JUCE 社団法人 私立大学情報教育協会
TOP

平成20年度 教育改革IT戦略大会 開催報告

日  時 平成20年9月2日(火)・3日(水)・4日(木)
場  所 アルカディア市ヶ谷(東京、私学会館)
     
開催趣旨 教育改革を促進するため組織的な教育力向上の教育戦略、教育改善効果を高めるIT(情報技術)の活用法について情報提供、授業事例の紹介を行うとともに、教育現場の課題解決を模索するためテーマごとに研究討議する。また、企業の協力を得て事例に即した情報機器、教育支援ソフト等の展示・紹介を行う。
     
参加対象: 国公私立大学・短期大学の教職員、賛助会員(企業)
参加者数:
359名(140大学、16短期大学、賛助会員15社)


 9月2日(火)

開会挨拶  
社団法人 私立大学情報教育協会 戸高 敏之会長

●報告  

「社会の期待に応える大学教育とは〜学士課程教育の構築に関する答申」
文部科学省 高等教育局高等教育企画課高等教育政策室長 榎本 剛 氏

大学教育の質保証が求められている中、社会の期待に応える大学教育とは何か。大学教育で身につけるべき能力に関する国の指針として、文部科学省中央教育審議会でまとめられた学士課程教育の構築に関する答申を踏まえ、大学で取り組むべき課題(学士力の明確化、教育内容・方法の改善、初年次教育等)、国として支援すべき課題について紹介した。


●事例紹介  
「教育改革推進に向けたFD活動」
山口大学 大学教育センター教授 小川  勤 氏
大同工業大学 授業開発センター長 酒井 陽一 氏

カリキュラム改革、公開授業と教員研修、学生授業評価、教員自己評価の実施など、FDおよび学習の支援センターを中心とした具体的なFDの取り組みを紹介した。


山口大学 小川 勤 氏


大同工業大学 酒井 陽一 氏
  
 

●事例紹介
「教育改革支援のためのSD活動」
学校法人立命館 副総長、大学行政研究・研修センター長 本間 政雄 氏

大学の使命である人材育成に向け、教員と職員が一体となった教育改革を実現できるよう、職員の意識改革、職員として備えるべき企画・運営能力、コミュニケーション能力の育成について実例を踏まえた取り組みを紹介した。








 9月3日(水)

