経営工学の教育における情報技術の活用
渡辺 一衛(成蹊大学工学部教授)
(1) 教材運用の環境条件
本教材は次の条件で使用しました。
CPU: PentiumIIIプロセッサ450MHz メモリ: 64MB HDD: 12GB 本文: Internet Explorer5.0またはNetscape Navigator4.6にて再生可能 動画像: Media PlayerなどのMPEGの画像が再生可能か、Internet Explorer5.0などのJPEGの画像が再生可能 静止画像: MS-Excel、PDFまたはJPEGの画像のいずれかが再生可能
(2)授業の構成
上記の段階をもとに、表1に示す8セクションからなる授業内容を設定しました。プレゼンテーション全体の標準正味時間は60分であり、残りの時間を前回のレポートの解説、今回のレポートの説明、VEに関する補足説明などに用いることとしました。
表1 VE入門授業構成 番号 各セクションのテーマ 使用時間・内容 累計時間 1 VEの概要 5分(説明) 0〜5分 2 会社説明と商品紹介 10分(約3分ビデオ画像) 5〜15分 3 問題状況と解決プロセス 20分(約10分ビデオ画像) 15〜35分 4 VEの対象選定 5分(ワークシート1枚使用) 35〜40分 5 VEの機能定義 5分(ワークシート3枚使用) 40〜45分 6 VEの機能評価 5分(ワークシート2枚使用) 45〜50分 7 VEの改善案の作成 5分(ワークシート6枚使用) 50〜55分 8 VEの提案と実施 5分(ワークシート1枚使用) 55〜60分
(1) 画面の構成例(図1参照):VEの概要
経営工学分野でのVEの位置付けを理解することを目標にしています。画面の構造として、標題(テーマ)、目的、方法という項目分けにより1ページを構成しています。
(2)写真を利用した構成例(図2参照):会社説明と商品紹介
VEを適用している会社での具体的な事例を写真を中心にして紹介します。詳細な会社説明が必要な場合には、ホームページを参照できるように設定してあります。
(3)ビデオ映像を利用した構成例(図3参照):問題状況と解決プロセス
旧製品の問題点およびVEを適用して得られた新製品をビデオ、写真により紹介します。さらに、会社でのVE適用による製品開発の模様をビデオにより再現しています。
(4)ワークシートを利用した構成例(図4参照):VEの対象選定以降のセクション
これ以降のセクションではVEの適用手順について、事例を基に紹介します。説明に必要なワークシートは、Excel形式、PDF形式、HTMLによる画像2種(大きい画像と小さい画像)の合計4種類を用意し、インストールされているブラウザの影響を受けないようにしました。また、前のセクションまでに示されたワークシートとの関係を示すために、ワークシートの用語にリンクを張り、前のワークシートを参照できるようにしました。セクション5〜8は自習用の教材でもあり、これに基づいてレポートを作成できるような構造としてあります。
図1 説明用の画面構成例 図2 写真をベースにした画面例 図3 ビデオを利用した画面例 図4 ワークシートの画面例
このような手順化、標準化を行ったために、次に作成したIE入門の授業内容は、短期間で完成することができました。
図5 授業システムの構造図