私情協ニュース3
第11回全国大学情報教育方法研究発表会報告
「全国の国公私立大学・短期大学教職員による、1)ITを活用した教育、2)情報専門分野の教育、3)情報リテラシー教育の各分野における、独自の効果的な教授法の開発を促進・奨励し、その成果の発表を通じて、大学教育全般の質的向上をはかる」ことを目的とした第11回情報教育方法研究発表会は、平成15年7月5日(土)にアルカディア市ヶ谷(東京、私学会館)において開催された。今年度の参加者は187名(94大学、23短期大学、賛助会員6社)で、発表会は一次選考も兼ねて92件の研究発表が行われた。当日に発表された内容は以下の通りである。
その後、第2次選考会は9月6日(土)に行われた。選考結果については11月25日(火)の私情協の臨時総会にて発表する予定である。(第2次選考結果は次号に掲載)
Aグループ
A-1 |
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「授業方法の改善とその評価」 −マルチメディア授業のすすめ− |
九州東海大学 高山 秀造氏
PowerPointを使用して、授業内容の理解の向上を図ろうとする授業改善報告である。PowerPointを前回授業の復習に活用し、その一方でレポート作成により当日授業のまとめ、質問、理解度の自己評価をさせるという形態の授業を行い、それまでのOHPを使用した授業と比較した。アンケート結果から適切性に明らかな向上が確認された。
A-2 |
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コンピュータリテラシにおけるプレゼンテーション課題の取り組み
−仮想会社説明会− |
日本大学 伴 周一氏
会社説明会を模して会社側、質問側の学生をつくりプレゼンテーションと議論を行わせる授業の報告である。舞台つき大教室を使用し、説明する企業には就職実績のある企業を選ぶなど、学生のモチベーションを上げることを重視している。白熱した議論が行われ、教員・学生間のコミュニケーションが活発であった事などが他科目との比較で示された。
A-3 |
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プレゼンテーション指導への一提言
−「プシュケ・ネット」のプレゼンテーション・トレーニング− |
早稲田大学 岡田 昭夫氏
プレゼンテーション教育の工夫を紹介したもの。ホームページの作成を前段階として、これにより達成感を得た学生に、プレゼンテーション教育を行う。学生の作品を提示して、これを学生が相互評価することにより優れたプレゼンテーション能力の教育が可能であることを示した。
筑紫女学園大学 橋本 恵子氏
自己表現力の場として設けられた日本語表現コンテストの報告である。学生の電子メディアに対する親和性の高さに着目しコンテストの一つの部門をデジタル表現部門とし、その3年間にわたる作品の比較を行っている。その結果、ストーリー性の向上、独創性の向上、感情や情趣表現の増加等がみられ、コンテストという形態の有効性が示されている。
A-5 |
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グラフの理解力向上を目的とした総合的学習支援 |
日本大学 |
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鈴木 潔光氏、戸塚 英臣氏、佐藤 深雪氏 |
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鈴木 利枝氏、三武 誉生氏、和田 覚氏 |
専門科目への導入と基礎学力の向上を目指して、グラフの作成や解釈を教える科目の報告である。表計算ソフトによりカオス、フラクタルなどを描画させ、その後の試験の解答率が報告された。また、三角関数の理解のためWeb上で動的にリサージュ図形を描画させる教材と同様の内容を携帯電話の画面に描画させる教材が紹介された。
A-6 |
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動機付けを意識した初期情報教育の教材について |
聖霊女子短期大学 石崎 利巳氏
文系女子を対象とし情報関連科目への導入を目的とする授業の報告である。表計算ソフトにVBAを取り入れ、動物イラストの表示システムなど数種のシステムを作成させ、学生の興味をうまく喚起している。また、他の情報関連科目の受講率が前年度と比較され、この導入科目の実施が他の科目に大きな波及効果を持っていることが示された。
A-7 |
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ライフプランニングを含めた導入集中講義(情報リテラシー教育) |
神戸山手女子短期大学 緒方 隆文氏
技術を教える情報リテラシー教育からの転換を訴え、現行の問題点を克服する新しいリテラシー教育の試案を提示している。人生設計を題材としてワープロ、表計算、思考支援ソフト等を使用し、図表、レポート、ホームページの作成などを行うものである。導入教育、個別化教育という観点からリテラシー科目を捉え直すという提案である。
A-8 |
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学内LANを用いたC/Sデータベースシステムによるタッチタイピング練習支援システムの開発 |
神戸女子大学 小松 俊朗氏
タッチタイピングの練習支援として作成したクライアント/サーバシステムの概要とその実施結果の報告である。タイプテストの結果をデータベースに格納することにより、全体の成績を参照できるようにしたもの。歴代ベストタイム、当該年度ベストタイムを表示し、競争させることによりタイピングの向上が図られたことが報告された。
A-9 |
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独自開発のタッチタイプWBTシステムを用いた実践報告 |
尚絅学院大学 木村 清氏
Webベースのタッチタイピング練習ソフトを独自に開発し、授業に供した結果の報告である。文字を打鍵させる前に、運指のトレーニングをするところに特徴がある。システムはJavaアプレット等で作成され、実写写真のアニメーションを用いるなどの工夫がされている。受講生の成績の推移例が紹介され、運指トレーニングの重要性が示された。
A-10 |
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Web情報におけるコンテンツとデザイン−ホームページ依頼作成実習の試み− |
早稲田大学 片岡 朋子氏
ホームページ作成を課題とする実習は一般に「学生の自己表現の欲求を情報機器を用いて実現する」という固定的目標を前提としているが、コンテンツ作成とホームページ・デザインを峻別し、両者を別々の学生に実習課題として与えるという授業実践の報告。その方が学生にとっては「情報」の本質や表現形態の理解が深まる、と結論づける。
A-11 |
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Webスライドによる情報リテラシー教育
−直示的教示の原点回帰− |
