特集
学生への魅力ある、きめ細かな教育を行うため、各大学では規模の違いはあるにせよ、授業の事前事後学習、シラバスデータベース、教員と学生とのコミュニケーションなど、情報技術を活用しながら様々な教育サービスに取り組み、より特色ある大学を目指している。
今号と次号では、情報技術を活用し教育環境を構築している大学の実践例を事前事後学習、つまりセルフラーニングを軸に、システムの機能や運用管理、教材作りについて紹介する。
田中 正郎(青山学院大学経営学部助教授)
表1 AMLプロジェクトにおけるサイバーキャンパス基盤システムの機能構成 機能区分 機能名 機能概要
(1) 教務支援機能 講義情報管理 教師またはシステム管理者が授業に関する情報(講義ID、担当教師、講義時間受講可能人数など)を登録、更新したり、授業の状態を参照する機能。 受講情報管理 教師またはシステム管理者が授業に参加する学生などの受講情報(学生IDなど)を登録、更新する機能。 授業開始/終了 教師が授業(講義・演習)の開始や終了を宣言する機能。 授業参加/提出 学生が授業(講義・演習)に参加や退出の登録を行う機能。 出欠管理 教師が授業の出欠を確認する機能。 成績管理 教師が学生の成績を登録,参照する機能。 教材管理 教師が教材を登録、更新したり、教師や学生が授業中あるいは授業外に参照、検索する機能。 授業シナリオ管理 教師が授業シナリオを登録・更新したり、教師や学生が授業中あるいは授業外に参照、検索する機能。 提出物管理 学生がレポートなどの提出物を登録、更新したり、教師や登録した学生が参照、検索する機能。 授業シナリオ作成支援 教師が授業のシナリオを作成編集、保存する機能(教材へのリンクが可能)。
(2) ネットワーク・
コミュニケーション
支援機能電子掲示板 教師が授業中に解説や問題提起を行ったり、学生同士が意見交換するため、また授業外に教師や学生が発言するため、1対多あるいは多対多のコミュニケーションを可能とする機能。具体的には、掲示板に発言を投稿したり、以前の発言一覧からキーワードで検索したり、参照したりする機能(文書とのリンクが可能)。 質問箱 教師と学生間の質疑応答などの1対1コミュニケーションを授業中に限らず随時可能とする機能。具体的には学生が回答者・回答期限を指定して質問したり、教師がそれに対して回答する機能(公開、非公開の選択が可能)。 ネットワーク会議 Live LANによるネットワーク会議システムを呼び出す機能。ネットワーク会議システムを利用することにより、学生がテレビ画面によるプレゼンテーションを行ったり教師が画像を送りながら授業を行うことができ、授業中の1対多コミュニケーションを可能とする機能。
(3) システム管理機能 利用者情報管理 システム管理者が教師、学生など利用者の情報(ユーザID、メールアドレス、パスワードなど)を登録、更新、管理する機能。 個人認証 システムがユーザID、パスワードにより講師、学生など利用者のアクセス権を自動的に認証する機能。 ログ管理 システムが自動的に採取したアクセス・ログを、システム管理者がトラブル解析などのために検索、参照する機能