援」
 
課題提起 :

菊池 重雄氏(玉川大学コア・FYE教育センター長、経営学部教授)
高木 功氏(創価大学教育・学習支援センター運営委員、経済学部教授)

 高等教育では、学生への教育の質保証をどのように保つべきかが問われており、授業を受けるために必要最小限の学習法や、高校課程で学んでいない共通科目の学習を初年次教育として早急に支援することが課題となっている。本分科会では、1年次学生を対象とした教育プログラム、および学習活動支援についてセンター組織による取り組みを紹介し、その課題と施策について討議した。
 
 キーワード:1年次教育、学習スキル支援、共通基礎科目支援、個別学習支援
分科会A−2
「学習意欲や参加意識を高めるための取り組み」
 
課題提起 : 川島 高峰氏(明治大学情報コミュニケーション学部助教授)
佐々木英洋氏(大手前短期大学講師)
 大人数教室における講義は、一方向の講義のためどうしても学生の授業参加意識が低くなる。このような状況で学生の学習意欲や参加意識を高めるためには、様々な工夫が必要となる。本分科会では、学生のほぼ100%が所有している携帯電話を用いた出席管理や質問、小テストおよび授業評価アンケートなどができるシステムを開発し、実際の授業で利用されている明治大学と大手前短期大学の事例を紹介しました。大規模と小規模の大学から利用での利点および問題点を提起し、各大学の参考にしていただくと同時に意見交換を行いました。
 

 キーワード:携帯電話、大人数講義、ユビキタス、理解度把握、出席管理

分科会A−3
「ファカルティ・ディベロップメントへの組織的取り組み」
 
課題提起 : 酒井 陽一氏(大同工業大学授業開発センター長)
 FDの一環として学生による授業評価は全国で約97%実施されているが、形骸化、形式化に陥っているとの指摘もある。こうした中、大学院設置基準でFDが義務化され、学部にも適用されようとしている。本分科会では、FDの組織化と教育力向上について先駆的に取り組んでいる大学の事例をもとに、FDの実質化を模索した。
 
 キーワード:ファカルティ・ディベロップメント、教育評価・改善、FDの組織化、研究授業、授業研究会
分科会A−4
「スタッフ・ディベロップメントへの組織的取り組み」
 
課題提起 : 杉町 宏氏(立命館大学情報理工学部事務長)
 教育改革や大学改革を実効性のあるものとするには、教員側の努力だけではなく、職員の意識改革、能力開発が重要になる。本分科会では、こうした取り組みを積極的に推進している大学の事例を参考に、職員の関わり方や求められる資質、さらには教員との連携などについて討議した。
 
 キーワード:FD支援、学生支援、教職連携による授業設計・開発・運営、教育・授業支援システム開発

12:30 昼食 会場で用意しました

●事例紹介

※B−1〜B−4は同時並行で実施します

13:30  
分科会B−1
文科系教育におけるFDとIT活用」
 
講師:

岸田 賢次氏(名古屋学院大学商学部教授)

 文科系教育におけるFDおよびIT活用授業の一つの事例として、教育改善の考え方、効果的な教育モデルなどを中心にして、その実践事例を紹介しました。教育現場での課題(教育プログラムのねらいと受講者の意図とのミスマッチ)を明らかにし、その上で、教育改善のための授業設計・授業開発・運営の改善方策などについて検討しました。さらに、Webを活用した入門授業についてもその概要を紹介した。本事例は文科系教育での教育改善のプロセスとして参考になると考える。
 
 キーワード:授業設計、授業モデル、教員と学生のミスマッチ解消、eラーニング
分科会B−2
「専門教育における産学連携」
 
講師: 金子 満氏(東京工科大学メディア学部教授)
三上 浩司氏(東京工科大学メディア学部講師)
山路 和紀氏(東京工科大学兼任講師、(株)プレミアムエージェンシー代表取締役社長)
 産業界と大学との教育の産学連携の事例が出始めている。講義とプロジェクト演習を効果的に組み合わせた特色あるカリキュラムに、これまでの大学教育では事例の少ないゲーム制作という軸を加えている。大学の持つ専門的な制作技術と、産業での実例の双方による共同プロジェクトを行うことで、学生は大学内において、インターンシップやOJT以上の貴重な実体験を得ることができる。本事例はゲーム制作の人材育成を目指したものであるが、企画・設計・開発・運用(評価)という開発プロセスを俯瞰的に扱っていることから、ゲーム制作以外の他分野における物作りやシステムに共通する教育実践例としても参考になると考える。
 
 キーワード:専門教育、産学連携、動機付け教育、即戦力の養成、プロジェクト演習
分科会B−3
「重層的な学習支援の取り組みと支援環境の整備」
 
講師: 山下 泰生氏(関西国際大学副学長)
 学生の自立性を高める工夫として、日本初の学習支援センターでは、学生の進路、職業観などを大学として一人ひとりの学生に聴取し、学生の希望に沿った学習活動が実現できるようにポートフォリオを作成し、到達能力をベンチマークテストで自己確認するなど、自律的な学習を促進するための取り組みを行っている。具体的には、学習成果の到達度をポイント化してキャンパス・マイレージ制度で学習奨励金を提供したり、学習支援の内容をデータベース化を通じて、新しいカリキュラムの創出を行っている。これらの取り組みについて具体的に紹介された。
 
 キーワード:自立的学習支援、学習ベンチマーク、eポートフォリオ、学習成果のポイント付け
分科会B−4
「理工系教育におけるFDとIT活用」
 
講師: 曽我部 潔氏(上智大学理工学部長)
 理工系教育は、学生の興味やモチベーションの低下、忍耐力の低下により、授業の実施に支障をもたらしている。これらの問題を解決するため、教員と学生双方による協調型教育が求められてきている。実社会と連携したプロジェクト学習、チーム学習において学生自身に不足している学習を気づかせ、学習意欲の持続化する。現場の映像を見せるなどして、モチベーションの持続化を図る。このような目標を達成するための一つの教育モデルとして、本協会の機械工学教育IT活用研究委員会では、コアカリキュラムを設計し、教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性について検討してきた。本分科会では、ITを活用した授業モデルの事例紹介を行った。本事例は理工系教育での教育改善プロセスとして参考になると考えられる。
 
 キーワード: IT教材、eラーニングシステム、協調型教育、モチベーション教育
 
14:45 終了

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