平成22年度
教育改革事務部門管理者会議 開催報告

開催日

平成22年11月30日(火)

会  場

アルカディア市ヶ谷(東京、私学会館)

主  催

社団法人 私立大学情報教育協会

開催趣旨  

 今年の春大学を卒業した54万人の内、ニート・フリータは昨年度より3割増となり、10万人を越え日本の持続的発展に不安が漂いはじめている。その9割近くは私立大学の卒業生であり、私立大学としての教育責任は極めて重いものになってきている。  人材育成の成果のすべてが大学教育に起因するものではないが、大学教育での学びが社会で十分発揮されていないことが考えられる。学びが身についていない、学びが応用できないという現状に、「学ぶことによって何ができるようになるのか」、「社会でどのような活動ができるようになるのか」など、学生目線での説明が少なく、本質的な学びを実現する教育への取り組みに、多くは十分に対応し得ていなかったと思われる。
  そこで本会議では、人材育成に対する大学の社会的責任の大きさを確認する中で、社会的・職業的自立に向けた大学教育の在り方、就業力向上を目指した教育の取り組み、ICTを活用した学生の個別支援、学士力としての情報教育、情報化投資の効果検証などの課題について、事務部門管理責任者の方々に理解の普及を図る。 

参加対象

  当協会加盟の学校法人、大学、短期大学、高等専門学校に所属の法人・大学の事務局長、部長、課長の管理職員、教育支援センター部門・FD関連部門・情報センター部門等の長
     
参加者数   121名(81大学、3短期大学)  

 

開会挨拶
  向殿 政男 会長(私立大学情報教育協会)

講 演
「社会的・職業的自立に向けた大学教育と在り方」
 

金 子 元 久 氏(国立大学財務経営センター教授、研究部長)

 生涯を通じた持続的な就業力を目指すキャリア教育に求められる課題を整理する中で、 教養教育と専門教育の補完を含む大学教育の在り方について提言した。

 


紹 介
「就業力向上を目指した教育の取り組み事例」

久 富   健 氏(武蔵野大学教務部長、環境学部教授)

 社会人への基礎力を養う授業を学科横断の混成チームで研究し、その成果を発表して、情報を収集・伝達する能力、課題発見・解決能力、チームワーク・リーダシップ能力などの自己基礎力を身につける取り組みを紹介した。キャリア教育の定着を目指し、キャリアと教員の専門科目とを関連づけるために教員の意識を改革した工夫も紹介した。



紹 介
「学生カルテによるキャリア支援、人間力支援の取り組み事例」

斉 藤 和 郎 氏(札幌学院大学教務事務部長)

 学生の質的変化に向き合い、的確なキャリア形成支援、学習支援、人間力の向上を育む支援を学生一人ひとりに実施するため、ICTを通じてサイバーチュータを実現し、学生カルテを用いて個別指導の品質を高めている取り組みの事例と今後の課題としてのポートフォリオシステムとの連携について触れる。



関連情報提供
 

 「学士力としての情報活用能力と情報教育の実施体制」
 「情報セキュリティ点検・評価の結果と大学の課題」
 「21年度における情報化投資の実態と効果の検証」
 「23年度情報関係補助金の概算要求」 など