横浜創英短期大学 音成 行勇氏
言語学習がそうであるように「直示的」教示が教育の原点であるが、多人数を対象とする一斉授業方式の情報リテラシー教育においてこれを実践することは実際には難しい。これに対応するため、画面上に短冊状のスライドとストップモーションを付加したムービーを表示するWeb教材を作成して授業に応用し、一定の成果を得たとする実践報告。
A-12 |
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〈場〉としてのネットワーク −あたらしいリテラシー教育の可能性− |
慶應義塾大学 加藤 文俊氏
環境情報学部の専門科目「ネットワークコミュニケーション」において、face
to faceの授業と並行して、学生にネットワークという「場」でハンドルネームによるグループワークを行わせることにより、コンピュータを介したコミュニケーションの特質とコミュニケーションの多重性の意義を考えさせようという実験的授業の報告。
A-13 |
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情報ネットワーク社会における「作・文書」教育の意味と評価方法 |
神戸女子短期大学 水島賢太郎氏
従来のワープロ・リテラシー教育の不十分性を克服し、「正しく、かつ効率的」に電子化文書を作成できる能力を育成するため、教材・カリキュラム・評価方法を開発するという問題提起。ワープロ(Word)とHTMLとを同時に扱った教育実践を踏まえて、主に評価方法とそれに関わる教員の心得るべき事柄に重点を置いた報告。
A-14 |
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Flashを使った情報基礎教育用の電子教材の作成と評価 |
東京理科大学 山本 芳人氏
情報基礎教育において学生が自学自習できる補助教材としてe-LearningコンテンツをFlashにより作成し、授業で活用した実践報告。このコンテンツは教員の音声や字幕による解説、コンピュータ画面とキーボードやマウスの動きを同時表示、イメージ画像やアニメーションによる解説など、多様なメリットがある点を強調する。
A-15 |
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学生のコミュニケーションを重視した情報技術演習の試み |
同志社大学 |
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高橋 一夫氏 |
常磐会短期大学 |
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新谷 公朗氏 |
常磐会学園大学 |
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田端矢一郎氏 |
基礎的技術修得にコミュニケーションが重要な役割を果たすことに注目し、基礎的情報リテラシー修得を目的とする演習授業において受講生にペアチームを組ませ、共同作業を伴う形で授業を行った実践報告。適度な緊張感と共同作業という安堵感が受講生に好評で、またタイピングスピード向上などに成果があったとする。
A-16 |
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商業系および情報系高等学校卒業者の特徴とコンピュータリテラシー教育について |
高崎商科大学 渋谷 綾子氏、築 雅之氏
コンピュータスキルをある程度高校段階で修得してきている商業系・情報系高校卒業者と、必ずしもそうではない普通高校卒業者が混在している大学でのコンピュータリテラシー教育は種々の困難を伴うが、この困難に直面した授業の進め方、カリキュラムの組み方などについて、実際の授業展開に基づいて総括し報告された。
A-17 |
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商業系高等学校、文科系大学におけるプログラミング教育の位置づけについての一考察
−高大一貫教育をめざした教育実践とその評価− |
高崎商科大学 |
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築 雅之氏、渋谷 綾子氏、堀川 三好氏
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竹本 宣弘氏 |
商業系付属高校をもつ文科系大学において、プログラミングを課題とした高大連携、高大一貫教育の単位互換を含む制度化を控え、それを円滑に実施するためパイロット授業を行った実践報告。COBOLなど特定言語の修得の必要性は減少しているが、プログラミングの考え方の修得は重要との視点の下に、高大それぞれの問題点を指摘する。
A-18 |
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SIGN利用ライセンス制度(情報倫理教育の制度的展開) |
産能大学 福森 幸久氏
産能大学の学内教育ネット「SIGN」への接続をライセンスの形式で許可する「SIGN利用ライセンス制度」を発足させ、この制度に基づいて情報倫理教育を展開しているという報告。学生は理解度テストに合格してライセンスを取得するが、反則行為は点数制により一定期間の接続停止などの処分の対象になる。
A-19 |
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短期大学における情報倫理に関する意識の分析 |
大阪芸術大学短期大学部 武村 泰宏氏
短期大学における学習者の情報倫理に関する知識や意識をアンケート調査し、情報系と芸術系の専攻分野の違いによる差異を比較することによって、短期大学における学習者の情報倫理に関する意識の特性を分析した報告。情報通信環境と情報関連用語の知識レベルが情報倫理の知識レベルに影響を及ぼすことが把握できた、とする。
Bグループ
B-1 |
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電子教材作成支援システム−漢字学習者も自由に作成− |
早稲田大学 |
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スワン彰子氏、保坂 敏子氏、田村 敏隆氏
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藤田 真一氏 |
Web上で使用できる初級者用の日本語学習・漢字学習支援システム開発の報告である。本システムには、現場教師が簡単に投稿・編集ができるオーサリング機能、学習者が達成度を自己診断できる機能、教材モジュールはCD-Rを利用してオフラインでも利用できる機能、などが盛り込まれている。
B-2 |
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prologで学ぶ句構造文法入門−英語学教育の情報化− |
早稲田大学 原田 康也氏
「言語学」の句構造文法入門という文法理論の授業を、情報技術を活用して行う実践的試みである。過去の試行錯誤の中から、prologによる演習・実習を取り入れ、シミュレーションを中心とした視覚化とインタラクティブな学習環境を構築することにより、理解が困難な言語学の授業情報化を提案する。
