私情協ニュース2
今年度の私情協大会は、「サイバーキャンパスに向けて」というメインテーマを掲げ、9月11日から13日までの3日間、アルカディア市ヶ谷(東京、私学会館)で開催された。
今回の参加者数は471名(153大学、17短期大学、賛助会員20社)と、例年よりも50名ほど少ない結果となった。これは、開催日の設定が例年よりも遅く、後期授業の開始時期と重なったことなどが影響しているようであった。なお、賛助会員による展示会の出展数は昨年よりも少し多く35社であった。
今年の私情協大会は、メインテーマとして掲げた「サイバーキャンパスに向けて」に沿って、「近未来におけるわが国の大学教育の情報化に関する在り方を見定める」という方向で全体が構成された。特に初日は、明るく元気が出るような近未来の大学教育の情報化についての講演が企画された。初日午前は、産業審議会やIT戦略本部等の政府機関でわが国のIT戦略について積極的に提言をされている東京大学名誉教授の石井威望氏より「国のIT化戦略と大学への提言」と題して講演いただいた。続いて、実際にインターネットを利用した遠隔授業で大学の単位が取れるというわが国としては先端的な試みを実践されている国立大学の信州大学の不破 泰氏から、「ネットで単位修得」と題して具体的な紹介があった。さらに、新しいサイバーキャンパスの構築に積極的に取り組んでいる青山学院大学副学長の辻 正重氏から「サイバー教育システムの構築」と題して実例が紹介された。初日の午後は、法政大学総長の清成忠男氏から「ITを用いた教育のグローバル化」と題して、今後の大学のIT化の方向を伺った。その後、私情協の戸高敏之会長と白井克彦副会長から、現在、私情協が積極的に取り組んでいる「サイバー・キャンパス・コンソーシアム」についての話があり、ネットワークを通じた私学の今後の共生と競争に向けた私情協の取り組みが紹介された。初日の最後は、平成12年度に私情協が実施した日米大学マルチメディア教育セミナーの報告として「ハーバード大学、MITにおけるIT戦略」について、井端事務局長から紹介があり、彼我の差を明確にされた。最後に、「高度情報化推進の私学助成」の説明がなされた。
2日目は、恒例の事例発表があり、3会場に分かれて42件の公募による発表と、今年のメインテーマに沿って遠隔授業に関するオーガナイズドセッションが企画され、2件の発表があった。例年の通り、熱のこもった発表と議論がなされた。
3日目は、例年のように私情協大会の目的である先端的な教育の情報化事例と技術的な動向が紹介された。午前中は、「授業へのIT導入の先端的試み」として、「外国語教育におけるITの導入」を早稲田大学の平埜雅久氏から、「経済、経営系の教育におけるITの導入」を慶應義塾大学の千代倉弘明氏から、「講評授業システム−建築学における授業の例−」を法政大学の安藤直見氏から、そして「チャットを活用した授業例」を千葉経済大学短期大学部の江上邦博氏からそれぞれ事例紹介いただいた。午後には、まず「次世代情報端末の技術動向と教育への活用」として企業と大学の実例とが紹介された。すなわち、「企業における技術動向」としてキャノン株式会社の中西正浩氏と株式会社東芝デジタルメディアネットワーク社の善田浩輝氏からそれぞれ最先端の技術動向が、そして、東海大学福岡短期大学の伊津信之介氏から情報端末の「教育への活用事例」が紹介された。最後は、教育の情報化事例と技術動向事例がそれぞれ二部屋に分かれて報告された。「教材・資料の電子化支援体制」として明治大学の安藏伸治氏、城西国際大学の中嶋正夫氏、および立教大学の毛利立夫氏、大井良介氏からそれぞれ具体例が紹介され、一方、「電子認証と技術動向」として株式会社日立製作所の毛塚 悟氏と株式会社三菱電機の伊藤英明氏からそれぞれ詳しい最新技術情報の提供があった。また、2日目の午後から最終日まで、賛助会員による展示会が開催され、最新の機器、システム、コンテンツ等が展示され、2日目の最後は、例年同様に懇親会が催された。
以下に、各セッションの内容について報告する。
現在、国で進めようとしている来年度のIT重点施策に関する基本方針「e-Japan2002プログラム」の内容が、推進役のご本人から詳細に紹介された。「我が国が5年以内に世界最先端のIT国家になる」という目標の下、五つの基本方針が立案されたこと、すなわち1)高速・超高速のインターネットの普及の促進、2)教育の情報化・人材の育成、3)ネットワークコンテンツの充実、4)電子政府・電子自治体の着実な推進、5)国際的な取組の強化、について詳しく紹介された。これと関連して同氏が座長をされている「総務省IT推進有識者会議」の報告が紹介され、デジタルディバイドの解消と誰もがITを利用できる社会を目指した施策の具体的内容、および、どのような情報化社会が望ましいかについての議論の検討結果が紹介された。 IT重点施策に関する上の五つの基本方針のうち、2)と3)が教育に強く関連していて、今後は、iモード等のモバイルインターネットが普及し、教育ではインタラクティブな教育が主流になるだろうことが示唆された。
