CCC 平成２０年度　第2回　CCC体育学グループ委員会　　議事概要

Ⅰ．日　時：平成20年9月11日(木)正午～午後2時

Ⅱ．場　　所：私情協事務局会議室

Ⅲ．出席者：鈴木委員、手塚委員、田附委員
　　　　　　　　井端事務局長、事務局山野上

Ⅳ．検討事項：

１．体育学における学士力について

（１）学士力検討にあたっての方向性について
　井端事務局長より、学士力検討にあたっての方向性について資料に基づき説明があった。

① 国際的な学習成果の到達度調査について

OECD(経済協力開発機構)が高等教育機関の学習成果評価を実施する構想が打ち出され、そのための予備調査を10カ国程度で数年に亘り実施す予定であることが紹介された。テストの内容はCLA(The Collegiate Learning Assesment)で実施しているような実際的なテーマを掲げた文章題中心であり、批判的思考力、分析的思考力、問題解決を計るものとなると見られている。企業などでの経験を有する社会人が多い欧米の大学に対して、日本の大学は不利になると考えられる。このようなことも意識して学習成果を検討する必要がある。

② 学士力案策定の進め方について

サイバーFD教員に意見伺いを行う依頼文について、教育学分野を例示した。学問分野を問わない共通の能力は省き、その学系固有のものだけに絞っている。学士力案では４つの主題を設け、短い文章でそれを明確に表現するとともに、説明を2,3行で付け加えている。体育学グループでも同様に短くまとめることを期待する。完成した案は、サイバーFD教員に提案し、一週間ほどの期間を設け意見を収集する。詳細部分については、来年以降に検討することとする。

（２）体育教育における学士力案の検討
　各委員より事前に提出いただいた学士力案について説明いただいた。主な提案は以下の通りであった。

・体育学を学びスポーツを行うことによって、健康な体づくりを行う。
・スポーツをすることにより、協調性や倫理観を養うことができる。
・人間の存在の根幹として、身体表現を育む。
・環境が身体に与える影響を理解し、そのスポーツや運動に取り組む。
等々

　以上、挙がった意見を基に、次の4つの視点から、医学分野などと重複しないよう表現に気をつけて検討を行った。
・基本的なからだに対する知識
・体を動かすことの喜びを知り、生涯健康維持に努める
・コミュニケーション活性化のための体育
・体育専門としての内容

討議の結果、下記の通り原案を確定した。
① 身体運動を通して、健康な体づくりについて科学的に理解できる。
② 身体を動かす喜びを実感し、生涯に亘って生活の質の向上に役立てることができる。
③ 身体活動・表現を通して、コミュニケーション、リーダーシップの向上に役立てることができる。
④ スポーツ競技力向上の基礎知識が習得できる。

２．今後の予定について
　今回取りまとめた学士力について、サイバーFD研究者宛に意見を求めるメールを事務局より送信する。運営委員は、社会人関係者を含め周囲の意見を聴取していただくこととする。次回委員会ではそれらの反応を参考にし、学士力案を改めて見直すこととする。
なお次回委員会は10月10日(金)午後1時～3時に開催することとなった。