発表一覧(81件)
*発表者名は氏名の都合上、発表代表者名のみ掲載  
発表番号
分野
発表タイトル
発表代表者名
大学名
10:00 A-1 講義支援 大人数講義における電子掲示板の活用とその組織的支援 齊尾 恭子 関西大学 5F大雪西
10:20 A-2 講義支援 Felicaを用いた出席管理システムの開発と試用 大見 嘉弘 東京情報大学
10:40 A-3 講義支援 コースウェアとコールシステムを併用した講義システムの効果 小無 啓司 流通科学大学
11:00
休 憩(10分)
11:10 A-4 講義支援 音声認識方式による聴覚障害学生のためのリアルタイム講義保障システム 磯野 春雄 日本工業大学
11:30 A-5 講義支援 sFlowによるLANトラフィックから見た授業中の学生行動 小林 貴之 日本大学
11:50
展示会 出展内容紹介(20分)
12:10
休 憩(80分)
13:30 A-6
発 表 中 止
13:50 A-7 学習支援 学生の手によるwikiベース自己学習支援サイトの制作 篠原 紀幸 山口大学
14:10 A-8 学習支援 学生のためのホームページ作成環境整備と成果 渡邊 壮一 新潟工科大学
14:30
休 憩(10分)
14:40 A-9 学習支援 コンテンツ登録が容易なアーカイブシステムの構築 片岡 勲人 東海大学
15:00 A-10 学習支援 フィールドワークにおけるレポート作成支援システムの試作について 若菜 啓孝 東和大学
15:20 A-11 学習支援 フィールドワーク教育支援のためのPDA用ソフトの開発とフィールドワーク手法の探求 三好 孝治 広島工業大学
15:40
休 憩(20分)
16:00 A-12 携帯電話 携帯電話を利用した回収不要出席カードシステム 岡田 良明 三重中京大学
16:20 A-13
発 表 中 止
16:40 A-14
発 表 中 止
17:00
休 憩(10分)
17:10 A-15 携帯電話 携帯電話による小テスト自習システムの試作 栗原 和夫 朝日大学
17:30 A-16 携帯電話 私語改善への試み−携帯電話を使った学習支援ツールを活用して− 影山 陽子 日本女子体育大学
17:50 A-17 携帯電話 携帯電話を用いた授業支援システム(双方向型授業支援) 藤井 一維 日本歯科大学
10:00 B-1 教育方法 直感力向上に着目したピアレビューと実践型教育の融合 来栖 正利 流通科学大学 5F大雪東
10:20 B-2 教育方法 地域活性化を目的とした地域資源の映像コンテンツ制作とその指導方法 横尾 誠 会津大学短期大学部
10:40 B-3 教育方法 Moodleによる国際ビジネスゲームのサポート 韓 尚秀 大阪国際大学
11:00
休 憩(10分)
11:10 B-4 遠隔授業 二大学間における双方向授業の試み 安原 順子 神戸女子大学
11:30 B-5 遠隔授業 海外研究拠点を基点とした国際遠隔授業の実践 武藤 博己 法政大学
11:50 展示会 出展内容紹介(20分)
12:10
休 憩(80分)
13:30 B-6 eラーニング 導入前におけるeラーニングに対する教員の意識調査 丸田 英徳 長崎大学
13:50 B-7 eラーニング 大学教員の教授学習観とLMS利用の関係に関する考察 田中 俊也 関西大学
14:10 B-8 eラーニング イーラーニングコミュニティサイトの形成に関する研究〜互いに教えあう学び空間〜 森 祥寛 金沢大学
14:30
休 憩(10分)
14:40 B-9 eラーニング インターネットによる英単語学習システム”ネッ単”の改良 葉島 千歌 日本大学
15:00 B-10 eラーニング eラーニング普及へ向けた自学自習用オープンコースの作成 西田 孝洋 長崎大学
15:20 B-11 eラーニング 全人的教養教育を支援するe-learningシステムSPES NOVAの運用 佐藤 喜一郎 東京理科大学
15:40
休 憩(20分)
16:00 B-12 eラーニング 担当授業におけるBラーニング−ICT活用のリメディアル教育− 川端 淑子 山陽学園大学
16:20 B-13 eラーニング eラーニングを活用した予習・復習の徹底による授業の実質化 日置 慎治 帝塚山大学
16:40 B-14 eラーニング サイバーキャンパスを支えるLMS「MOMOTARO」の開発 大西 荘一 岡山理科大学
17:00
休 憩(10分)
17:10 B-15 eラーニング 薬学領域のヒューマニズム教育におけるIT活用と学びのふり返り 飯島 史朗 慶應義塾大学
17:30 B-16 eラーニング 初年次セミナー運営におけるmoodle利用 矢島 彰 大阪国際大学
17:50 B-17 eラーニング 教育効果の向上を目指すブレンディッドラーニングの開発と実施 伊東 俊彦 東北大学
10:00 C-1 高大連携 高等学校教科「情報」の実施状況と情報教育について 中尾 剛 いわき明星大学 5F穂高西
10:20 C-2 高大連携 情報教育からキャリア教育へ−高大連携による接続教育プログラム 小棹 理子 湘北短期大学
10:40 C-3 高大連携 ロボットとITを活用した中高大連携・理工系学習意欲向上の取り組み 内木場 文男 日本大学
11:00
休 憩(10分)
11:10 C-4 情報リテラシ 大学入学時のデジタルディバイド 愛沢 祥子 東洋大学
11:30 C-5 情報リテラシ 新入生全員に対する導入教育(終日集中による情報リテラシ教育) 惠良 和代 成蹊大学
11:50
展示会 出展内容紹介(20分)
12:10
休 憩(80分)
13:30 C-6 情報リテラシ 短期大学における情報教育カリキュラム改定の検証 杉野 真紀 池坊短期大学
13:50 C-7 情報リテラシ 情報基礎科目の実施評価と企業要求レベルの比較分析 稲垣 充廣 愛知学院大学
14:10 C-8 情報リテラシ 医療系大学1年生のコンピューター利用の現状とコンピュータリテラシー教育 石川 徹 国際医療福祉大学
14:30
休 憩(10分)
