社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第1回心理学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成16年6月5日(土)午後2時から午後4時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:木村委員長、今井副委員長、中原、田崎、大島、塩谷、中澤、吉田委員

      井端事務局長、木田

W.検討事項

議事に先立ち、事務局より本協会の本年度事業計画及び学系別教育IT活用研究委員会の活動方針について説明がなされた。ポイントは下記の通り。

  • 平成17年度より大学に対して第三者機関による外部評価が義務付けられる。私情協でも大学情報化評価委員会を設置し、情報化の視点から大学評価の指針を取りまとめることにしているが、大学評価では、個々の大学がどのような特色ある教育活動に取り組み成果を上げているのか、ということが問われることになる。
  • 特色ある教育の実施や教育効果を測定するためには、大学外部=社会からの支援、例えばインターネットを利用した外部講師の授業参画や授業内容に対する講評など実施することにより、授業内容の質的向上に与することが期待されている。
  • 本委員会でも、社会に求める教材・素材をピックアップいただき、協力を願いたい。

次に、電子著作物処理権利事業や補助金関連に関する情報提供がなされた。

  • 大学間での電子著作物の遣り取りを円滑化することを目的とした、電子著作物権利処理事業が本年10月より実施される。
  • 大学内で作成された電子著作物の流通を促進するためには、権利の区分を学内で予め明確にしておく必要がある。そのためには、学内で電子著作物に関する取扱い、権利区分を定めた規定を設ける必要がある。 

    ※本事業に関しては右のURLを参照されたい。 http://www.juce.jp/crdb/index.htm
  • 補助金を有用に活用いただくためのWebサイトを構築した。このサイトは、大学教員に対して補助金の活用の姿勢、申請方法、種類、スケジュール、留意点、補助金活用積極化に向けた提言が記載されている。特に提言では、補助金が教員の教育活動に十分反映されていないことに鑑み、学内での補助金情報の周知やニーズの調査、戦略会議の整備が必要であることが謳われている。
  • 教員個人が個人研究費で購入された教材等でも、補助対象に該当すれば申請可能である。100万円以上に満たない場合などは、例えば複数の教員共同で研究費を束ねる等工夫されたい。

  • ※ 詳細は右のURLを参照されたい。http://www.juce.jp/hojokin/

1.インターネット上の教材・素材集について

事務局より、現在登録されている教材一覧表ならびに新規Webサイト情報について提出された。現在登録されているURLは32件であり、今回新たに紹介するのは4件であるが、新規の4件中3件は知覚関連のコンテンツであり、まだ「記憶」、「思考と言語」、「情緒と動機」、「臨床心理学」、「教育心理学」、「犯罪心理学」、「産業心理学」はコンテンツが未登録である。そこで、今後はこれらの未登録のコンテンツを中心に検索していくこととしたが、特に臨床関連のコンテンツについては、Web上では殆ど公開されていないとの意見もあった。

2.心理学教育情報技術活用研究集会について

以前より提案がなされていた標記研究集会開催に向けて、事務局より下記のプログラム案及び他の委員会主催の研究集会開催要項が提出された。

プログラム案

  • 日時:2004年11月〜2005年3月
  • 場所:東京近郊で交通アクセスの良い大学等施設(できれば委員校が望ましい)
  • 参加対象者:国公私立の大学教職員(加盟校限定としない)
  • 参加費:2,000円(資料代)
  • プログラム(午後1時から6時と想定)

    13:00 開会 

    13:10 基調講演(委員会外の方にご依頼する)

    14:10 休憩

    14:20 委員会報告(25分×4本)

    16:00 休憩

    16:20 全体討議(事例報告へのコメント含む)

    17:30 終了 

このプログラム案をもとに2005年3月に開催を予定することとした。なお、テーマについて意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

  • 私立大学では心理学部・学科が多くなりつつあるが、その影響か基礎実験をコンピュータだけで行うような学校もあり、一方で国立大学では従来通り実験機器を用いた手作業の実験を地道に行っている。例えばテーマとしてデジタルとアナログのどちらが優れているのか、ということを取り上げるのは面白い。
  • IT活用の成功例だけでなく、失敗例やアナログの良さも交えても構わない。あるいはITを用いた教育効果を科学的に測定した事例などもPRして良いのではないか。
  • データベースに登録された錯視のコンテンツのように優れたものは、教員がOHP等手作業で作成したものよりも学生に対してわかりやすく教えることができる。そういうコンテンツの活用方法を紹介するもの良い。
  • メインテーマとしては、「教育改善のためのIT活用」的なことを掲げ、全体討議ではIT活用の可能性と限界や教材を準備するための支援体制・整備体制を議論し、最終的には大学間連携や社会支援への協力を呼び掛けるような結論に落としていく。全体討議での議論のきっかけとして、いくつか授業事例を紹介して、実際の教育効果や失敗例を提示すれば良いのではないか。

 以上、具体的なプログラムについては、次回委員会にて検討することとした。