信州大学大学院工学研究科情報工学専攻では、来年度からインターネットで必要な修得単位を取ることが可能なバーチャル大学院の設立宣言をしたが、それに対する反響、およびバーチャル大学院を可能にするWeb上でのCAI教材等のコンテンツの開発とこれまでの使用経験について紹介された。バーチャル大学院の構想を発表すると全国からホームページに毎日2000件以上のアクセスがあり、その関心の高さに驚かされたとのこと。その実現のためには良い教育コンテンツの存在が不可欠で、これまで信州大学で開発されてきたWebを用いた各種のドリル型のCAIや、Webを利用したテスト方式が紹介された。これまでのこのCAIの実際の利用経験と学習理解度を調べる各種のテストの成績から、理解度の向上、脱落者の減少、学習意欲の向上等が見られることが分かり、バーチャル大学院の実施に対しても、準備をしてきたこれらの教育コンテンツが有効に働くと期待できる。ただし、試行評価に基づくフィードバックが不可欠で、バーチャル大学院の成功は、コンテンツ開発にかかっていると言えることが紹介された。
18歳人口の減少や外部評価の実施等の現在の大学を取り巻く状況、遠隔授業やサイバー・ユニバーシティ構想等の情報教育を取り巻く状況、高速度通信やモバイル環境等の情報通信技術を取り巻く状況等が紹介された。新しい時代に対応すべく、青山学院大学が進めている淵野辺駅より徒歩数分の相模原新キャンパス構想(2003年開校予定)が紹介された。この新キャンパスは、21世紀型文理融合キャンパス、インテリジェントキャンパス、高度情報型キャンパスを目指しており、そこに敷設される情報環境施設設備の概要、すなわち新キャンパス情報化システム構想という夢のある構想を紹介いただいた。同時に授業コンテンツの開発、授業のWeb化とセルフe-ラーニング構想も紹介された。最後に、フレッシュマンには、3I教育と称して情報リテラシー、英会話リテラシー、数学リテラシーの三つはぜひ身につけさせたいと話されたが、これからはどこの大学でもこの三つのリテラシーは不可欠であろうと思われる。
バーチャル・ユニバーシティーが登場し、国境を越えた教育が可能になったが、この分野では諸外国がかなり進んでおり、わが国が遅れていることをまず指摘された。しかし、ITで伝達されるものは形式知のみで、暗黙知は伝えることはできず、バーチャル・ユニバーシティーには限界があること、大学においては良き師、良き友が不可欠で、バーチャルとリアルの融合の場が重要であるとされた。
また教育の質を維持向上するために、グローバルなスタンダードが各分野で形成されつつあるが、自己点検評価に加えて、第三者による認証で質の維持が必要であること、研究の評価と教育の評価は別であること、産業界やマスコミからの評価も含め、多様な評価の必要性などを説かれた。
さらに、大学が戦略的な展開をしていくための事業モデルの必要性を示され、外国の事例に加えて、法政大学における、ITプロフェッショナルのための1年制の大学院、IT研究センター、アメリカ研究所、新学部等の例を示された。各大学としてはこれらを鏡として、独自の戦略を構築する必要に迫られているわけである。
大学の総長、理事長である以前に、経営学者として地域経済論、中小企業論、ベンチャービジネスを専門にされる方の眼とご体験からの、現在の大学経営戦略を伺ったこととなった。
戸高会長と白井副会長より、私情協のサイバー・キャンパス・コンソーシアム(CCC)構想と今後のコンソーシアム発足準備について説明がなされた。
国内外の大学との授業相互交流、新しい教育方法の研究、教材の共同利用・共同開発などを通じ、教育内容を豊かにし教育学習機会の拡大するためには、社会の基盤環境として定着している情報通信技術の活用が、教育改革を検討する上で避けて通れない課題である。1大学ではなし得ない多様かつ国際的に通用する教育の提供を効果的に推進するため、私情協としてネットワーク上でサイバー・キャンパス・コンソーシアム(CCC)を形成する必要がある。このように教育の大学連携の必要性について述べられた後、CCC設立のメリット、目的、連携の対象、連携の体制、発足の準備(スケジュール、検討課題)について説明がなされた。
平成12年11月に私情協が主催した、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学などにおける「日米大学マルチメディア教育セミナー」から得たものが要約されて、井端正臣事務局長から紹介された。
訪問した大学では、教室でしか得られない教員と学生の双方向の授業が重視され、ITはそれを補うものとして利用されていること、オンライン、オフラインでの教員と学生間のあるいは学生相互間のコミュニケーションが、授業をより効果的にするために利用されていることなどを知り得たことを強調された。特に、「教える」授業ではなく、学習者としての学生の学ぶ意欲と立場を尊重した、学ばざるを得ない形を作っていることが示された。
そのための教員側のWebサイトの事例も紹介され、それを参照して日本の大学向けのサイトの試案も示された。これらの大学では、e-ラーニングオンライン学習は対面学習を補完する形で融合されて利用されているようである。
