社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第4回会計学教育IT活用研究委員会(打ち合わせ会)議事概要

T.日時:平成16年10月2日(土)午後2時から午後4時まで

U.場所:私情協事務局

V.出席者:岸田委員長、椎名副委員長、金川委員、木田

W.検討事項

1. 雑誌「会計」への投稿について

9月に日本会計研究学会で報告した「マルチメディアを利用した会計教育の実践」及び「マルチメディアを利用した会計教育の現状と展望」の論考を雑誌「会計」へ投稿するために、各委員の担当及び論文の構成、スケジュールについて検討した。
まず、「マルチメディアを利用した会計教育の実践」については、黒葛委員以外の委員各位より学会発表前に報告に向けての原稿を考案いただいたことから、それらに基づき、一報告につき一節ずつ割り当てることとした。なお、投稿仕様は雑誌「会計」の仕様に基づき、wordによる縦書き、文字数は48文字×19行×1.5頁を原則し、図や画像は一切用いないこととした。なお、投稿時期については、12月発売号での掲載を目指し、10月中に投稿することとした。よって、委員各位、10月11日までに岸田委員長宛に原稿を送信することとした。

次に、「マルチメディアを利用した会計教育の現状と展望」については、同様に岸田委員長に考案いただいた原稿があることから、それを掲載するとともに、これまで本委員会で検討してきた各分野別(管理会計、財務会計、簿記原理、会計情報システム)の学習項目体系、また、2001年に発刊した「授業改善のためのITの活用」を参考文献として引用や今後の会計教育への課題を提起することとした。
なお、本稿については、来年1月あるいは2月発売の号での掲載を目指し、岸田委員長が取りまとめた上で12月中に投稿することとした。

2. 会計学教材データベースの補充について

今後のデータベースのコンテンツ拡充に向けて、意見交換したところ、金川委員より、ネットワークに掲載したコンテンツは教員の業績として評価されないのが現状であり、また椎名副委員長の作成されたPowerPoint教材も容量的にWebサーバー上にアップロードするのは困難であり、譬えWeb上で公開しても無制限のアクセスを許可した場合には、使用者の特定や履歴の把握は困難であるから、コンテンツの利用を希望する者を募り、連絡があった場合にはコンテンツを収録したCD-ROMを送付するなど、コンテンツの配布方法を再考した方が良いとの意見があった。また、椎名副委員長からも、Web上でコンテンツを一般公開した場合には、業者に商業目的として使用される可能性もあることから、利用者を特定できる仕組みが必要であるとの意見があった。
次に事務局より、データベースシステムの更新改善について、現状ではcgiを用いたプログラムで運用しているが、サーバーとの相性が悪いためか、文字化け等一部バグが生じることから、PHPをベースとした別システムに移行する予定であるとの説明がなされた。また新システムでは、ID・パスワードによるコンテンツへのアクセス権限が掛けられることから、無制限のアクセス・利用を回避することが可能となり、利用者の特定や履歴を図ることが可能となる、と併せて説明があった。

3.その他

事務局より、高等教育を取り巻く文部科学省の動向および私情協の今後の取り組みについて下記の旨の説明があった。

大学の第三者機関による評価を受けることが義務化されたように、今後社会から高等教育に対して教育の質保証が要求される。例えば、医歯薬学分野では、コア・カリキュラムにより、大学卒業までに必要とされる技能や知識、行動目標が明文化され、さらに大学間のカリキュラムの標準化が図られている。つまり、そこでは学生が大学卒業までに身に付けるべき最低限の知識・技能を担保することが要求されている。
また、工学系の授業科目に対しては、JABEE(技術者教育認定機構)により、高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を満たしているかを認定するために、教員、学生に対するヒアリングやテスト問題に対する審査など、シビアな評価制度が実施されており、将来的には認定を受けた大学に対して補助金が傾斜配分されるなどの措置も執られることが予想される。
さらに、中教審大学分科会の高等教育の将来像(中間概要)でも、学問分野別にコア・カリキュラムを作成することが指摘されている。
  学系別教育IT活用研究委員会では、18年度に報告書の上梓を予定しているが、本委員会でも大学の会計教育で保証すべき教育内容や学生の身に付けるべきスキルを整理いただいた上で、そのための手段としてITを如何に活用するかを提言いただきたい。

この説明を受け、本委員会でもコア・カリキュラムの叩き台を考案し、学会発表を通じて、学会に対してコア・カリキュラム検討のための専門委員会の設置を求めるようアプローチしていくことを検討していくこととした。