化学の教育における情報技術の活用
及川 義道(東海大学理学基礎教育研究室講師)
授業は、CAI教材による自学自習を中心に展開されます。学習の形態は自由で、一人で黙々と学習する学生もいれば、グループを形成して互いに補いながら学習する学生もいます。また、基本的には試験日までに所定の範囲を学習すればよく、各自のペースで学習を進めます。ただし、教材ごとに課題が用意されていて、その課題を提出しなければ学習の終了が認められません。なお、各教材の内容量は、1回の授業で消化できる程度に設定してあり、90%以上の履修者はこちらが想定した進度で学習を進めています。※ 東海大学ではセメスター制ですが、学年制に対応させて表記しました。
表1 対象別学習教材の一例 対 象 教材名 一般教養文系学生全学年※ 化学を学ぶために 空気の化学 水の化学 生活の化学 材料の化学 エネルギーの化学 環境の化学 生命の化学 専門基礎工学部1年次生※ 化学変化とその表現 原子構造 電子配置 量子論と化学 化学結合 気体 液体 固体 化学変化とエネルギー 反応速度 化学平衡 溶液 酸と塩基 酸化還元 電池 金属とその化合物 非金属とその化合物 エネルギー資源と化学 炭化水素 炭化水素の誘導体 有機化合物の反応 高分子化合物 生体と化学
演習問題・課題も、テキストを見ながら解くことができるように、別ウィンドウに表示されます。演習問題は、学習者自身が解説を見ながら自己採点する形式、課題は、所定の用紙に解答を記入して提出させ、添削の後返却するとともに、解説を後日Web上で公開する形式をとっています。なお、問題の解法に必要な定数や物理データは問題文中に表記しておらず、学習者自身が参考資料から調べるようにしています。
図1 教材実行画面の例