これらについては、大会の資料に加えて、私情協から「第1回日米マルチメディア教育セミナー報告書」(2001年3月、80ページ)として冊子が出されているので参照されたい。
下記の私情協会員専用ページにも掲載。
http://www.shijokyo.or.jp/member/semi00/nichibei.htm
A−1 | Phone Passを利用した口頭英語の運用能力測定に基づく学習効果の判定 |
早稲田大学 | 原田康也氏、楠元範明氏、寄高秀洋氏、 藤田真一氏、阪原 淳氏 |
電話を通して英語の口頭会話能力を自動測定する学習システムの運用結果が報告された。受験者の応答はデジタル化処理され独自開発された音声処理システムにより採点される。試験結果の分析から、スコアの向上に大きな効果があることが報告された。
A−2 | 学生のCALL授業への評価 |
日本大学 | 多恵基継氏、田中玲子氏 |
MacintoshのHyperCardによるCALLシステムの導入とその授業評価について報告された。学生アンケートによると、操作は簡単で、授業およびコンピュータ利用に対する満足度が概ね高いことが報告された。
A−3 | 学生による学生のための学習用ソフトウェア開発 −メディア系学生が作る英会話教材− |
東海大学短期大学部 | 岡田礼子氏、広川美津雄氏、岡田 工氏、 岩谷りん氏、木村 仁氏、古沢千春氏、 松坂光太郎氏 |
日本人および外国人英語教員の指導のもとに、メディア系学生が分担して作成した英会話自習用教材が紹介された。ソフトウェアの完成度が高く実際に自習教材として利用されている。作成した学生自身も通常の授業では得難い知識や技術を獲得できたとの報告がなされた。
A−4 | インターネットを利用したロシア語予習・復習教材 |
東海大学 | 佐藤靖彦氏、峯崎俊哉氏、山川 博氏 |
Webを利用したロシア語の予習・復習教材の紹介とその運用結果が報告された。自宅から自由にアクセスできる点、好みの箇所を繰り返し練習できる点など、受講した学生には好評であったことが報告された。ロシア語特有の複雑さの克服が困難であった点も報告された。
A−5 | コンピューターによる外国語自習システムの構築 |
千葉工業大学 | 大久保政憲氏 |
JavaScriptによる外国語自習システムにおいて問題作成や学習履歴の記録に関し難点が生じ、OPUSシステムを利用した教材作成によりそれらの難点が解決したことが報告された。学生アンケートの結果は概ね良好であったが、PCの習熟度の点で問題があったことも報告された。
A−6 | 早稲田大学法学部総合英語の授業におけるATR CALLの学習効果 |
早稲田大学 | 山本玲子氏、原田康也氏、Jared Bernstein氏、 楠元範明氏、久保理恵子氏、鈴木陽一郎氏 |
英語の難しい発音の聞きとりと発音訓練に特化したATR CALLシステムが紹介され、その運用結果が報告された。LAN版、Web版とも、訓練による改善の効果は大きく、TOEICなどとの部分的な相関が見られることも報告された。
A−7 | 弱点管理機能付き留学生向け日本語学習支援システム |
早稲田大学 | 保坂敏子氏、スワン彰子氏、藤田真一氏、 田村敏隆氏 |
留学生の日本語学習者が日本語習得度を自己診断して弱点を発見し、必要な学習を自律的に進められ、教師も学習者の弱点を把握できる日本語学習支援システムの開発事例が報告された。
A−8 | 機械翻訳利用「英語でインターネット」授業の実践 |
帝京大学短期大学 | 宮地利彦氏 |
「英語インターネット」の授業でWeb上の辞書や機械翻訳機能を積極的に活用して英語のホームページを検索し、機械翻訳の可能性・有効性と限界、誤訳による危険性などの教育を行った事例が報告された。
A−9 | オンライン授業評価 |
四国大学 | 山本耕司氏、稲井千寿子氏、辻岡卓氏 |
四国大学経営情報学部では、同学部学生が受講している全科目に対してブラウザ画面を通じて即座に授業評価できるオンライン授業評価システムを完成させ、その結果や授業改善の可能性について具体的に報告された。
A−10 | 文系情報学科におけるシステム構築教育 |
作陽短期大学 | 新居尚道氏 |
文系情報学科における情報処理教育として、プログラミング能力とシステム構築能力を高めるためにデータベース簡易言語を採用し、システム分析からプログラム作成までのシステム構築教育に関する事例が報告された。
A−11 | 社会心理学実習における情報処理教育の展開事例 |
奈良大学 | 八ッ塚一郎氏、高田利武氏 |
初めて心理学を本格的に学ぶ大学2年生を対象とした社会心理学実習に情報処理教育を展開することによって、心理学部門の専門知識と統計解析を含む情報処理技能を同時に習熟させるカリキュラム事例が報告された。
A−12 | プレゼンテーション課題による特性不安の低減効果について |
帝塚山大学 | 竹原卓真氏、落合史生氏、田中あゆみ氏、 田中希穂氏、上田博之氏 |
