平成25年度 FDのための情報技術研究講習会 開催結果の概要

■開催日程:平成26年2月26日〜28日

■会   場:大阪経済大学

■参加者数:67名(49大学、1短期大学)

■講習会の目標 

 本講習会では、ICT環境・教室設備・授業形態などが課題でアクティブ・ラーニングの実施に踏み切れない教員の方々に参加いただき、それぞれの環境下で実践可能な糸口を見つけていただくことを目指し、事前・事後の学修を促進するための教材作成や学生参加型授業、学生が能動的に学ぶための授業方法などICTを活用して教育改善の手法を習得することを目的とした。

■プログラムの内容 

 アクティブ・ラーニングに取り組むための教員の姿勢やラーニングのイメージを共通理解するため、ICTを活用した授業の重要性と主体性を引き出す授業の実践事例、チームベースドラーニング、eポートフォリオの活用事例を紹介した。その上で、教員が希望する3つのコースに分かれて以下の到達目標を目指して演習形式のFDを実施した。

■コース別の到達目標

@ タブレットを意識した電子書籍型教材作成コース
 事前・事後学修の促進などのために、タブレット端末での利用を想定した電子書籍型教材の作成技術を獲得し、授業や自己学修で使用する教材の作成を目的とした。

A LMS活用コース
 LMSを利用した事前・事後学修の展開、授業内での学生レスポンスの取得、双方向性を高めるタブレット利用など、学生参加型のアクティブ・ラーニングに求められる手法とLMSの活用技術の習得を目的とした。

B 授業マネジメントコース
 アクティブ・ラーニングによる学修の進め方を参加者間で体験し、授業の一部分でも実践可能な授業マネジメントを目指して、PBLやTBLの授業運営、教材提示方法などを意見交換する中で自らの授業デザインの相互評価を行い改善することを目的とした。

■実施結果

@ 共通講義では、「刺激的で興味ある内容であった」、「異なる分野での取り組みを知ることができた」、「仕掛けや組み立てが大変だが努力するしかない」、「発想の転換が求められている」などの感想が得られ、主体性を引き出し、伸ばす視点の獲得が図れた。

A 電子書籍型教材作成コースでは、教材作成技術の獲得について「達成できた5%、見通しがたった95%」との成果があり、概ね教員自身で教材を作成する技術を身につけることができた。参加された教員の多くから「電子書籍を授業のテキストや自己学修教材として作成したい」、「新しい教材の可能性が広がった」、「教材を見直し、学生の反応を確認したい」などの感想が得られ、教材作成の視点が教員の目線からではなく、学生の興味を引き出し、よりわかりやすい内容にする改善が確認された。

B LMS活用コースでは、LMSを用いた初歩的なアクティブ・ラーニングのイメージ作りとLMSの活用方法の理解について「達成できた8%、見通しがたった92%」との成果があった。参加された教員の多くから「LMS使い方が理解できた」、「アクティブ・ラーニングは難しく考えなくてもよいことがわかった」、「事前・事後学修にLMSを使いたい」などの感想が得られた。LMSの利活用に苦手意識と技術的な壁をもっていた教員の方々は、演習や意見交換を通じて理解が促進され、授業の一部分に取り入れて行こうとする改善意欲が確認された。

C 授業マネジメントコースでは、ICTを取り入れたアクティブ・ラーニングによる学修の進め方については、「見通しがたった92%、達成できなかった8%」との結果であった。参加された教員から「新しいプランの参考になった」、「授業の質や教育力の向上につなげたい」、「実際にシラバスを検討することでアクティブ・ラーニングの手法を授業の中に位置づけることができた」、「設計した授業を実現したい」、「学内で共有化を図りたい」などの感想が得られた。なお、1名の方からは「具体的な事例をより多く聞きたかった」との意見があり、期待に添えなかったことから、来年度に向け参加される教員全員に達成感が得られるようコースの運営について改善を図ることにしている。

研修の模様



共通講義コースでの実習

 

 

 


私情協ホーム