社団法人私立大学情報教育協会
平成17年度第2回機械工学教育IT活用研究委員会議事概要

T. 日時:平成17年6月17日(金)午後2時から午後4時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:曽我部委員長、角田、清澤、森沢、田辺、河端各委員、井端事務局長、木田

W.検討事項

1. 機械工学教育における産学連携について
田辺委員より、産学連携による遠隔授業案を提出いただいた。授業案は下記の通りである。

機械工学教育における産学連携
― 教材データベースと企業技術者の支援による動機付機械工学の共同授業 ―

1はじめに                                                                                
計算力学などのコンピュータを用いた数値計算技術(シミュレーション技術)は、各種の産業分野で、自然や社会に受け入れられる様々な優れた製品を開発するための数値実験の手段として利用されていることから、多くの機械系学科でその主要科目の一つとして教えられている。また、(社)私情協の機械工学教育IT活用研究委員会では、製品開発に関連した数値計算事例の教材データベースの開発を行ってきた。
そこでここでは、学生が産業界の状況を知り、学ぶ意欲を高めることをねらって、いくつかの大学の教室と企業(または研究所)をネットワークで同時に相互に結び、製品開発のための数値計算技術に関する動機付機械工学の実験授業を行う。
1)教材データベースを用いて、製品開発に関連する数値計算事例の紹介。
2)産業界で、数値計算技術を利用して製品開発や問題の解決を行っておられる技術者(研究者)から、ネットワークを通して15分程度のミニ講義をしていただく。
3)リタイアされたかたに、技術者・研究者としての豊かな経験をお話いただく。
4)ネットワークに接続の大学の学生が同時に受講。各大学の学生との質疑応答。講演者や教員から学生への学習アドバイスや励まし。

2授業内容
授業科目:有限要素法、シミュレーション、数値解析、計算力学、CAE等(後期、11月中下旬)
数値計算技術の製品開発への応用(60分授業)
1)工業製品の開発とコンピュータの応用     5分
2)教材データベースを用いた数値計算事例の紹介1   5分
  教材データベースを用いた数値計算事例の紹介2   5分
教材データベースを用いた数値計算事例の紹介3  5分
3)新しい鉄道開発技術と数値計算  15分
鉄道関係の第一線研究者によるミニ講義 
4)日本の鉄道開発技術と数値計算 15分
リタイアされた研究者によるミニ講義
5)各大学学生からの質疑応答、まとめ  10分

 授業進行については、上記の提案の通りに実施することが確認された。なお、開催日時については、2005年11月14日(月)5時30分に開催することとした。なお、授業内容4)のリタイアされた研究者の方の第一候補者として、前回の委員会にて元鉄道総研の国枝氏の名前が挙がったが、次回委員会までに田辺委員に打診いただくこととした。
  また、遠隔授業を実施するに辺り、テレビ会議システムと学校の通信回線の速度によっては、Bフレッツを仮設する必要も生じるため、参加大学(神奈川工科大学、上智大学、武蔵工業大学、金沢工業大学)の委員各位には、自大学の環境を調査いただくこととした。

2. 機械工学教育におけるコア・カリキュラムについて

角田委員より、機械工学教育におけるコア・カリキュラム案を提出いただいた。前回提出いただいた案では、専門基礎科学、専門基礎技術、専門数理基礎の3大項目ごとに、それぞれ該当する科目名称を振り分けていただいたが、今回は該当科目の見直しと、その他として技術者倫理とコミュニケーションを新たに科目名称として加えていただいた。さらに、科目ごとに機械工学教材データベース、CCC教材集に登録されている教材の名称、遠隔授業実験、新規に必要な教材を付加いただいた。
本案について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

@ 分類「その他」下に知的財産を科目名称として加えるべきではないか。
A 分類「専門基礎技術」下にCAD関連の科目名称を加えるべきではないか。
B 学生の観点から考えると、科目名称が羅列されているだけでは、実社会で各科目がどのように役立つか判然としないので、例えば製品のライフサイクル別に科目を整序するなどの工夫が必要ではないか。

@については、意見の通り、補足する方向で検討することとした。Aについては、「設計・製図法」内に含まれるので、新たに項目を増加する必要は無いとの意見があり、今回は特に付け加えないこととした。Bについては、意見のあったように、カリキュラムと実社会での接点を結びつける切り口の導入も検討することとした。
なお、次回委員会までに、角田委員には各科目名称の教育目標を検討いただくこととした。また、下記の分担通り、ITを活用した授業モデル例を考案いただくこととした。

・ 動機付け教育・・・田辺委員
・ 計算力学・・・角田委員
・ 機械力学・・・曽我部委員長
・ 設計・製図法・・・河端委員

3. その他

 河端委員より、専門実験科目におけるIT活用事例として、NC加工シミュレータを用いた授業について紹介がなされた。今後、本授業で用いるプログラミングのサンプルや講義資料等を、Web上に掲載し材データベースに登録する方向で検討することとした。

また、事務局より、サイバーキャンパスコンソーシアム事業再構築について説明がなされた。具体的には、これまでの大学による登録制参加を廃止し、国公私立大学問わず多くの教員をサイバーFD研究者として登録し、ネットワ−ク上でオ−プンに教育改善に関するフォーラムに参加できるよう、制度改革を図ることとなった。また、事業内容としても、本委員会での議論された教育改善に関するトピックスを、サイバーFD研究者に対してメールマガジンで配信するほか、分野別に優れたIT活用授業をWeb上でアーカイブ化し、教育業績としての教員の努力も併せて紹介するなど、見直しを図ることとなった。
それに伴い、各学問分野別に運営委員会を設置することとなり、青木委員、田中委員、田辺委員に就任いただくこととした。
なお、第一弾のメールマガジンの内容は、遠隔授業の企画について紹介することとした。