情報処理の授業で自己紹介、心理学実験、情報検索のデータ処理結果の発表を行わせ、アンケート結果の分散分析により、学生個人のプレゼンテーションに対する特定不安を低減するのは「慣れ」であるとの事例が報告された。
A−13 | 生命科学分野の卒業研究における数学支援ツールの活用例 |
埼玉医科大学 | 勝浦一雄氏 |
東京薬科大学 | 林 昌樹氏 |
数理生命科学に関する卒業研究においてMathematicaを用いた研究遂行例を取り上げ、有効な支援ツールになる具体例を挙げる一方で、結果信頼や理論軽視などの問題があり、その対策例について紹介された。
A−14 | 学内LANを用いた履修登録 |
名城大学 | 新井宗之氏 |
学生5,300名のための履修登録システムについて、教務委員会の教員がLinuxとスクリプト系言語により低コストで構築したものであり、実運用での性能確認を行う一方で、開発とメンテナンスの負担に言及している。
A−15 | 新しい視点に立った情報系ハードウェア技術演習の試み |
大阪電気通信大学 | 高見友幸氏、津村一郎氏、野村恵章氏 |
大阪電気通信大学短期大学部 | 光本浩士氏 |
1、2年次生を対象とした情報系ハードウェア技術演習として、最新技術を多く盛り込んで回路設計から回路動作確認までの全プロセスを常に概観しながらの実習例とその有効性を紹介している。
B−1 | 栄養教育シミュレーションで培う新しいリアルアプローチ |
中村学園大学 | 沖田千代氏 |
栄養士養成施設としては日本で初めての試みとして、「臨床へのリアルアプローチ」、「新しい教育形態の創造」、「容量の増大」、「すぐさまコミュニケーション」の四つのコンセプトに基づき、「臨床栄養指導シミュレーション」の開発に着手した。現在は試用中で、今後の展開が期待される。
B−2 | 図書館と連携した医系情報リテラシー教育 |
愛知医科大学 | 安藤裕明氏、坪内政義氏 |
医学部および看護学部1年次の情報系基礎科目の中で、図書館のスタッフと連携し、また他学部の学生も参加して、グループ別の課題の調査、分析およびプレゼンテーションを通じて、図書館の利用と検索、ネットワークを通じての医学関連教材やデータベースなどの検索法を実習した。
B−3 | 文科系学部によるパーソナルコンピュータ組み立て教育 |
日本大学 | 山口秀樹氏、白川良典氏、桑野直美氏 |
日本大学短期大学部 | 白瀬朋仙氏 |
国際関係学部国際ビジネス情報学科の学生を対象に、1999年度よりPC組み立て実習を課外授業として行っている。学生は、教員により準備された部品からコンピュータを組み立てることによって、ハードウェアの理解を深め、OSをインストールすることにより達成感を味わうことができる。
B−4 | 授業のためのWebサイトの運営とコンテンツ作成支援 |
中部大学 | 杉山恵子氏、水島章次氏 |
中部大学では、Web を通じての授業のコンテンツ作成を支援するために、1)オンライン出席機能、2)小テスト機能、3)アンケート調査機能、4)アクセスカウンタ機能、5)Webページアクセス解析機能 の五つの機能を備えたWebページ作成ツールを開発し、併せて教員の作業専用の部屋(Web Factory)を設けた。
B−5 | プログラミング教育時の教師と学生の対話性を高めるための一試み |
千葉経済大学短期大学部 | 江上邦博氏 |
C言語を用いるプログラミング言語の実習授業において、UNIXサーバ機上でコンパイラの出力するメッセージ等を取得し、エラーの種類や緊急性等を教卓のPCに出力するシステムを作成し、また英文で出力される(エラー)メッセージを日本語化することによって、授業を大幅に改善することができた。
B−6 | パソコンソフトによる利用者管理システムの構築 |
文教大学 | 竹上 健氏、石田 武氏、佐藤マサ子氏 |
湘南校舎ライセンスセンター(資格取得課)では、MS-Excelを利用して利用者登録、検索、応募状況の集計、受験者抽出・一覧および受験票出力、日報および月報の作成、データの削除と更新を行うための管理システムを構築した。受付期間を変更するなどの見直しを行い、サービスを低下させることなく課員の作業時間を減少できた。
B−7 | Webベースの学習支援システム/グループウェアの開発とその運用について |
嘉悦大学 | 坂口寿一氏、宮本 勉氏、鷲見研作氏、 森本 孝氏 |
嘉悦大学では、全学生がノートパソコンを持つという恵まれた状況にあるが、その更なる活用を図るため、Webベース学習支援システムを開発するとともに、情報のパーソナライズ化を考え、学生、教職員個人ごとのナビゲーション機能をWeb上に実現した。まだ半年の運用であるが、学生や教職員からは、高い評価を得ている。
B−8 | 無線LAN環境におけるノートPCの利用動向調査 |
甲南大学 | 渡邉隆俊氏、深堀太博氏、鳩貝耕一氏 |
2000年度に甲南大学では、大学でネットワークを活用し、あるいは自宅でレポート作成などを行うため、学生に対し280台のノートPCおよび無線LANカードを貸与した。このサービスの有効性を検証するため、2001年1月から3月にかけてアンケート調査を行い、その結果が報告された。多くの学生に有効に活用されている反面、少数ながら通信機能の向上を求める声もあった。
