私情協ニュース4
平成16年度 全国大学情報教育方法研究発表会報告
「全国の国公私立大学・短期大学教職員を対象に、教育改善のためのIT活用の振興普及を促進・奨励し、その成果の公表を通じて大学教育の質的向上をはかる」ことを目的とした平成16年度全国大学情報教育方法研究発表会は、平成16年7月3日(土)にアルカディア市ヶ谷(東京、私学会館)において開催された。今年度の参加者は211名(98大学、19短期大学、賛助会員8社)で、発表会は第1次選考も兼ねて74件の研究発表が行われた。当日に発表された内容は以下の通りである。
その後、第2次選考会は9月4日(土)に行われた。選考結果については11月25日(木)の当協会の臨時総会にて発表する予定である(第2次選考結果は次号に掲載)。
Aグループ
A-1 |
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「キャンパス・キッズファッションショー」による実践的メディア・コミュニケーション教育 |
名古屋経営短期大学 伊藤 重男氏、横井 律子氏、三浦 均氏、中島 邦博氏
メディア・コミュニケーションに関する実践的教育の報告である。マスコミデザインコースの学生を対象に複数の科目と同時進行で実際のファッションショーを企画し、広報、運営するものである。地元新聞で報道されるなど学生の取り組み意欲が増すとともに、IT技術の習得やメディアに関する知見が現実を通して教育できた結果が報告された。
A-2 |
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話題作成を通した表現手法と情報リテラシーを学ぶカリキュラム |
常磐会短期大学 新谷 公朗氏、平野 真紀氏、宮田 保史氏
情報処理を教える上位演習科目として、物創りを取り入れたカリキュラムの実践報告。保育実習で着るTシャツの作成がテーマである。Word、Excel、ペイント、PowerPointを使用させて作成を行い、これを幼稚園などで着用させ、実習後にアンケート調査が行われた。ITに関する苦手意識が緩和されたなど良好な結果が報告された。
中村学園大学短期大学部 梶田 鈴子氏
多様な能力を持つ学生を対象にした情報リテラシー教育での授業効果改善の報告である。方策として授業の内容をA4両面1枚にまとめた資料を毎回配布し、さらに内容理解を問うアンケートを実施した。アンケートの結果必要があれば後日の資料にフィードバックした。これにより授業アンケートの全項目において平均点が上がった。
A-4 |
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長期間・大規模な教育支援システム運用の結果からのシステム評価 |
東京工科大学 天野 直紀氏、山口 治男氏、藤澤 公也氏
レポート回収をWeb上で行う教育支援システムの運用報告である。簡便なインターフェイスと、セキュリティの頑健性を高める認証サーバの設置がこのシステムの特徴である。制御系、技術系でのレポート件数が多く、学生の利用頻度は毎週1本以上と高く、インターフェイスが容易であることを示しているとの報告である。
A-5 |
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「使いやすさ」「導入のしやすさ」を追求した教育支援システムの開発と導入 |
酪農学園大学 遠藤 大二氏
OCRを用いて出席管理と小テストの採点を行うシステムを自主開発し、これを運用した実践報告である。設計段階で教員への聞き取り調査を行い使いやすく省力化のできるシステムとして作成し、年々定着した過程が報告された。小テストの実施による学力の向上、授業アンケートへの転用などの拡張性を有していることも述べられた。
A-6 |
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教育目的に特化したビデオ講義システムの開発 |
甲南大学 井上 明氏
使いやすいインターフェイスであることを重視してリアルタイム遠隔地授業システムを作成した報告である。教員・学生の動画像、チャットエリア、PowerPointによるスライドエリアを有している。教員の指示、学生の意見などをカードとして表示するところに特徴がある。遠隔地の3地点を結んだ実験がなされ評価が良好であったことが報告された。
A-7 |
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授業支援に利用するコンテンツ作成支援方法と作成コストの検討 |
九州共立大学 守 啓祐氏
授業コンテンツ作成を少ない労力で可能にするシステムの紹介と、さらにその作成を支援するシステムとの紹介である。コンテンツ作成システムはモニタ出力にビデオ変換機を接続して音声とともに収録する。また支援システムはサーバ方式及び携帯電話でのビデオ会議システムを利用するものである。支援効果が高いことが報告された。
A-8 |
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より良い思考・判断と情報技術選択を促すゲーム教材の開発と評価 |
日本女子大学 |
