特集
笹山 茂(熊本学園大学経済学部教授)
「あれだけのものを毎回書くのは結構大変じゃないですか?」最近時々言われるようになりました。私が定期的に本学の学生向けに配信している「メールマガジン(経済用語解説)」のことです。2000年4月のマクロ経済学の講義開始に合わせて、学内のメーリングリストを活用して経済用語解説のメールマガジンを始めました。同じ内容を私のホームページ(注)にも掲載して一般にも公開し、2002年1月段階で42回に達しています。最初は気楽に始めたメールマガジンの発行ですが、次第に力が入ってきて1回当たりのボリュームが増えてきてしまいました。当初は勢いにまかせて毎週発行していましたが、最近は多少ペースダウンしています。これも粗製濫造を避け長続きさせるためと割り切っています。
メールマガジンは、新聞の経済記事のさわりを紹介し、そこに登場する経済用語をわかりやすく解説することを目的としており、これをきっかけに学生が新聞の経済記事を読んでもらえればと願っています。もう一つのねらいは、ネット上から有益な情報が収集できるかどうかを試すことにあります。メールマガジンは経済用語の解説とそれに関連するネット上の代表的なサイトを紹介するスタイルで構成しています。テーマによっては定番ともいえるサイトもありますが、有用なサイトをできるだけ多く探して紹介することに努めています。この探索作業にかなり時間がかかるし時間もかけています。この作業を通して、私自身のサーチエンジン活用能力も多少は増したかもしれません。
メールマガジンでは多くのサイトを紹介しているので、参照したURLが変更になると修正が大変。2001年1月の省庁再編によりほとんどの中央省庁のアドレスが変更になったときは困りました。アドレスの変更はネット上の特性とはいえ、アップデートするのも結構苦労します。暇を見つけてはチェックしていますがまだ見落としもあります。メールマガジンを掲載してからは、学外の方からの質問メールが目立って届くようになりました。丁寧なメールもあればぶっきらぼうなメールもあります。すべてに返事を出すことはできないので、申し訳ないが選んで返事を差し上げています。これもサイトを公開した者にとっての一種のコストなのかもしれません。
最初にメールマガジンありきではありませんでした。1997年4月よりホームページを授業の補完手段として利用しようと考え、まずは講義ノートの公開から始めたのが発端です。以前から講義ノートはすべて電子化しノートパソコンを教室に持ち込んで講義をしていたので、講義ノートをWeb上に移すのはごく自然な成り行きでした。今ではホームページ上のノートを見ながら授業するスタイルになっています。Webサイトには研究用・趣味用など様々な性格がありますが、私のそれは講義補完型です。私のサイトの“売り"は「メールマガジン(経済用語解説)」の他に、「経済年表」「サーチエンジン・クイズ」「マクロ経済学講義ノート」で、トップページのオススメコーナーにあります。原則として毎週1回データを更新しています。このメールマガジン、今では学科全体として取り組み、各教員が交代でそれぞれの得意分野を発信しています。
(注)
http://www.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/
図1 メールマガジン全体の目次
http://www2.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/