B-3 |
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動画と解答を同期させて学ぶ英語教育
by “SMILE for ME”−スタンドアローン版− |
大谷女子大学 |
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大倉 孝昭氏
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新潟県立看護大学 |
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山本 淳子氏 |
映画の音声と解答を同期させて聴解力向上を目指した自主開発CALLソフトに専門分野コンテンツを取り入れた、ESP(English
for Specific Purposes)向け英語教育システムの報告である。同時に遠隔地の看護大学と提携、ローカルで学習ができる仕様に変更し看護の専門性と目的意識を明確にした英語リスニング向上を実践した。
B-4 |
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英語学習用チャットにおける学習者コーパスとコンピュータ・ティーチング・アシスタント |
関東学院大学 原田 祐貨氏、安田 智宏氏
英語学習にチャットを活用した自主開発システムLECS(Language Education
Chat System)の活用事例報告である。本システムは、国内外221名の教員が登録・使用されており、入力語句と応答をデータベース化して登録可能である。また同システムで、学習者の英文を学習者コーパスとして活用することも研究されている。
B-5 |
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WEB上の英語語彙力テストの開発
−TOEICスコアなどとの相関でテスト結果を表示する− |
東北学院大学 風斗 博之氏
英語語彙力テストの開発を通じて、一般的英語能力との相関を保ちながら正確で客観的な語彙力の評価方法を考案しようとする実験的試みである。テストは項目応答理論に基づいて作成され、語彙テストの構成・レベル・出題形式・応用に関しての議論が提案された。
B-6 |
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映像および画像を使った中国語教材「体会漢語」−現地研修の事前準備および中国語教育サポ−ト教材として− |
福岡大学 甲斐 勝二氏、小林 修氏、中村 勝巳氏
多人数教育に必要な補充学習のため、FLASHを使って自主開発した課外学習用の中国語発音・会話用語学教材の報告である。本システムは発音編(初級)・会話編(中級)・詩と物語編(上級)からなり、ホームページ上で学習できる。将来は映像を一体化させたネット上の遠隔授業やCD化による活用法を検討している。
B-7 |
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いますぐ実現可能な外国語教育のIT化のために−多言語対応の字幕配信システム
MuLCCSを利用した学習モデルとその実践事例について− |
法政大学 鈴木 靖氏
WBTサイトを構築しMuLCCS(Multi-Language Closed
Captioning System)を使って自宅学習と教室での学習を連携させる教育方法の提案である。中国語を事例とした活用方法は、学生が自宅で教材の事前聞き取り練習を行いリポート報告する。後日字幕入り教材が配信され、学生は予習を行って授業で指導を受ける。
B-8 |
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インターネット教育システムを利用した中国語教育について |
上智大学 高橋由利子氏、森田 浩一氏
市販のポータルサイトBlackboardを活用した中国語教育の提案である。事前登録された授業科目の選択・学生に伝えたい情報の提供・発音とビデオ録画を連動させたテストの活用事例が報告された。
関西福祉科学大学 美濃 哲郎氏、亀島 信也氏
教材提示に関して、板書による講義とプレゼンテーションソフトによる講義の教育効果比較である。実験は「心理学」の心理学史と心理学の実験説明で行われ、理解に関する有意の差異が確認・報告された。
愛知工業大学 岡崎 一浩氏
簿記会計をPowerPointでビジュアル化し、会計学としてのレベルを落とさずに受験簿記としての学習の成果を上げるための教材を作成し、インターネット上でダウンロードできるようにすると共にPowerPointの内容を教科書として出版し、両者を有効に利用する授業実践に関する報告である。
国士舘大学 町田 耕一氏
簿記入門者にとって、取引を仕訳することが最初のハードルである。仕訳能力は理解するというよりも、仕訳練習を積むことによって修得される。そこで、簿記基本要素学習、仕訳学習、積算表学習のためのソフトをDelphai、Excel
VBAを用いて作成し実践した結果が報告された。
B-12 |
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教育実習のためのケースベース・マルチメディア教材の開発とその運用評価 |
奈良教育大学 小柳和喜雄氏
教育実習において実際の教育活動と教育理論をつなげ、考えていくことを支援するための事例研究ベースのケースベースマルチメディアCD-ROM教材(対話型事例研究、実習生の授業ビデオ記録とその解説など)を作成した。また、教育実習用WWWとの連携もとることによって効果をあげたことについて報告された。
B-13 |
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教養教育ならびに教職課程におけるWebページの活用と効果 |
中部大学 三浦 真琴氏
教養および教職科目の授業において、1)毎回の授業内容と授業風景の動画、配布したプリント、シラバス等の授業内容、2)授業時間以外にもコンタクトが取れるように、掲示板、3)書籍紹介や作文教室などの授業以外の多種多様なコーナーを設けたWebページ利用した授業実践が報告された。
B-14 |
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保育系短期大学生を対象としたメディアリテラシー教育
−子供が楽しめるパラパラアニメの製作− |
高松短期大学 西浦 和樹氏
保育系短大生に対して、保育現場でのメディア活用方法を理解させることを目的とし、ホームページビルダーを使った学科ホームページの制作および、Webアニメータによるアニメーションの制作を行わせた授業に関する報告で、授業内容は満足させられるものであったが、クラスサイズが多いと学生の理解度が低下することが見出された。
B-15 |
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3次元画像記述言語(3DML)を用いた幼児教育分野における情報リテラシー教育 |
