私情協ニュース1

平成15年度 授業情報技術講習会開催される


 授業情報技術講習会は、基礎コース(平成15年8月4日−6日)を千葉工業大学、甲南大学、九州産業大学の3会場で同時開催し、応用コース(8月7日−9日)を千葉工業大学において開催した。以下に概要を報告する。


基礎コース

【1日目】

 本コースは会場校の協力により、3会場同時で実施した。千葉工業大学を本部とし、講師や会場の様子を捉えた映像・音声と講師PC画面を、インターネットを通じて甲南大学、九州産業大学へ配信し、講習を進めた。講習中の質問については、各会場に待機する運営委員やアシスタントが個別に対応することで、各会場とも十分な講習が受けられるよう配慮した。
 まず、授業情報技術講習会運営委員会担当理事の田宮 徹理事(上智大学)の開会挨拶の後、山本喜一委員長(慶應義塾大学)の司会進行のもと、ITを活用した教材や授業の事例紹介を行った。この事例紹介は、ITを活用した効果的な教材や授業の進め方の実例を提示し、それを実現するためのアイディアや技術について受講者に考えてもらう目的で行ったものである。事例には、自学自習のためのWeb教材、インターネットを利用した服飾デザイン授業の合同講評会などがあり、受講者は興味深く見入っていた。
 午後からは藤川 清委員(甲南大学)を講師として、プレゼンテーションツールPowerPointの実習を行った。文字の入力、大きさの変更、簡単な図形の描画方法など、基本的な操作方法をマスターすることから始めた。その後、自己紹介のスライドを作成するという共通課題に取り組み、PowerPointの様々な機能を確認していった。

【2日目】

 午前中は前日に引き続き、PowerPointの講習を行った。Excelのグラフや表の取り込み、映像や音楽の貼り付け、スライドの雛形作成など、より高度な内容に踏み込んで実習を進めた。一通りPowerPointの実習が終った後、午後からはWebの作成実習に入った。
 Webは広く公開されることもあるため、掲載する資料や公開情報などについて細心の配慮が求められる。そのため講習に先立って、家本 修委員(大阪経済大学)より、著作権やプライバシーの保護について講義が行われた。その後、藤川委員によるHomepageBuilderを利用したWeb作成の講習を行った。本ソフトウェアはロゴやボタンなどが豊富に用意されているが、作成するページが増えてくるとファイル数が増え、フォルダの構成や管理が難しくなってくるため、フォルダ構成の把握が大切であるとの注意がなされた。

【3日目】

 最終日の午前中は、Webページを彩る機能として、JAVAアプレットやロールオーバーについて学習した。HomepageBuilderはいくつかのサンプルが収められており、それらを使って、閲覧者の興味を引くWebページを目指して実習を行った。
 午後は、講師やアシスタントの支援を得ながら、個別にWebページ作成作業を進めた。最終的に完成品をファイルサーバやWebサーバ(会場により異なる)にアップロードし、受講者同士で成果物を確認し合い、講習は終了した。


応用コース概要

【1日目】

 応用コースは、引き続き千葉工業大学を会場とし、1会場のみで実施した。
 午前中は、田宮担当理事挨拶の後、基礎コースで行った事例紹介の録画を上映し、PCを利用した実習は午後からの開始となった。
 本コースでは、昨年までの動画の編集に加えて、Flashによるアニメーションの作成実習を行った。講師は金子尚弘委員(白梅学園短期大学)が担当した。Flashは豊富なアニメーション作成機能に加え、Action Scriptと呼ばれるスクリプトを実装し、キーボードからの入力やマウスの動きに呼応したアニメーションが作成できるため、分かりやすい教材を作成するのに適している。
 参加者の多くはFlashの作成が初めてであったため、画面の構成、ツールバー、タイムライン、レイヤーなど、Flash作成のための基本的な概念の説明に多くの時間を費やした。
 また、基礎コースと同様、教材作成の際に留意すべき著作権等への配慮について、家本委員より解説があった。

【2日目】

 前日に引き続きFlashの実習を行った。シェイプトゥイーン等の機能を用い、より変化に富んだアニメーションを作成し、さらにAction Scriptを用いて簡単なインタラクティブ性を持たせた。最終的には、Webで利用できる形式にして成果物を完成させた。
 午後からは山本委員長によるPremiereを用いた動画像の編集に移った。あらかじめ準備されたサンプル動画を用い、映像の切り貼りやテロップの挿入、画面切り替えの効果挿入など、基本的な編集方法について講習を行った。スケジュールの都合上、十分な説明が行えなかったことが反省すべき点である。

【3日目】

 最終日は演習の時間とし、それまでの講習で得た技術を活用して、一つのコンテンツを作成し、最終的にでき上がったものをWebページに貼り付けて、公開することとした。個人演習となったため、講師、アシスタントが会場を巡回して質問等の対応に当たり、問題解決を図った。

15年度講習会の担当委員と会場
担当委員 担当会場
山本 喜一 氏(慶應義塾大学) 講師(千葉工業大学)
家本  修 氏(大阪経済大学) 講師(千葉工業大学)
金子 尚弘 氏(白梅学園短期大学) 講師(千葉工業大学)
藤川 清史 氏(甲南大学) 講師(千葉工業大学)
山本  恒 氏(園田学園女子大学) 運営支援(甲南大学)
真庭  功 氏(追手門学院大学) 運営支援(九州産業大学)

文責: 授業情報技術講習会運営委員会

平成16年度 講習会の企画について(お知らせ)
 来年度の講習会は、全般的な基礎知識の習得を目的とするe-Learning形式の講習会と、個々の問題解決に対応する対面式の講習会に分離、階層化することになりました。
 e-Learning形式の講習会は、受講者がWebを利用して研究室などで学習するもので、PowerPointを利用して教材を作成するための基本的な操作方法について解説することとしています。また、15年度基礎コースのPowerPointに関する内容を網羅したものを予定しています。
 e-Learning形式の講習会の受講後、疑問点が生じたり、発展的に学びたい場合には対面形式の講習会にも参加できます。
 対面形式の講習会は、e-Learning形式による講習会のスクーリング講習という位置付けで、より詳細な解説を行い、また受講者個々の問題点に対応することにしています。
 また、応用コースは本年度と同様に対面形式のみでの開催予定です。内容は現在検討中ですが、今年度の内容にとらわれず、より理解しやすい教材の作成に適したソフトウェアを取り上げる予定です。



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