社団法人私立大学情報教育協会
平成15年度第3回心理学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成15年12月26日(金)午後2時から4時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:木村委員長、今井副委員長、中原、田崎、大島、塩谷、中澤、吉田、桐木委員、井端事務局長、木田

W.検討事項

1. インターネット上の教材・素材データベースの構築について

 前回の委員会にて、Web上の心理学教材・素材のデータベース(リンク集)を構築することとなった。構造としては、心理学概論の教科書・テキストの目次に倣い、章・節・項目ごとに階層を分けて、項目に該当する教材や素材にリンクを張ることにする。今回は、委員各位に持参いただいた教科書をもとに、階層を検討することとしている。

 なお、階層の検討に先だち、データベースの運用構築に関する質疑並びに意見交換がなされた。

<質疑>

  • 利用対象者は特定されているのか。
  • ⇒教員と学生を主とした対象としている。利用方法としては、教員が授業中にコンテンツを使用する場合、自身がコンテンツを作る時の参照とされる場合や学生自身が参考のために見るということが考えられる。ただし、データベース自体にアクセス制限を設けることは考えていないので、基本的に誰でも閲覧することが可能である。

  • 管理運用は誰が行うのか。
  • ⇒リンク集そのものは、私情協のサーバー内に設置する。情報登録や更新は事務局で行う。

  • いつまでに完成させるのか。
  • ⇒現時点では、明確な時限は設けていないが、2004年度内の公開を考えている。

<意見交換>

  • リンク集と言っても、ただ単にリンク情報を羅列するだけでは、サーチエンジンに勝るものはない。それ故に、例えば各コンテンツに対して委員がコメントを付けるなど、特別な視点で情報を収集しないと意味がない。
  • 学生にレポート提出させると、Webを参照して、内容的に偏りのあるものや、非科学的な理論を引用している場合がある。それを回避するためにも、委員会でコンテンツを厳選する必要がある。また、情報を広く収集するためにも、委員会の推奨するサイトに対しては、製作者に対して推奨マークなどを与えることにより、モチベーションを高めることが必要ではないか。
  • 心理学以外にも、関連科目として脳科学や生物学などの(論文等の)最新情報を入手できるようなサイトの情報を収集すれば、付加価値を高めることができるのではないか。

次に、リンク集の階層化について、7冊の教科書の目次に基づき意見交換した。当初は事務局より、「インターネット物理学リンク集」を参照して、教科書に倣い大項目(章)、中項目(節)、小項目を階層化する提案がなされたが、それに対して、全ての項目を網羅できるほどのコンテンツを一度に探すことは困難であることから、まずは大項目だけを確定して、それに該当するコンテンツを委員が探した方が良いのではないか、との意見があった。それに伴い、まずは基本的な事項を踏まえた章立てのなされている、八千代出版の教科書「心理学 for you」をベースとして、その中で欠落している心理統計・研究法、心理学史、その他(健康心理学や高齢者に関わる問題、能科学、生物学等)を加えたものを大項目とすることとした。大項目一覧は下記の通り。

1. 感覚と知覚
2. 記憶
3. 学習
4. 思考と言語
5. 情緒と動機
6. 発達
7. 知能
8. 性格
9. 臨床心理学
10. 社会心理学
11. 教育心理学
12. 犯罪心理学
13. 産業心理学
14. 心理学統計・研究法
15. 心理学史
99.その他

 また、大項目に従い、次回委員会までに委員各自、データベースに掲載することが好ましいサイト情報を収集することとした。なお、サイトを探索する途中で大項目に該当しないが掲載が望ましいコンテンツがあった場合には、その他に含めることとした。

 また、心理学教育関連のシンポジウムを開催して参加者に対してデータベース構築の趣意を説明すれば、コンテンツ情報の提供者も増えるのではないかとの意見があったが、事務局より、他の委員会でも、委員会以外の教員との情報交換を行うために、研究集会を開催していることから、必要に応じて開催することは可能である、との回答があった。

2.その他

 今後の委員会活動は、三ヶ月に一度開催することとし、次回委員会では16年度の大まかなスケジュールを決定することとした。