特集
青山 広(東海学園大学人文学部教授)
筆者は、平成7年度から12年度まで、東海学園女子短期大学英文学科において情報教育を担当しました。平成5年頃から当英文学科でもパソコンを使った情報教育をさらに拡充しなければならないという意見が強まり、筆者がその担当者を大胆にも(!)引き受けたことがその後の人生を大きく変えることになりました。
当時、既に非常勤の先生が英文ワープロソフトなどの使い方を教えていましたので、「情報基礎論」という1年生用通年科目を私が担当し、いわゆるコンピュータリテラシー教育をすることになり、平成7年4月の開講にむけて準備を始めました。当時は学生用パソコンのOSはMS-DOSでしたので、MS-DOS、BASIC言語を中心に指導すべく準備にとりかかりました。しかし、DOSもBASICも知らない状態でしたので、平成5年の夏休みに自宅近くの民間のパソコンスクールに通い、それらの基本を学びました。
平成8年度以降は、「情報基礎論」のほかに筆者のゼミでもパソコンの指導を始めました。平成8年初めに情報教室のパソコンがWindows 95搭載パソコンに更新されたことを受け、平成8年度と9年度はゼミ生にMS Visual Basic(以下、VBと表記)を使った英語学習ソフト作成を指導しました。VBについては市販のマニュアル本を使った全くの独学でした。何十冊とVBの本を買い求めましたが、授業で指導したいことを1冊ですべてカバーした本はなかったので、いろいろな本から利用できる部分を少しずつ採用し、授業に活かしました。
平成10年度からは情報教育をさらに推進するために英文学科の中に「ネットワークコミュニケーション」という名称のコースが設置されました。このコースの目的は、英語はもとより、パソコン、特にインターネットも使いこなせる学生を育成するということで、情報関係科目としては、ワープロ、表計算、データベース、プレゼンテーションに関するもののほか、ビジュアルプログラミング(VB)、ネットワークシステム、UNIX、ホームページ作成などを配置しました。筆者は主にネットワーク、UNIXの科目を担当しましたが、その準備のために平成9年の夏に稚内北星学園短期大学で開催されたUNIX関係の講習会を受講しました。UNIXは平成8年頃から独学でLinuxとSolarisを使っていましたが、この講習会で、UNIXを使ったネットワーク構築、運営などを習得することができ、授業で大いに役立ちました。
英文学科は短大改組のために平成12年度末でその幕を閉じましたが、それまでの6年間の情報教育で多くのことを経験しました。特にVBのプログラミングや、UNIX上でのネットワーク構築、各種インターネットサーバのインストールでは、作成したプログラムやサーバソフトが思うように動作せず、授業中何度も冷や汗をかいたりしました。文系中心の学内には、VBやUNIXの専門家はいなかったので、結局、市販のマニュアル本や雑誌、そしてWeb上に存在する情報などをフルに活用させていただきました。また、授業・研究スタイルもかなり変化しました。それまで、ワープロ専用機しか使ったことがなかったのですが、今では授業はもとより、本務校や所属学会のホームページ作成などでパソコンは日々の活動になくてはならないものになりました。現在は、同じ学園内の四年制大学に移籍しており、情報関係科目を担当しておりませんが、機会があればまたしてみたいと思っています。
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