講義のビデオ収録を始めて2年が経過し、コンテンツ作成作業もほぼルーチン化された現在、講義スタイルをe-Learningに適したものへと修正し発展させていくことは喫緊の課題ですが、e-Learningに求められる教材とはどのようなものなのでしょうか?
世界の放送大学のモデルとなったイギリスのThe Open Universityは、マルチメディアコンテンツの充実もさることながら印刷教材が非常に工夫されており、その役割が重要視されているという話を耳にしたことがあります。講義のVOD配信についても事情は同じで、板書やスライドを改善していくことは当然ですが、学生が動画コンテンツを見ながら一人で勉強を進めるという学習スタイルのもとでは、これに適応した印刷教材の開発が重要になります。実際、教室で学生の学習態度を観察していると、配付資料への依存度が高く、資料のあり方によって学習方法も大きく変わるであろうという印象を持ちました。単にPPTのコピーを配付するだけでなく、学生が自主的に参加できるような工夫を教材に取り入れることも必要でしょう。e-Learningについて考える際、動画コンテンツのような目新しい教材に注目が集まりがちですが、印刷教材の果たすべき役割と理想像についてもっと関心が持たれるべきですし、今後もこの点を深く追及していきたいと考えています。