甲南大学 |
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井上 明氏 |
常磐会短期大学 |
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新谷 公朗氏、平野 真紀氏 |
同志社大学 |
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金田 重朗氏 |
幼児教育系学生が、3次元画像を用いて、日常では体験できないものを疑似体験できる教材の作成の授業を行った。具体的には、3DMLを用いたWeb上の仮想動物園と水族館を制作し、学生の保育実践を行い、幼児の反応を観察し、教材としての可能性を検証した。学生は情報スキルの向上とともに、積極的な保育活動を行うことができたとの報告である。
B-16 |
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幼児を対象としたマーカー追跡による音楽指導支援 |
常磐会短期大学 |
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新谷 公朗氏、安谷屋武人氏 |
同志社大学 |
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金田 重郎氏 |
音楽を用いた保育では、複数の幼児の動きを観察し記憶する必要がある。熟練度の浅い保育者でも、自分自身の指導を振り返り幼児を観察する方法として、幼児の動きをマーカトラッキングにより抽出し、時間軸方向にグラフ化して表示する手法の報告であり、このシステムを用いることにより学生でも運動の質などを判定できることが確認できた。
B-17 |
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幼児体育の実技授業におけるLAN配信型動画教材の活用−設定保育の指導案・指導法の評価− |
関西福祉科学大学 |
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治部 哲也氏、日暮 雅夫氏
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関西女子短期大学 |
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水島正二郎氏、山崎 英幸氏 |
幼児体育の授業において、学生が設定した遊びとその指導案を基にロールプレイを行わせ、問題点の指導と評価を行っている。そのために、ロールプレイを録画したビデオをパソコンに取り込み、シーンに連動して適切なアドバイスが文字情報として提示される教材の作成と実践に関する報告である。
B-18 |
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音楽絵本の創作と情報機器の教育的活用効果−児童教育学科における授業実践から− |
大阪成蹊短期大学 兼房 律子氏
音楽絵本創作を「素話、挿絵、作曲」を含む「総合的な創作表現」として行う保育内容研究の授業において、パワーポイント(音楽ソフトはFinale、描画はpaint)を使用して音楽絵本の創作を児童教育学科学生の行わせた結果の報告であり、その結果、パソコンの利点が評価されるとともに、学生の達成感と意欲を高める結果となった。
Cグループ
C-1 |
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多目的タッチタイピング練習ソフトウェア『大打撃!』 |
東海大学福岡短期大学 矢原 充敏氏、伊津信之介氏、前多 聡氏
タッチタイピング練習ソフト「大打撃」を開発し、ワープロ検定等に対応できるような実務能力を身につけるための自学自習用に利用している。模範とする文章を読むことを通して、正しい日本語やビジネス文書を学ぶことも主眼としている。個人ごとの結果判定をサーバーが行い、興味深い画面のフィードバックを返すことで動機付けを図っている。
愛知女子短期大学 海老原初夫氏
担当する授業の支援のために、個人用、学内専用、公開用の三つのホームページをどのように活用しているかの報告。公開ホームページでは、学生の作品を紹介したり、教材や授業内容を伝えることで、「授業は学生と先生の協同作業」というコンセプトを実行している。自身の情報活用の姿を見せることによる教育効果も重要である。
C-3 |
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大学初年次生を対象とした課題解決型情報リテラシー教育のためのWeb教材開発について |
東洋大学 渡辺美智子氏、三浦 安子氏
1年次必修の「基礎ゼミナール」における情報リテラシー教育では、実践的な課題解決型の授業を実施している。レポート作成やプレゼンテーションなど、大学生活に生かせるような課題を設定することで、学生が学習することの有用性を認識している。またその延長として、データ分析能力を高めるための実践型の統計教育も実施している。
C-4 |
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XMLを利用した論理検索教育用Web教材の試作 |
玉川大学 和高 慶夫氏
Web検索の教育では、検索サイトの利用において論理検索が理解しにくいという問題がある。そこで、Excelを利用した検索と、XMLを利用したWeb検索の教材を試作した。XMLを利用した名簿データベースの教材では、2項目および3項目によるAND/OR検索について、ベン図を表示するなどして、論理検索が理解しやすいように工夫をした。
C-5 |
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ストリーミング配信と全文検索システムNamazuを利用した自習型情報検索教育の実践 |
京都橘女子大学 阪本 崇氏
情報検索演習において、学生の理解度の格差がモチベーションの低下を招いていると考えられることから、WBTの手法を授業内で利用することで教育効果を高める試みを行った。ビデオとPowerPointの教材、namazuを用いたデータベース検索、演習問題等を統合し、学生は自分のペースで学習しながら、必要に応じて教員に質問することができる。
C-6 |
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出欠の個人認証と授業評価の匿名性を両立する出欠・評価収集システムの試作 |
神戸親和女子大学 吉川 歩氏
授業の出欠管理において代返を防止するには、メールパスワードを認証に使うのが有効であることがアンケート調査から示された。また、授業評価では匿名性を意識させながら正当な回答者を選別し、複数回答を防ぐ必要がある。そこで、出席確認ページと授業評価ページをメールで通知し、回答者情報が特定できるシステムを考案した。
C-7 |
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Webと簡易ドリル型アプリケーションを併用した繰り返しに重点を置いた教育 |
帝塚山大学 日置 慎治氏