B−9 | インターネット利用による教授法、教材提供、レポート提出方法―幼児教育学科4回生の授業の一例から― |
聖和大学 | 石垣恵美子氏、瀧川光治氏 |
幼児教育の分野では、例えば「手書き」を重視するなど、コンピュータやマルチメディアへの拒否感をもつ教諭や保育士が少なくない。その中で、博士前期過程6名が、それぞれ幼児教育学科4回生の小グループのリーダーとなり、教官のホームページを通じてマルチメディアを活用した肌理の細かい教育を行った。他分野の先生方の理解を得たいという強い要請があった。
B−10 | 映像と音声とインターネットを利用した参加型の遠隔授業 |
京都医療技術短期大学 | 近藤啓介氏 |
VODサーバとインターネットを利用し、同期型・非同期型の遠隔授業を行った結果、映像と音声は一方向であっても、デジタル通信による双方向を可能にすることにより、積極的に授業に取り組む参加型の授業展開が可能になったことが報告された。
B−11 | マルチメディア・コンテンツの作成によるコミュニケーションスキルの養成 |
沖縄国際大学 | 大井 肇氏、安里 肇氏、平良直之氏 |
音声・静止画・動画を効果的に活用したコンテンツ作成を通して、不特定多数の受信者にとって有益な情報とは何かを考えさせるカリキュラムを実践した。2〜3名のグループで情報交換をしながらコンテンツを作成することで、自主的に取り組む姿勢が生まれ、情報発信者としてのコミュニケーション能力向上につながったことが報告された。
B−12 | ネットワークを活用したタイピング練習の効果 |
近畿大学豊岡短期大学 | 田中啓一氏、有田顕泰氏 |
タッチタイピングソフトで、成績データを学内LANのサーバで一元管理して成績をWeb上で閲覧できるようにすることで、他の学生との競争意識をもたせ、学習意欲の向上を図ることができるシステムを開発した。アンケートにより、成績ランキングをWeb上で公開することで、練習の励みになったとの意見が寄せられていることが報告された。
B−13 | 携帯電話への学事情報提供・メール配信システムの開発・運用 |
羽衣学園短期大学 | 山岡俊章氏 |
ブラウザ内蔵の携帯電話への学内情報提供システムを開発した。管理者は通常はPCから、緊急時は携帯電話から学内情報(試験日程、教室変更、急行情報等)を登録する。携帯電話の種別を問わずサービスが受けられるようにしたことなどが紹介された。
B−14 | 大規模一般教室改修に伴う映像配信による教育支援 |
日本大学 | 谷口郁生氏、小林貴之氏、毒島雄二氏 |
大規模一般教室のコンピュータ実習室への改修に伴い、教材提示用モニターやチームボード等を導入した。これにより、教材の視認性が向上するなど、自然な授業を展開することができるようになったことなどが報告された。
B−15 | 画像データベースを用いた教育支援システム |
甲南大学 | 土井康孝氏、吉川太朗氏、西河俊伸氏、 辻田忠弘氏 |
画像データベースソフト“AngelStore"を用い、学生の個人情報(顔写真、出席状況、レポート評価など)を電子的に管理し共有することで、複数の教員・TAが学生の現状を把握でき、きめ細かい授業を行うことが可能となったことが報告された。
C−1 | 個人情報のセキュリティ確保を重視したシステム構築について |
千葉工業大学 | 竹本篤郎氏 |
パソコンリテラシー教育において、クライアントPCへのログオンアカウント、メールサーバへのログオンアカウント、電子メール情報、デスクトップやアプリケーションの情報をすべてMOに保存するシステムを構築した。ログオン情報やメールの内容などの個人情報はサーバには残らず、またログオン時にクライアント内のユーザプロファイルの初期化を行うので、個人情報を保護することができる。またどのPCにおいてもブラウザやアプリケーションなど、設定した個人環境が再現できるので、初心者にも親しみやすい環境が実現できた。
C−2 | 出席登録課題評価記録システムの運用効果について |
京都光華女子大学 | 山本嘉一郎氏、阿部一晴氏、酒井浩二氏、 土井淳子氏 |
リテラシー教育をはじめとする、種々のコンピュータを使用した実習授業のサポートシステムの運用結果について述べた。これらの授業では「前回の宿題のチェック→当日の課題の説明→例題による確認→次の宿題の提示」を繰り返すので、宿題のチェック、出欠記録、試験等の評価結果の記録を支援し、パスワードによる保護のもとに個人の出席や成績を個人に開示するシステムを開発して運用した。自動化による省力効果に加えて、個人の学習状況の迅速な把握と対応、個人評価のフィードバックによる学習意欲の向上などの効果があった。
C−3 | メディアネットワークセンターにおける授業評価の試み |
早稲田大学 | 前野譲二氏、滝沢武信氏、原田康也氏 |
