社団法人私立大学情報教育協会
平成17年度第5回建築学教育IT活用研究委員会議事概要

T.開催日時:平成18年3月18日(土)午後4時から午後6時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:若井委員長、真下、寺尾、横井各委員、木田

V.検討事項

1.18年度発刊予定の報告書の授業モデルについて
(1)報告書の執筆方針について
   はじめに、事務局より報告書の執筆方針について説明がなされた。要旨は以下の通り。

T.報告書のタイトル
  「大学教育への提言 〜ファカルティ・デベロップメントとしてのIT活用」

U.編集方針
  ファカルティ・デベロップメントとの視点から教育改善のための課題を整理し、解決に向けた方策を大学のガバナンス、教育政策、教員の意識改革、IT戦略など「総論」として網羅的に報告する。その上で、学系別教育におけるコア・カリキュラムを意識して、教育成果として求める能力を整理し、能力達成に必要な授業設計の在り方を概括する中で、ITを活用した授業の事例を「各論」で紹介する。

V.目次構成

<総論>「人材育成のためのIT活用」(20ページ)・・・事務局担当

 1.大学教育における人材育成の課題
2.教育改革のための大学戦略
3.大学教員に求められる教育力(教育の業績評価制度の導入、望まれる教育力)
4.ファカルティ・デベロップメント改善のIT活用(教育での多様なIT活用を紹介)
5.教育の支援体制と今後の課題
※総論は大学の執行部を対象とした内容とする。

<各論>「FDとしてのIT活用授業モデル」・・・委員会担当

W.FDとしてのIT活用授業モデル(1委員会:15ページ)
1.コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標
(学部教育を中心とするが、必要に応じて大学院教育も対象とする)
2.教育現場での課題
3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性
4.ITを活用した授業モデルの事例紹介(4モデル×3ページ程度)
5.IT活用に伴う課題

X.資料
  コア・カリキュラムの他、授業内容、コンテンツの一部をCD−ROMで添付。

Y.原稿締め切り
  18年8月末を目途とする。(9月〜10月は編集期間)

Z.出版日程
  18年11月臨時総会にて報告。

 本説明に関して、下記の旨の意見があった。

  • 今回の報告書ではどのような読者層を想定しているのか。
    → 授業でITを活用する教員のみならず、日ごろITを活用しない教員、さらには大学執行部を想定している。特に総論では執行部を対象とした内容となる。
  • 前回までの議論では、授業モデルとして設計計画、環境設備、構造、材料施工の4分野を紹介することにしていたが、材料施工分野専攻の教員が本委員会にはいないため、無理して授業モデルをはめ込む必要はない。むしろ計画の立場からの材料に対する要望などを授業モデルの中で取り上げた方がよい。

(2)授業モデルについて
@構造
  横井委員より、Webを活用した自学自習システム活用に関して説明がなされた。要旨は以下の通り。なお、詳細は配布資料を参照されたい。
 
このシステムは、反力練習コース、選択練習コース、実力養成コース、テストコースと難易度別に反力計算を解くものである。解答後には、正答率の推移や回答回数が記載された成績表が表示され、自らの学習成果を確認することが可能である。
  その他には、模型装置による実験を撮影した画像を用いて実験を疑似体験できるWebサイトを構築した。実験の一つ一つの過程を理解させるために、ステップ別に画像が表示されるよう工夫が為されている。また、グラフィックではなく実際の装置を用いているため、理解度の向上に寄与することも期待される。

 次に、若井委員長より構造に関する情報提供として、日本建築学会の提言「健全な設計・生産システム構築のための提言の枠組み」について紹介がなされた。これは、耐震強度偽装問題を受けて、設計・生産システムの改善、法令による規制の実効化、被害者救済制度の整備等を提言したものである。詳細は配布資料を参照されたい。
  なお、このような社会的問題については、報告書の各論1〜3、及び構造の授業モデルにおいても言及した方が良いとの提起もなされた。

A環境設備
  構造の授業モデルについて意見交換したところ、「音の可視化」などの提案がなされたが、具体的なモデルの決定には至らなかったため、継続して検討することにした。

B設計計画
  設計計画については、衣袋副委員長が実践される3DCADを活用した授業事例を紹介することが再確認された。

D執筆分担
  報告書の執筆分担について協議した結果、「1.コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標」、「2.教育現場での課題」、「3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性」については若井委員長と衣袋副委員長に取りまとめていただくこととなった。また、授業モデルについては、構造を真下委員と横井委員、環境設備を寺尾委員と関口委員、設計計画を衣袋副委員長と下川委員に担当いただくことが確認された。なお、「5.IT活用に伴う課題」については渡辺委員に執筆いただくよう、若井委員長に打診いただくことにした。

 

 

 

 

(1)設計・計画

(2)環境・設備

(3)構造

(4)材料・施工

2.その他