電子メールのマナーを教えるのに、3択式のクイズ形式の問題を解かせる試みと、学生自身に問題を作らせる試みをおこなったところ、大きな効果が見られた。そこで、専門教育で授業について来られなくなる学生に対しても、基礎事項を習得させるために同じ方式を取り入れ、インターネット環境に依存しないWindowsアプリケーションを作成した。
C-8 |
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セルフラーニング型授業の試み −LMS
・ビデオ教材・評価支援システムによるプログラミング教育− |
帝京大学 |
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渡辺 博芳氏、高井久美子氏、佐々木 茂氏 |
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荒井 正之氏、武井 惠雄氏 |
プログラミングの演習において、学生が自分のペースで学ぶことができ、自己学習力を育成できるようなセルフラーニング型授業を、学習管理システム、ビデオ教材作成・配信、プログラム評価支援システム、プログラム提出/アドバイス機能付シミュレータを組み合わせて実施した。学生の評価では理解度についての効果が見られた。
C-9 |
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学内LANを活用した統合型学習システムの構築 |
昭和大学 |
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副島 和彦氏、近藤 雅人氏、阪本 泰光氏 |
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城丸 瑞恵氏、中谷千鶴子氏、佐藤 満氏 |
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鈴木 久義氏、中山 貞男氏 |
学内LANを整備して、教員、学生、教務の三つに分離し、機能的な利用を可能にした。対話式学習システムを作成して自己学習を行えるようにし、試験問題やビデオ画像、パワーポイントによる説明などを提示できるようにした。またグループウェアの導入により、掲示板を利用して学生と教員とが質問・討論を行うことが可能になった。
C-10 |
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Webベースの作品投稿・投票システムの開発と授業での活用 |
倉敷芸術科学大学 村山 公保氏
プログラミング言語を修得させるためにはレポートを提出させ、学生同士で作品を見せ合ったり、評価し合うことが必要である。コピー対策としてレポート提出時に2、3の口頭試問等を課し、学性の作成したデジタル作品をネットワークを介して公開して学性同士が評価し合うための教育支援システムについて紹介している。
C-11 |
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金沢工業大学の工学基礎実験における実験支援ホームページと成績評価公開システムの運用 |
金沢工業大学 西 誠氏、柴原 正和氏、千徳 英一氏
工学基礎実験で学生が実験に必要な装置や機材を前もって調達するための実験支援ホームページとWebを通じて学生の成績を公開する成績評価公開システムについての報告である。このシステムにより成績評価基準を明示し、学生が行った実験と修得した能力についての情報を学生、教員相互で共有できるとしている。
城西大学 堀合 公威氏、石井 宏氏
視覚に訴える画像教材を教員の手で安価な機材を使用して作成することの重要性を説き、
素早い現象を視覚で追えるような速度で再現する方法として、「液滴計を用いた表面張力の測定教材」を作成している。機材として市販のビデオカメラとビデオデッキおよびパソコンを用いたスローモーション動画教材の作成法の報告である。
名城大学 新井 宗之氏
理工系学部では図を含めた実験レポートの提出は必須事項であるが、この管理は教員側にかなりの負担を課すことになる。この報告はWebを介してサーバ上にレポートを提出させ、提出情況、レポート内容の指導、保管等を管理するレポート管理システムについてであり、管理者、教員、学生等に分けて運用している。
C-14 |
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e-Learningを用いた教育方法の一考察 |
日本大学工学部 |
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松崎 和典氏、藤本 洋氏、武内 惇氏、金子 正人氏 |
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大高 祐一氏、水田 豊氏、山川 克広氏 |
高等教育において、少人数教育(小皿教育)が望ましいが、時間・教員数・場所などの制限から多人数集中学習(大皿教育)が現状である。ここでは、e-Learningシステムを用いて、教員と学生の双方向的な講議を実現し、参加意識を高め、自習時間の復習等により、大皿教育で小皿教育と同様な効果を得る方法について述べている。
C-15 |
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問題解決能力を向上させるためのWEB教育 |
東京工芸大学 曽根 順治氏、北村 光芳氏、斎藤 顕一氏
ここではWEB教育法を用いて、問題点をじっくり考え、それに対する自分の考えを構成する能力を身に付け、夢を持たせる教育を考えている。人間が行動を起こすための動機付けの教材としてはNHKの「プロジェクトX」を用いて、問題の捉えかたや解決方法を学ぶための方法としては「問題解決入門のコンテンツ」を採用している。
沖縄国際大学 安里 肇氏、平良 直之、大井 肇
各種コンテンツのWebでの普及に伴い、WBT(Web Based Training)システムを用いたコンテンツ作成能力やそれらを管理運営するための基本的な知識が重要になりつつある。ここでは演習科目において初級英語教育用マルチメディアコンテンツ制作を例に、それを支援するためのWBTシステムの構築について報告している。
東海大学福岡短期大学 伊津信之介氏
高等教育が知識伝達教育から思考訓練教育に、教師中心の教育から学生中心の学習へ移行することを主張している。思考訓練型の教育には少人数教育が望ましく、CIAやe-Learning授業で補足することが必要であると述べている。特に、フリーソフトウェアでの教育環境の整備の効果を強調している。
(C-18 発表中止)
C-19 |
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教育の情報化とOh-o!Meijiポータルペ−ジ |
明治大学 松崎 英樹氏
大学で開設される個々の科目についての「シラバス」、「おしらせ」、「授業計画」、「授業内容」などの教育に関する情報を提供することを目的とした「Oh-o!
Meijiクラスウェブ」に対して、大学の教育・研究生活に必要な事務に関する情報を提供することを目的に開発された「Oh-o!
