平成27年度大学情報セキュリティ研究講習会開催結果の概要
１．開催日時 ： 平成２７年８月２５日、２６日
２．開催場所 ： 工学院大学
３．参加者 ： ７８名（６０大学、１賛助会員）
４．講習会の目標
サイバー攻撃は、非常に巧妙になっており大学現場でも情報資産の漏洩、不正アクセスが発見されるなど衝撃を与え大きな社会問題となっていること、インターネット・バンキングにおいても法人部門が攻撃されインターネット全体に対するリスクマネジメントの対策強化が求められていることから、サイバー攻撃に対する脅威について、法人の役員、学内の執行部、教員、職員、学生など構成員一人ひとりが防御意識に基づき行動できるようセキュリティ対策組織の構築と運用体制、課題を探求することを目指した。
５．講習会の成果
参加者のアンケートでは、「実際のマルウェアを仮想環境技術で観察し理解が深まった」、「模擬演習や被害時の対応マニュアルの作成を検討したい」、「情報セキュリティ管理体制、緊急対応組織を構築する必要性を感じた」、「上層部への提案につなげたい」などの意見があり、防御意識の共有化やセキュリティ対策組織の必要性が認識され、セキュリティ対策の強化に向けて推進する姿勢が見られた。講習会全体については以下のとおりである。
（１）「全体会」では、サイバー攻撃に対する脅威について共有化するため、危機意識徹底の重要性を働きかけることを図った。
� ．汽ぅ弌執況發亮腓兵蠱覆箸靴討離Ε�ルスメールに対して、不審な添付ファイルやURLリンクを開かないことの注意喚起が行われた。
�◆．ぅ鵐拭璽優奪�･バンキングにおける不正送金被害の拡大が報告され、スパイウェアなどによるＩＤ、パスワード、電子証明書の窃取に対してセキュリティ対策を複数組み合わせた対応策が確認された。
�� 大学全体での情報セキュリティ管理体制の構築や関連文書の整備について経営執行部の役割を含めて導入の経緯から取組み内容が紹介された。
（２）「テクニカルコース」では、第一通報現場での初期対応及びインシデント発覚後の対応を演習形式で調査や対処の方法・手順について理解の促進を図った。
� ゝ燭錣靴ぅ瓠璽襪療塞侫侫．ぅ襪筌螢鵐�先について仮想環境技術を用いた安全確認の方法を演習を通じて理解の促進を図った。
�◆ヽ杏瑤�らの指摘による感染の疑いについて緊急遮断の判断、システムのログ解析、被害の全容把握、関係者への報告書作成などインシデント対応手順を演習を通じて理解の促進を図った。
（３）「マネジメントコース」では、学内で一人ひとりがサイバー攻撃への被害を最小限に抑えるための対策意識を持てるよう組織的な働きかけの工夫について理解を共有した。
� ヾ袷瓦淵札�ュリティ予防策はないことからサイバー攻撃への備えとして、緊急対応組織の必要性と役割・機能について理解の共有を図った。
�◆ヽ愼眩反イ納�己点検評価すべき枠組み・対応の在り方や経営執行部の役割などセキュリティ対策の取組みについて大学情報セキュリティ運用ベンチマークを通じて理解の促進を図った。
（４）総合演習では、「テクニカルコース」と「マネジメントコース」合同でサイバー攻撃を受けた場合を想定して、緊急措置の範囲、ガバナンス・執行部への通報と全構成員への連絡、社会への説明など技術担当者と管理担当者のそれぞれの立場での役割や対応について相互理解を深めた。
参考：「大学セキュリティ運用ベンチマークテスト」は下記からダウンロードいただけます。
ベンチマークテストフォーマット