14:40 C-9 情報リテラシ 薬学生のヒューマニズム醸成を目指した情報科学教育の実践 石川 さと子 慶應義塾大学
15:00 C-10 情報リテラシ スポーツにおける競技力向上のためのITリテラシープログラム開発 粟木 一博 仙台大学
15:20 C-11 SNS 学習意欲を誘発するSNSの開発と運用〜PBL教育の実践を通して〜 山田 和人 同志社大学
15:40
休 憩(20分)
16:00 C-12 SNS SNSによる学習コミュニティ形成 龍 昌治 愛知大学短期大学部
16:20 C-13 SNS SNSを用いた学部運営 −広範なコミュニケーション空間の構築− 寺本 卓史 城西国際大学
16:40 C-14 学生情報 サイバーキャンパスコミュニケーション機能 植沢 芳広 明治薬科大学
17:00
休 憩(10分)
17:10 C-15 学生情報 総合的キャリア教育を支援する情報管理システムの開発と運用 梶田 鈴子 中村学園大学短期大学部
17:30 C-16 学生情報 学生カルテシステムによる初年次教育の充実 中田 美喜子 広島女学院大学
10:00 D-1 統計系 相関分析と回帰分析学習支援e−ラーニングコンテンツの開発 服部 雄一 甲南大学 6F阿蘇西
10:20 D-2 統計系 シミュレーションベースの統計学 eラーニング教材の開発と教育実践 小波 秀雄 京都女子大学
10:40 D-3 統計系 表計算ソフトとWebを用いた確率分布シミュレーション教材 木村 清 尚絅学院大学
11:00
休 憩(10分)
11:10 D-4 生活・教育系 コミュニケーションツールとしてのタブレットPC活用 別宮 玲 戸板女子短期大学
11:30 D-5 生活・教育系 芸術大学保育系学部におけるオープンキャンパス連携Webコンテンツの制作 加藤 智也 名古屋芸術大学
11:50 展示会 出展内容紹介(20分)
12:10
休 憩(80分)
13:30 D-6 人文・芸術系 電子教材を用いた美術教育の試み 野津 義輝 武庫川女子大学
13:50 D-7 人文・芸術系 ネットワーク時代の価値軸と源氏物語 犬塚 潤一郎 実践女子大学
14:10 D-8 人文・芸術系 ヨーロッパの服飾文化とそのデータベース化に関する研究 菅野 ももこ 東京家政大学
14:30
休 憩(10分)
14:40 D-9 医学・看護系 病理診断学へのバーチャルスライド導入と自主学習支援プログラム 佐藤 かおり 日本歯科大学
15:00 D-10 医学・看護系 健康増進を支援する水中療法士の提案と可視化e-learningシステムの開発と評価 渋井 二三男 城西短期大学
15:20 D-11 医学・看護系 e−learningによる救急看護実践能力の育成−救急隊・ER連携での事例提供− 石橋 カズヨ 聖マリア学院大学
15:40
休 憩(20分)
16:00 D-12 語学系 Web利用の技術英語学習サポートシステム 和高 慶夫 玉川大学
16:20 D-13 語学系 ITを活用した多次元的英語教材プレゼンテーション 松浦 宏之 太成学院大学
16:40 D-14 語学系 教員自前のPowerPointによる基礎英文法教材 中村 浩一郎 帝京大学
17:00
休 憩(10分)
17:10 D-15 映像教材 screenshot capturing tool による教材作成 石川 高行 大阪国際大学
17:30 D-16 映像教材 商用3DCGソフトによる教材映像ジェネレータの開発 下條 善史 大阪国際大学
17:50 D-17 映像教材 受講学生が随時利用できる講義DVDの作製、貸出しによる学習支援 田中丸 治宣 静岡県立大学短期大学部
10:00 E-1 システム運用 情報演習室環境におけるコンピュータの効率的な整備手法 井上 清一 金沢星稜大学 6F阿蘇東
10:20 E-2 システム運用 オンデマンド・アプリケーション配信、シンクライアントによる教育用PC環境の構築 竹内 潔 北海学園大学
10:40 E-3 システム運用 OSSP方式によるパソコンレス情報処理教室の構築運用 大本 英徹 京都産業大学
11:00
休 憩(10分)
11:10 E-4 システム運用 コース管理システムを開講当初から利用可能にする教員向けサービス 古川 文人 帝京大学
11:30 E-5 システム運用 ホスティング型アプリケーションサービスを有効に利用した学生サービス提供について 大隣 昭作 西日本短期大学
11:50 展示会 出展内容紹介(20分)
12:10
休 憩(80分)
13:30 E-6 情報系 プログラミング教育に統計学教育を織り込んだ授業の実践 山田 耕太郎 比治山大学
13:50 E-7 情報系 実習型マルチメディア基礎技術教育−表計算ソフトウェアの活用を通じて− 神谷 達夫 京都創成大学
14:10 E-8 情報系 Web環境を利用した協調形3Dグラフィックス教育支援システムの試作 高山 文雄 いわき明星大学
14:30
休 憩(10分)
14:40 E-9 情報系 UMLとJavaの統合によるオブジェクト指向ソフト開発スキルの考察 加藤 武信 城西大学
15:00 E-10 情報系 プロジェクトマネジメント学習のための教材運用と管理 岸川 洋 九州情報大学
15:20 E-11 情報系 集合教育における地理情報教育の実践 西尾 雅弘 久留米工業大学
15:40
休 憩(20分)
16:00 E-12 理工系 微積分を視覚的に学ぶことで期待される効果について 山本 修一 日本大学
16:20 E-13 理工系 パソコン活用による数学定理の発見 渡辺 信 東海大学
16:40 E-14 理工系 幾何学の対話型教材の作成 佐藤 宏一 北海道工業大学
17:00
休 憩(10分)
17:10 E-15 理工系 TeX描画のための数式処理マクロパッケージKETpicを用いた数学教材作成 高遠 節夫 東邦大学
17:30 E-16 理工系 物理学とプログラミングを連携させた演習授業の設計 高見 友幸 大阪電気通信大学
17:50 E-17 理工系 電気工学実験VOD教育支援教材の開発と実践 古川 輝雄 広島工業大学