Meijiポータルページ」についての報告である。
Dグループ
D-1 |
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携帯電話を用いた教育支援システムの開発とその教育効果 |
日本大学 |
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戸塚 英臣氏、鈴木 利枝氏、和田 覚氏 |
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鈴木 潔光氏 |
携帯電話上でフーリエ解析の概念をグラフィック表示させて、教育支援を目指したiアプリあるいはJavaアプリの開発がなされたものである。表示能力に限界のある携帯電話上でグラフィックを取り扱い、学生の関心、取り組みへの動機付けを目指した新しい試みである。
宮城教育大学 |
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安藤 明伸氏、安孫子 啓氏 |
北海道教育大学 |
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杵淵 信氏 |
情報端末の設置されていない教室においても、携帯電話のカメラ機能を活用してリアルタイムの実習の様子をお互いに伝え合うことにより、学生参画型の授業を目指している。携帯電話を端末として利用し、メールサーバ、Webサーバとの連携により、教師と学生間の双方向のやり取りを実現しようとする新しい着想である。
D-3 |
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Webサーバを使った統合型授業支援システム−授業支援ツールとしての携帯電話の利用− |
目白大学 新井 正一氏、垣田 優子氏
ウェブサーバ上に授業支援サイトを学外に開設し、学生の授業への参加意識、学習意欲を向上させることを目指したシステムを業者に委託して開発したもの。携帯電話あるいは携帯端末(PDA)からアクセスを可能として、プログラム入門、コミュニケーションツール、コンテンツ開発を段階的に学ばせる新しい創意工夫がなされている。
D-4 |
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プログラミング教育における図形描画とその表現 |
兵庫大学 森下 博氏
1年生を対象にした、プログラミング言語(C言語)を用いて2次元図形を描画できることを目的とした授業が報告された。2次元図形の各種変換の理論を理解した後に、自然界に見られる樹木を描画することにより、実際の樹木と比較することで、よりリアルな描画を目指して発展的な授業展開になることが期待されることが述べられている。
D-5 |
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創造性を伸ばし、作り出す喜びを味わわせる初学者向けプログラミング教育の実践 |
金城学院大学 長谷川元洋氏
プログラミングの初心者に、プログラム作成によって創造性を伸ばし、作り出す喜びを与えるために、教育用オブジェクト指向言語ドリトルを用いた教育が報告された。学生間で情報共有のための掲示板や、学生の理解度を把握するための学習記録の提出を行わせるなどの工夫がなされている。
D-6 |
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スキャナ、デジカメを利用した筆記試験の採点支援ソフトの開発 |
青山学院大学 竹内 俊彦氏
答案をスキャナで読み込んだ後に、答案画像から解答部分を切り取り、問題番号を指定することにより全答案のその問題の解答一覧が表示され、人間が採点を行ない、採点結果をcsv形式で保存する、採点支援ソフトが報告された。手採点と比較し0.84倍の時間で採点ができ、採点ミスも少なく、有用であることが述べられている。
D-7 |
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九州産業大学情報科学部におけるハードウェアシステム設計教育
−実ハードウェア設計体験を重視した実践的教育カリキュラムの開発− |
九州産業大学 |
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澤田 直氏、有田五次郎氏、花野井歳弘氏 |
九州工業大学 |
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林 悠平氏、立川 純氏 |
ハードウェアシステム設計教育を講義と実験を密接に連携させて、効果的に行えるように工夫した実践的教育カリキュラムの試みである。実際の社会で使用されている制御回路やマイクロプロセッサの動作原理を講義だけでなく、実際に設計し自分で動作させることにより、現場における実用的な設計センスを養わせようとする新しい試みである。
D-8 |
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EDAツ−ル/プリント基板加工システムを用いたハードウェア実習授業の試み |
大阪電気通信大学 |
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高見 友幸氏、光本 浩士氏 |
大阪電気通信大学短期大学部 |
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野村 恵章氏 |
ハードウェアの実習授業を、基礎実験的な要素をのぞいて、現場において即戦力となる実学指向の実験実習を行わせようとする内容とする新しい試みである。実際の回路設計における専門的な知識、技術を実際に回路を試作させることにより学生の強い関心と意欲を引き出そうとしている。
D-9 |
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オペレーティングシステム基本技術の教育方法 |
日本工業大学 小林 哲二氏
オペレーティングシステムの基本技術を、大型機からパソコンまでに共通な部分を抽出して教育することを試みている。講義と演習を連携させるために、ウインドウズ系のVisual
Basicを用いた基本機能のエミュレーション実験を行っている。
D-10 |
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オープンソースの処理系とScheme言語を用いたシミュレーション実習 |
奈良産業大学 中尾 泰士氏
数学、物理、プログラミング言語などの知識を持たないことを前提にした、「シミュレーション」という科目の授業について報告された。教育的であること、覚えることが少ないこと、インタプリタであり対話処理に適していることなどの理由からSchemeを言語として採用している。
D-11 |
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グループワークによるソフトウェア工学教育の試みとその評価 |
芝浦工業大学 松浦佐江子氏、相場 亮氏
半期で開発可能な規模と複雑度を持つソフトウェアの開発にあたって、今までに学習したどのような知識を、どのような場面で、どのように活用するかを習得する目的の授業について報告された。学生を、6、7名程度のグループにわけ、教員2名、TA2名で対応していることが述べられている。
D-12 |
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文理総合型情報学部におけるソフトウェア開発技法教育の実践 |
関西大学 |
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辻 光宏氏 |
オージス総研 |
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橋本 一男氏 |
大阪大学大学院 |
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下川 敏雄氏 |
将来ソフトウェアの開発者になるものと利用者になるものが混在する学部におけるソフトウェア開発技法教育について報告された。ソフトウェアの設計とその実現に関する問題解決を習得する一般向けを履修した後、ソフトウェア開発方法論の講義と、各種インターフェース設計を含むグループワークによる実習科目を履修する構成である。
D-13 |
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リアルタイム遠隔講義における自動コンテンツ化システムの開発と実践 |
法政大学 |
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岩月 正見氏、竹内 則雄氏、小林 尚登氏 |
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八名 和夫氏、武田 洋氏、柳沼 寿氏 |