情報処理入門という授業について、学生アンケートを通じた授業評価を行った。授業の目的の理解、その目的の達成度などを加味し、授業の内容、教材と課題、担当教員、受講生自身、総合、という五つの区分で質問項目を設定した。教学支援システムを利用し、Web上でアンケートの実施から集計までを行った。受講者数4,000人、延べ教員数800人規模の授業であるが、回収は279名と少なかった。総合的な結果は5段階評価で3.8であり、記述式の回答についても好意的な評価・感想が多かった。今後回収率の向上を図りたい。
C−4 | インターネットを利用した授業評価とアンケート処理 |
西南女学院短期大学 | 井ノ口美佐子氏 |
ファジー推論入門に関するWeb教材を作成し、1コマの授業を行って、その結果についてのアンケートによる授業評価を行った。教材をWeb化して講義時間の短縮をはかり、アンケートはプロバイダの持つ履歴機能を有するゲストブックを利用してペーパーレス化と時間短縮を実現した。理解度、興味の程度、インターネットを利用する講義への関心などについて調査し、学科別の学生の関心の差異について知ることができた。教材のWeb化で、継続的な学生の関心についての調査が可能である。
C−5 | レゴマインドストームは、情報基礎教育の有効な道具となり得るか |
前橋工科大学 | 神沼靖子氏 |
大同工業大学 | 烏野寿章氏 |
流通経済大学 | 蜂谷 博氏 |
30名の高校生を対象に、3日間6コマの実習と1コマの授業により、レゴマインドストームを用いてロボットプログラムを作成させる試みを行った。与えられた単位機能と制御構造により完成イメージを描かせ、プログラムの構造化、割り込み処理、通信などの機能など、プログラミングの重要な概念を理解させるとともに、デバッグの基礎を学習させた。ロボットという目に見えるものが対象であるため、生徒の関心は高く、プログラミングの論理的な流れを理解させるという面で有効な手段であることがわかった。
C−6 | 短期大学におけるホームページ作成授業に対する考察 |
甲子園短期大学 | 吉井 隆氏、秋山貞夫氏、竹本賢太郎氏 |
スクリプト言語を用いて動きのあるホームページを作成させることを目標とした、1年半の情報教育コースを作成した。マルチメディアデータの扱い方からはじめ、HTMLの記述、既成のホームページ作成ソフトの利用、JavaScriptによるプログラミングまでをカバーする。授業ごとの課題で理解度チェックを行った。マルチメディア情報の扱い、インターネットを利用した情報収集、プログラミング教育、ネットワ−クを利用した教育などの観点から、この授業が有効であることが確かめられた。
C−7 | 資格取得を目標としたWBTシステム導入による、教育改善の方法とその結果 |
中京学院大学 | 梁瀬洋一郎氏、須栗 大氏、太田 光氏 |
中村学園大学 | 神品光弘氏 |
中京学院大学における情報処理演習TにWeb Based Training (WBT) を導入したことによる学習効果について報告があった。期末試験の結果により、WBTを導入したクラスのほうが13点ほど平均点が高いという結果を示した。
C−8 | ネットワークを活用した電子化支援システムの開発 |
大阪国際大学 | 中井哲夫氏、下條善史氏、岡本容典氏 |
電子化授業のために開発したe-クラス支援システムの概要について報告がなされた。その支援システムの主要な機能は、教材作成支援、出席管理支援、理解度評価支援、成績評価支援、e-ノート、e-黒板等である。
C−9 | 環境システム学科新入生の情報倫理意識について |
立正大学 | 山下倫範氏 |
武蔵野短期大学 | 木川 裕氏 |
立正大学 | 細谷順二氏 |
情報倫理について学生の意識調査を行い、その分析結果についての報告がされた。その中で、WBTによる倫理教育前の調査と比較して、教育後は情報倫理に対する学生の意識が高まっているという結果を示した。
C−10 | 大学における今後の情報関連法規教育の方向性 |
武蔵野短期大学 | 木川 裕氏 |
学生の情報関連法規の認知度を調査するために「コンピュータ犯罪」や「著作権法違反」等に関する実態調査を行った結果を報告している。男女間で意識の差があることを示し、その差を考慮して情報関連法規教育を行うべきであると結論付けた。
C−11 | ネットワーク時代に対応した情報倫理教育の試み |
関西学院大学 | 中條道雄氏 |
米国の大学で起った情報倫理に関するいくつかの具体的な問題例を示し、それを踏まえた上でネットワークに時代に対応した情報倫理教育の試みについて報告した。その中で、グループによる課題研究を行わせる方法が有効であることを報告した。
C−12 | 情報処理教育の学生と一般の知識および意識の現状 |
日本女子大学 | 山内美恵子氏、立花厚子氏、高宮裕子氏 |
コンピュータおよびインターネット関連用語についての学生の意識と要求を調査した結果を報告している。そこでは、調査対象学生を女子大と一般の専門学校とコンピュータ関連の専門学校に分類し、その間の比較を行っている。