●展示会(45社)  当日11:00から4日(木)16:30まで開催
教育支援システムや学生サービス業務、ネットワーク環境、セキュリティ対策など、大学に関連した製品やシステムを、当協会の賛助会員企業が出展した。

出展企業名、出展内容 こちら


 9月4日(木)

●テーマ別自由討議

FD、教育システム、初年次教育、学習スキル、学習支援、SD等をテーマとした、分科会形式による参加者参加型の討議を下記の通り行った。  

分科会A 「FD実質化への取り組み」
<課題提起>
・上智大学 文学部教授 山本 浩 氏
・近畿大学 副学長、理工学部教授 宗像 惠 氏
・流通科学大学 教育高度化推進センター長 南木 睦彦 氏

本分科会では、FDの実質化を探求するため、教員自身がワークショップなどにより体験するFDの取り組みや (上智大学)、教員が相互に授業を公開してピアレビューする取り組み(流通科学大学)、授業内容の”見える化”による授業改善促進と教員評価の導入(近畿大学)などについて問題提起をいただき、学部または学科としての組織的な教育内容、教育方法の改善への対応を探求した。
上智大学 山本 浩 氏 近畿大学 宗像 惠 氏 流通科学大学 南木 睦彦 氏

 

分科会B 「学士力を高める教育システムの試み」
<課題提起>
・三重大学 高等教育創造開発センター 教育開発部門教授 高山 進 氏
・名古屋学院大学 経済学部教授 児島 完二 氏
・神奈川工科大学 情報教育研究センター所長 機械工学科教授 田辺 誠 氏

本分科会では、学部、学科で身につけなければならない能力(学士力)の持続可能性を高めるために考えるべき教育システムとして、問題発見・解決型学習(PBL)の導入(三重大学)、学部として必要最低限の知識を確立し学士力を高める試み(名古屋学院大学)、卒業後に学士力を発揮できるよう能力の持続化を実現するための多元的な成績評価のあり方(田辺誠氏)について問題提起をいただき、それを踏まえて卒業後も自立として学士力を発揮できるような対策を模索した。

三重大学 高山 進 氏 名古屋学院大学 児島 完二 氏 神奈川工科大学 田辺 誠 氏



分科会C 「学習支援組織とSD活動」
<課題提起>
・広島修道大学 学習支援センター長 法学部准教授 矢田部 順二 氏
 広島修道大学 学習支援センター課長 加利川 友子氏
・山形大学 高等教育研究企画センター 企画マネージメント部門長 地域教育文化学部教授 小田 隆治 氏

本分科会では、学習支援の一環として学生一人ひとりに対する指導を徹底する組織の重要性について事例を踏まえて紹介するとともに(広島修道大学)、職員として備えるべき改革意欲、実現のためのプロジェクトチームの結成などSD活動の事例について紹介し(山形大学)、大学として取り組むべき学習支援のあり方を模索した。

広島修道大学
矢田部 順二 氏
加利川 友子氏
山形大学 小田 隆治 氏




分科会D 「初年次教育と学習スキルの定着
<課題提起>
・創価大学 経済学部教授 高木 功 氏
・千歳科学技術大学 光科学部教授 小松川 浩 氏

本分科会では、大学の授業に学生が主体的に参加できるよう、学習の動機付け、学習方法、文書表現力などのスキルについて大学としての取り組みや(創価大学)、初年次教育の学習スキルの定着を図るための全学的な取り組み(千歳科学技術大学)について問題提起をいただき、学習法スキルの定着の可能性を模索した。

創価大学 高木 功 氏 千歳科学技術大学
小松川 浩 氏




JUCE 私情協事務局 
ここに提供する著作物は著作権法により保護されています。この記事を私情協加盟校の大学・短期大学・高等専門学校内で教育・研究・大学経営の目的で使われる場合は複製を許可します。それ以外の場合は(社)私情協事務局を通じて各著作権者の承諾が必要です。
(C)Copyright All Rights Reserved 2005