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清原 孟氏 |
遠隔講義コンテンツとして要求される音声内容とプレゼンテーション資料画面の同期をとった講義コンテンツを単に保管するだけでなく、ほとんど即時に復習教材として活用できるような自動コンテンツ化システムを、学外の企業との共同研究により開発した。手書きデータを映像と同期をとりつつ保存できることや、音声によるコンテンツ内の検索を可能とするなど、高度な機能が実装されている。
白梅学園短期大学 金子 尚弘氏
衛星を利用した遠隔講義を他の方式によるものと比較し、いかに経済的効率にすぐれているかを提示している。ISDNパケット回線による帯域の制限から、講義形式には適しても講師の顔の表情表現を要求するものには適していない。受講学生による遠隔講義による学習効果などの評価がまだ十分でない。
D-15 |
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補習授業のWebを用いた on demand
配信 |
東海大学 佐藤 実氏
学生の基礎学力低下に対する補習授業の手段としてウェブ上に講義ビデオを経済的に配信するシステムを作成し、試行している中間報告である。授業ビデオを撮影してから、配信するまでの時間的、人的コストがかなり高く、大きな問題点である。いかに、経済的なシステムで省力化が実現できるかが課題となっている。
神奈川工科大学 |
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村井 保之氏、辻 裕之氏、徳増 眞司氏 |
筑波技術短期大学 |
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巽 久行氏 |
米国EFI社のeBeamシステムの受信部を電子白板に設置し、パソコン、プロジェクタに接続したシステムが紹介されている。このシステムを用いて模擬授業を行ったところ、自然な形で従来の教師主導の授業が行え、被験者から有効であると評価されたことが述べられている。
D-17 |
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Webを利用した情報処理技術者教育支援システム |
鈴鹿医療科学大学 高羽 実氏、梶山 純氏
基本情報処理技術者試験、初級シスアド試験の過去問と解答をHTML化して保存しておき、受講生に任意の問題を任意の順番で出題し、解答を自動採点し試験時間終了後に集計と解説を表示するシステムについて報告されている。解説の内容を充実する必要があることが今後の課題としてあげられている。
D-18 |
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文科系短期大学における形成的なプログラミング論と新しい評価 |
拓殖短期大学 森 園子氏
アルゴリズムの正しさをビジュアルに判定できる教材を学生に与えることにより、学習内容を落とすことなく、学生が生き生きと課題に取り組み、アルゴリズムの習得を目指した教育方法が報告されている。さらに、処理や理解が遅い学生に対して、時間的制約を設けずに再提出させることにより、学生から高い評価を得ていることが述べられている。
D-19 |
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Cプログラミング演習のレポート投稿・管理システム |
関西学院大学 |
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石浦菜岐佐氏、北橋 忠宏氏、巳波 弘佳氏 |
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井坂 元彦氏 |
XML形式のテンプレートに解答を貼り付けてWebサーバにアップする形でレポート提出を行うシステムが紹介されている。提出された学生のレポートの構文解析を行ってレポートの各項目を抽出しチェックができること、レポート提出がいつでも可能なこと、教員側の提出確認が容易なこと等多くの利点が得られている。
Eグループ
E-1 |
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WWWを用いた視覚による統計教材ソフトの開発 |
関西学院大学 丹羽 時彦氏
数学・統計学の自学自習教材をWeb上で視覚的に実現した学習支援ソフトで、その特長
は、数学的な証明に基づきながら、それを視覚的にグラフで確かめることを可能にした
ことにある。題材を身近な例から選びながら、シミュレーションをも視覚的に呈示して
いる。
E-2 |
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数学ソフト活用による数学系科目の授業改善−可視化機能活用による興味喚起と理解促進− |
中京大学 棚橋 純一氏、秦野 ィ世氏
数式処理ソフトMathematicaを用い数学系授業の可視化教材を作成して学習支援を試
みたもの。数値解析と数値シミュレーションとの授業の実例では、アルゴリズムの解説
、数式の整理、数値計算、解のグラフ化までの一連の教材をMathematicaを用いて作成
しWeb上で活用した。
E-3 |
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Webを利用した学習システム−複素関数のインタラクティブなグラフ表示− |
中京大学 秦野 ィ世氏、山田 祐裕氏、棚橋 純一氏
複素数関数のインタラクティブなグラフ表示を事例として、Web上で実現した学習支
援システム。HTMLを基礎とした教科書的解説とJavaアプレットによるインタラクティブ
・グラフ表示の部分とから成り、マウスの操作や移動に連動して結果が表示される。数式の変形による理解とグラフの動きによる理解との相乗効果がある。
(E-4 発表中止)
E-5 |
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幾何学入門−Mathematicaでいろいろな曲線、曲面を描いてみよう! |
茨城大学 卜部 東介氏
幾何学入門の科目において、Mathematicaを用いて各種の曲線、曲面を描く課題を学
生に与え、その学生の試行錯誤の過程から得られた、原理や抽象概念を理解させるための指導上の課題や操作上の特徴的な観察事項を呈示した。
E-6 |
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情報数学の授業におけるビジュアルベーシックの活用 |
東洋大学 中挾知延子氏
情報数学の科目において、論理演算と真理値表、集合とデカルト積、関係と関係デー
タベース、ユークリッドの互除法、RSA暗号化のメカニズム等のテーマ毎にVisualBASI
Cを用いてプログラムを作成させ、数学の理論の展開と数学の理解の過程をプログラム
化する学習支援を試みた。
E-7 |
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基本的な化学実験操作法の教育のための教材開発とその効果 |
神戸学院大学 山岡由美子氏、国嶋 崇隆氏
多人数による基本的化学実験を安全に効率的に進めるための実験操作法の教材を作成
し活用した。デジタルビデオで撮影されたデモ実験映像をmpeg又はwmvファイルでダウ
ンロードして提供し、実験直前の操作法指示や自習教材として有用で効果があったが、
教員側の操作教授法の意思統一にも大変有効であったことが確認された。
E-8 |
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簡便な薬学学習コンテンツ作成と配信システム |
明治薬科大学 |
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梶原 正宏氏、日野 文男氏、向日 良夫氏 |
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高取 和彦氏 |
薬学概論、薬剤師国家試験学習等々に関するデジタル教材を作成し、自習・復習が可
能なように学内LANを利用しストリーミング配信できる学習支援システムである。デジ
タル化された教材を投影し、タブレットペンで加筆・説明することが可能であり、更に
講義の音声をPCに取り込んでコンテンツに加えた点に特長がある。
E-9 |
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臨床検査の最先端技術に関するマルチメディア教材の開発ならびにその利用方法 |
徳島大学 |
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西田 敏信氏 |
東京大学 |