第15回私情協大会は、サイバーキャンパスに向けてというテーマを掲げ、これまでよりも目的意識を明確に打ち出していることに特徴がある。しやがって、大会冒頭に組み込まれた講演にその特徴が伺える。さらに、大会2日目の事例発表の中にもその目的に合致するテーマがオーガナイズされたのが以下の発表である。
この発表は、青山学院大学の大学院国際マネジメント研究科で院生の教育に活用されている科目マネジメントゲームに関わる遠隔教育と実践教育の報告である。米国カーネギメロン大学を中心に開発されたプログラムを利用し世界各国の院生400名が参加し、Web上に公開されたゲームの情報を得ながら、日米テレビ会議システムによる遠隔授業も展開し教育効果を上げている。
SCS(Space Collaboration System:衛星を中継点とした音声・映像を広域性・同時性を維持した通信システム)を用いて東海大学で海外在住(タイ)日本語コースの専攻学生に対して行われた日本語遠隔教育の実践報告である。多くの解決すべき問題を挙げながら授業展開していく前向きな取り組みが窺われた。実施に当たって著作権の問題や使い勝手の問題等が指摘されていることに注意を喚起したい。
早稲田大学が1997年度より展開しているサイバープロジェクトの一環である、パソコンテレビ会議ならびにインターネットによるチャットを活用した外国語教育のシステム概要と活用状況が報告された。内容は、異文化交流とサイバーレクチャーに大別される。異文化交流では、CCDカメラで撮影した映像を交互に送受信して相手の姿をPC画面で見ながら、タイプライティングにより海外の大学と交流するものである。現在アジアを中心に参加大学10校を超えて広がりつつある。ソフトウェアは、コーネル大学開発のCUSeeMeというチャットソフトである。サイバーレクチャーは、海外の大学の授業を早稲田大学まで配信する、いわゆる遠隔授業である。これらについて、教育効果ならびに運営上の課題が述べられた。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)における、教育の個別化をテーマとした、キャンパス情報システムの改良計画が報告された。従来の規格化されたお仕着せの教育に変わって、「学びたいペースで、学びたい場所で、学びたい量だけ、学びたいときに学ぶ」という新しい方向、すなわち、Learning On Demand(LOD) を実現することによって、多様性ある才能の開花をねらいとするものである。具体的には、LIAMと呼ばれるシステム、すなわち、Learning with Information Technology And Multimediaが開発中である。内容は、遠隔授業とLODで構成されている。前者では、教員の遠隔講義による複数キャンパスへの同時授業提供によって、学生は自分のキャンパスを離れることなく他キャンパスや、海外を含む他大学の授業を受けることができる。後者では、シラバス、教材、課題など学生に提供する授業情報をWeb Learning System上に掲載し、学生はWebを通じていつでも学びたいときに学ぶことができるというものである。
建築学の教育における「設計製図」において、単に設計技術を学ぶだけでなく、建設の思想、社会や環境とのかかわりなど総合的な判断力・思考力を養うために、遠隔地にある複数大学の学生の作品発表審査会をリアルタイムで行うシステムが報告された。このねらいは、設計課題の評価を、多様な価値観をもった複数の評者で行うことによって、自分で気付かなかった視点や可能性を学び、独り善がりに陥るのを回避し、また、他人の批評に対していかに自己主張できるか、といった総合力を涵養することである。これを実現するため、通信衛星を利用した遠隔講義システムが有用であり、現在まで、法政大学の二つのキャンパスを結ぶ学内講評会のほか、鹿児島大学、広島大学、近畿大学とを結ぶ「3都市4大学合同講評会」が実施され成果を上げた。このシステムでは伝達されやすいメディア(例、音声)とそうでないもの(例、ペン図)が明らかになっており、改良への示唆が与えられた。
開発や教材準備に手間がかかったり、使用法の習熟に時間がかかるシステムではなく、皆が使っている易しいメディアであるチャットを活用して、授業を張りのあるものに変える試みが報告された。現在、授業で直面している困難として、学生の学力低下や無反応化など、学生の積極性の低下がみられる。これを改善するには、教室内でフィードバックをするためのツールが必要でないか、との問題意識から取り組まれたものである。
システム利用の評価としては、学生側から「発言しやすくなった」「意外性があり楽しい」すぐに質問できるので便利」「直接参加しなくても解決のヒントになる」など、教師側では、「おとなしい学生からの意見がある」「授業時間中のオシャベリの減少」など効果を示す反応があった。
