私情協ニュース1

平成13年度 授業情報技術講習会開催される


 授業情報技術講習会は、基礎コース(平成13年8月27日−29日)を上智大学と大阪経済大学で同時開催し、応用コース(8月30日−9月1日)を大阪電気通信大学にて開催した。以下に概要を報告する。


基礎コース概要

<1日目>

 知的資源開発促進委員会の星野 洋委員長(東京電機大学)の「開会挨拶」に続き、山本 恒委員(園田学園女子大学)による「プレゼンテーションの基本と効果」の説明があった。映像音声はISDN(64kbps×6=384kbps)で大阪会場(大阪経済大学)から東京会場(上智大学)に伝送されるとともに、東京の映像音声も大阪に伝送され、双方向で講習が進められた。教材データは宇宙通信(株)のNOC(Network Operation Center:茨城県)に設置した広島国際学院大学のサーバにあらかじめアップロードし、講師の操作により教材画面が説明に同期して即座に衛星経由両会場に伝送、表示された。アンテナは受信専用の小型安価なものを使用した。
 初日午後からは、大阪会場、東京会場に分かれて実習を行った。大阪会場では藤川清史委員を講師とし、大阪経済大学のスタッフ、賛助会員の補助により「プレゼンテーションの表示、表現技術の基礎」について実習が始められた。実習では、自己紹介のスライドを作成するという共通課題に取り組み、カットの利用、スライド画面切り替え、アニメーションの活用などプレゼンテーションにメリハリをつける方法を実習した。同様に、東京会場では、金子尚弘委員(白梅学園短期大学)、真庭 功委員(追手門学院大学)を講師とし、上智大学のスタッフ、賛助会員の補助により同様の実習を行った。


<2日目>

 「画像の取り込みと編集の基礎、編集、貼付けと効果、目的別の教材作成」として、持参した画像を用いて、画像の取り込みと加工の実習を行った。また、加工した画像などのファイルやMS-Excel、MS-Word文書など他オブジェクトを組み入れた効果的なプレゼンテーションの作成を講習し、各自の実習を行った。開催校には、講習会用にPaint Shopをインストールしていただいた。実習では、クリップアートや写真の加工・合成を行ったが、受講者は、かねてよりこうした作業に興味があったようで、大変熱心に実習をされていた。


<3日目>

 「Webツールの基本操作、教材作成」として、前日までの成果を生かしてホームページ作りの実習を行った。ここでは、簡便なホームページ作成ツールを使わず、HTML文書の構造と書き方を説明した。その後、教員が作成したホームページの実例を用いてその構造を理解するとともに、各自のホームページを作成し、ホームページを授業プレゼンテーションとして用いる方法を実習した。MS-WordやMS-PowerPointからもWebページが作成できるが、今回は、それに加えて、FrontpageやNetscape Composerを使ったWebページ作成の実習を行なった。Frontpageを利用した大阪会場ではフレーム付のWebページを作成するなど、密度の濃い実習が行われた。
 今回の受講生の多くは、コンピュータの基本的操作に習熟しており、講習を円滑に進めることができたが、講習内容の習得には個人差もあり、また、普段使い慣れている環境との差に戸惑い、実習内容を習得する進度に差が出るなどの問題もあった。受講者の感想からは、講習資料の整備、豊富な視覚教材の使用、講習ポイントの明確化、講習方法など、講習会場のハード・ソフト面での環境や講習の準備と進め方に関して辛口の意見もあり、今後の講習の進め方に参考となった。
基礎コース講内容
8月27日プレゼンテーションの基本と効果
テーションツールの基本操作
プレゼンテーションの表示、表現技術の基礎
8月28日画像の取り込みと編集の基礎
編集、貼り付けと効果
目的別の教材作成
8月29日Webツールの基本操作方法
Webツールによる教材作成
プレゼンテーション教材・Webページ教材の作成実習


応用コース講内容
8月30日映像を取り入れたプレゼンテーションについて
動画像の基本操作
8月31日動画像の編集
教材作成
9月1日Webページへの応用
マルチメディアWebツールによる教材作成
WebページとDV教材の利用法と評価



応用コース概要

<1日目>

 講師の山本喜一委員(慶應義塾大学)より、まず映像を取り入れたプレゼンテーションについての利点、また動画・音声の加工編集についての基礎的な知識として、映像出力の方式、様々な動画像の圧縮形式、映像編集のための機材構成などについて説明がなされた。ついで、映像編集ソフトAdobe Premiereでの映像編集に先立ち、参加者が持参した素材VTRをパソコンに取り込み、コンテンツ作成に必要な部分の切り出し作業を開始した。


<2日目>

 Adobe Premiereの基本的な操作方法の説明後、代表的な映像効果の解説と実践、映像のつなぎ合わせ作業に多くの時間を費やした。同時に動画を使ったプレゼンテーションの実例紹介や、プレゼンテーションに動画を用いる効果および作業量、講義でのプレゼンテーションと自習用教材の相違について、説明がなされた。実習は、各自の進度に応じ、大阪電気通信大学の学生アシスタントが個別の質問に答えるというスタイルで進められた。


<3日目>

 PowerPointやWebページへの動画の取り込みについて、その実例紹介と作成方法の説明があり、参加者各自の素材を利用した授業用プレゼンテーションの作成などが行われた。完成したコンテンツは、今後の授業での活用のため、各自MOに保存して持ち帰った。
 3日間を通じて各参加者とも非常に高い目的意識をもって講習に臨んだうえ、学生アシスタントの真摯な援助もあり、多くの参加者に満足いただいた講習会となった。



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