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杉岡 陽介氏、中原 一彦氏 |
技術進歩の著しい医療機器等を扱う臨床検査の現場で有用な、デジタル化されたイン
タラクティブなマルチメディア教材を作成し活用した。ネット上の他、スタンドアロー
ンでも利用可能なこの教材によって、大規模病院検査部の現況、検体搬送システム、臨床検査の精度管理法、臨床検査自動化による診療支援等々、多岐に渡る学習支援を可能
とした。
E-10 |
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歯科医学教育支援管理システムの開発と活用 |
愛知学院大学 |
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前田 初彦氏、河合 達志氏、佐藤恵美子氏 |
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久保 勝俊氏、亀山洋一郎氏 |
歯科医学教育のために開発したデータベースとレポート管理システムについての報告。顕微鏡の操作が不要な約2万件の病理学画像とその検索ツールを開発して、レポート作成の支援を行うほか、電子的に提出されたレポートを管理する。現在までに、他大からのものも含めて、4万6千件のアクセスがあった。
E-11 |
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臨床医学自己学習のためのマルチメディアシミュレーションシステムの開発 |
埼玉医科大学 |
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椎橋実智男氏、鈴木 美穂氏、森田 孝夫氏 |
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大野 良三氏 |
心音聴診の自己学習用シミュレーションシステムと問題指向形システムによる診断手順のシミュレーションシステムをマクロメディア社のディレクタ8.5を用いて開発した。雑音が入っている心音データ著作権の問題などをクリアする必要があるが、マルチメディア教材を利用したひな形としての価値は高い。
E-12 |
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CAD演習授業を中心とした情報教育環境の整備条件に関する環境行動論的研究 |
工学院大学 赤木.徹也氏、安原 治機氏、岩崎 裕二氏
実習を伴う情報教育において、コンピュータ経験者(KP)と装置をどのように配置することが学生同士の相談に伴うスキルアップにつながるかを検討した。75名のCAD授業では、KPを中心に横方向に5名程度の集団ができるように配置すると、理解度が高まった。
E-13 |
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機械工学系の3次元CAD教育の導入、開発および実施 |
広島国際学院大学 内海 能亜氏、鋼 昌伸氏、李木 経孝氏
SolidWorks2001PLUSというソフトウェアを利用した3次元CAD教育に関する報告。中国四国地方では、この種の教育を行っているところは少なく、受講学生は就職活動時に大きな効果があったとのコメントが多かった。
E-14 |
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建築CAD授業における提示教材と自習教材の共通化に関する試み |
大阪芸術大学 |
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杉本 真一氏、樋口 文彦氏、奥 佳弥氏 |
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佐々木一泰氏 |
CAD授業を3年生から2年生に移行することにより、受講者が30名から240名に急増した。この授業のための提示教材と自習教材を検討した結果、PowerPointを利用しての提示説明とCADソフトによる実演をした後に学生が個別に教材参照と演習を行うことが効果的であった。
E-15 |
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ハイブリッド型授業運営による工学教育の教育効果と学習成果
−直接面接型工学設計教育とe-Learningのコラボレーション機能を組み合わせた授業運営− |
金沢工業大学 松石 正克氏、竹俣 一也氏、山本 敏幸氏
全学でノートPCを持たせe-Learningを促進しているが、工学設計の授業では通常の講義とチームによる発表・討議を行い、課外活動でe-Learningのコラボレーション機能を利用するようにした。このような24時間体制を作った結果、チームによっては、60ものアイデアがでていることがわかった。
E-16 |
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地震動波形のデータベースとその処理方法−地震防災への適用に関する試み− |
関西大学 鈴木三四郎氏
地震動波形のデータベースをもとに、P-S波の時間間隔とその第1波の大きさが、建物およびアメニティーに大きな影響を及ぼすことを認識させることを目的に、波形解析を行った。解析はフーリエ変換により行われ、建物の居住性や安全性の評価に役立てた。
E-17 |
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LMSを利用した予習復習強化のためのe-Learning教育実践
−「電気磁気学」における従来型対面授業との相互補完関係を目指して− |
福岡工業大学 倪 宝栄氏
e-learningソフトを予習復習強化のために利用した。「電気磁気学」の授業の予習復習に利用した結果、授業日の6日前からオンデマンド形コンテンツとして公開することで学生の計画的で一定のペースを保った予習を保証することができ、4週目あたりから進捗率が上昇することがわかった。
E-18 |
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ITによる創造能力育成教育の研究・開発と大学によるネットワークコンテンツビジネスモデルの確立にむけて
−芸術教育研究機構の取組みについて− |
京都造形芸術大学 |
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矢野 一輝氏、舟木 幸士氏、宇井 修氏 |
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中西 洋一氏、大西 宏氏 他 |
個性を重視しつつ、効率的な教育を実現するために、ノウハウ提供型、場提供型のコンテンツ開発を行った。具体的には、前者についてはアイカメラを用いたコンテンツ制作、学生とプロの比較シミュレーションなど、後者についてはTV会議システムや遠隔教育システムなどである。
東海大学 渡辺 信氏
グラフ電卓でも、数学の理解のためには十分役に立つ。一例として、バウンドするボールの軌跡から、数学の世界が広がることを示す。
文責: |
情報教育方法研究会運営委員会 |
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副委員長 |
中央大学 |
有澤 秀重 |
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委 員 |
十文字学園女子大学 |
若山皖一郎 |
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〃 |
国際基督教大学 |
尾崎 敬二 |
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〃 |
成蹊大学 |
飯田 善久 |
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〃 |
創価大学 |
山中 馨 |
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〃 |
東京理科大学 |
半谷精一郎 |
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〃 |
東洋大学 |
大島 尚 |
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〃 |
帝京科学大学 |
山本 涼一 |
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摂南大学 |
山根 敬三 |
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甲南大学 |
辻田 忠弘 |
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