近い将来に広まると予想される情報端末技術と活用法について、研究・開発に携わる方々および教育への活用研究を行っている方に、その原理・機能・広がる可能性について紹介いただいた。キヤノン(株)の中西氏には、一般に「電子ペーパー」などと呼ばれている「ペーパーライクディスプレイ(PLD)」の各社技術動向について紹介していただいた。PLDは、PCなどの電子機器の便利さと、紙で作業する快適さを両立するために必然的に生まれてきた概念とされ、1)表示画質が紙の印刷物のように読みやすく目に優しい、2)電気的にアドレスして書き換え可能な媒体である、3)低消費電力または電源を切っても表示が保持できる、4)薄く丈夫な作りである、などが目標とされている。初期の1970年代に検討されたEPD(電気泳動式)では、ガラス基板間に空隙を設け、透明電極間に染色した絶縁性液体を満たして白色の帯電粒子を電圧印加で上下動させ、色表示させていた。その後、E Ink社ではこの方式で問題となっていたマイグレーション(粒子の塊発生)を防ぐためにマイクロカプセルに分ける方式で試作品を製作している。また、Xerox PARCでは上下塗り分けた微小球を電界で回転させる方式も研究されている。キヤノン(株)では、水平型電気泳動ディスプレイを開発し、下面の電極面上での平面方向での帯電粒子移動方式により曲げられる試作品を開発し、高精細化へ向けて開発を進めている。講演では実際の動作の様子をビデオ映像で紹介いただいた。PLDの一部は数年内には商品化が実現する見込みといわれ、教育現場や日常の生活空間での活用アイデアを刺激する重要な道具になると考えられる。
(株)東芝の善田氏からは、Wireless Internet Appliance (WIA)という新しい考えの情報器具のコンセプトとデモ機を紹介いただいた。これは、インターネット利用を基軸とした情報機器で、ノート型PCでは困難であった「軽量(500g)」、「長時間駆動(8h)」、「クイック起動(目標1秒)」を実現するものである。OSはLinuxを採用しフラッシュメモリーによるディスクレス起動を可能にしている。アラン・ケイがかつて提唱したDynabook構想(Dynamic book vision)「いつでも、どこでも、誰とでも」に一歩近づいた仕様といえる。携帯電話・無線LAN・Bluetoothなど多彩なWebアクセス環境を持つこの道具は、サーバベースの情報提供と、高速ネットワークで接続された軽量・高性能・高耐久性を持つ情報端末システムの具現する例と捉えることができる。
東海大学福岡短期大学の伊津氏からは、現時点で普及が進むPDA (Personal Digital Assistants)の最新動向を紹介いただくとともに、大学での教育サービスに実際に活用している様子について紹介いただいた。同大学では、すでに7月から実施しているPCユーザ向けのe-ラーニングサービスに続けて、PDA向けのサービスの仕様を策定し、PDA教材への変換エンジンを開発することでXMLベースでの教材資源の共有を可能としている。以上の動向を鑑みると、高速ネットワークと軽量・高性能な携帯端末の有機的な結合で、利用者重視の洗練された情報環境の方向が伺え、新たな教育環境構築への刺激になったのではないかと思われる。
明治大学では、教員と学生のコミュニケーションをベースとした人格形成をも教育の重要な一要素であると考え、これを支援する総合的なシステムを構築している。そして、明治大学の教育・研究をインターネット上に公開した「Oh-o! Meijiクラスウェッブ」を活用した教育支援が教育のすべてではないが、少なくとも従来の教育環境では考えられない程の効果的な情報伝達やコミュニケーションが生まれるという認識を持っている。この目的達成のために、情報インフラの整備と相まって、底に流れるコンテンツの充実に力点を置いた取り組みが紹介されている。このコンテンツ充実のため、明治大学の全教員2,000名、全授業9,000コマの情報をWeb上に展開し、全学生35,000名に発信するという目標に向けた、大システム構築への配慮や問題点等々が紹介され、大いに傾聴に値する内容であった。
本報告は、立教大学が、7学部20学科、学生数約15,000名に対する情報環境の整備、特にコンテンツ検討委員会(2000年度はV-Campus企画小委員会)において進めてきたコンテンツ作成支援策についてのものである。立教大学における教育のデジタル化の主な目的は、電子教材を活用できる教員を増やし、活用している教員の負担を軽減することに充てられた。そして、日々行われている授業について、授業前、授業中、授業後のあらゆる面から支援するコンテンツを 1,000コマ達成することを当面の目標として取り組んでいる。具体的には、授業の内容を各回(半期で10〜13回)分の授業概要を1,000字から2,000字程度にまとめ、教員もしくは学生アルバイト(受講している学生:アルバイト代事務局負担)が作成し、掲載している。
(文責: | 明治大学 | 向殿 政男、 | 文教大学 | 真鍋龍太郎、 | ||
専修大学 | 大曽根 匡、 | 拓殖大学 | 高橋 敏夫、 | |||
東海大学 | 高橋 隆男、 | 法政大学 | 宮脇 典彦、 | |||
武蔵工業大学 | 横井 利彰、 | 立教大学 | 坂田 周一、 | |||
早稲田大学 | 船木由喜彦、 | 湘南工科大学 | 後藤 宣之 | ) |