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久東 光代氏 |
東京工業大学 |
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松田 稔樹氏 |
既存のゲーミングシステムを利用して、あらかじめ設定した仮説を検証するWeb教材の開発と実施結果の報告である。内容はデータ分析、図表化、文章化を教えるものであり、回答パターンに対応した評価・助言を返すシステムであるところに特徴がある。仮説を検証する作業手順をほぼ全員が理解できるようになったことが報告された。
A-9 |
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PCマエストロ:映像教材、アニメーション教材連動ブロードバンド配信型コンテンツの構築と学習効果 |
千歳科学技術大学 高岡 詠子氏、碓井 広義氏
映像とフラッシュによる自習教材を作成し、ネット上で公開しているシステムの実践報告である。入学時のアプリケーションの経験差をなくす目的で開発されたもので、課程を5分程度のステップに分け、飽きずに進める工夫をしている。学生のアクセス時間などの利用状況が述べられ、これにより授業のレベルがアップしたことが報告された。
玉川大学 和高 慶夫氏
Webでの検索の仕組みを理解させるために、簡単な名簿を利用した教材を作成した。内容は1項目による検索、2項目によるAND/OR検索、3項目のAND/OR組み合わせ検索および括弧による優先順位をつけた検索が可能となっており、知識確認のための問題も付加してある。検索プログラムはVBscriptで作成した。
A-11 |
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Web利用による授業の効率化と多方向コミュニケーションの促進 |
東京工科大学 奥 正廣氏、千種 康民氏
毎回の授業終了時に感想・意見・質問等を投稿するためのBBSと課題レポートを提出するBBSを設置し、投稿内容を全受講生に公開し、それに対してのコメント等を返信させることによって学生の思考・表現の実践や他者との対話・議論を行わせることができた。BBSでは教師のみが知るハンドルネームを用いさせ、匿名性を確保した。
高知大学 立川 明氏
全学生の必携のノートパソコンを使い続ける方策についての報告である。内容は、実験レポートを各自のWebページとしてHTMLで作成し、教員へURLをメールで通知することよるレポート提出。教員はWebを利用しテキストや課題配布を行い、課題などの連絡はBBSを用いた授業。このことによって技術や知識の定着率が良くなった。
A-13 |
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携帯メールを利用した授業支援統合システム |
阪南大学 |
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前田 利之氏 |
摂南大学 |
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塘 誠氏 |
大阪大学 |
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淺田 孝幸氏 |
携帯メールを利用した授業支援システムについての報告である。内容は、出席を電子メールでとる出席管理システム、印刷し配布した小テスト問題の解答結果を電子メールで送信し、採点結果をサーバから返信する小テストシステムからなっている。このことによって不正防止や個人達成度管理が可能になった。
A-14 |
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モバイル情報端末機(携帯電話、携帯パソコン)を活用した授業の活性化と授業運営省力化の実践的研究 |
金沢学院大学 樋川 和伸氏、岡田 政則氏
科目登録、授業運営(出席、小テスト、質疑応答、回答の評価集計等)、授業外活動の(学生への連絡事項、休校情報など)をモバイル情報端末(携帯電話、携帯パソコンなど)を利用して教員と学生コミュニケーションを深めるための携帯ユビキタス授業支援システムに関する報告であり、消極的な学生でも授業に参加できるようになった。
A-15 |
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大教室における携帯電話を利用した授業の管理・運営の改善 |
明治大学 |
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川島 高峰氏 |
株式会社エイエン |
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永里 壮一氏 |
大教室で行う授業において出席管理と双方向的な授業運営を行うために、携帯端末(電話)を利用した出席管理・アンケート用および携帯メールによる質問サイトを構築した。携帯電話をを持たない学生(数パーセント)については事前登録を行わせた。特に、携帯アンケートは多くの学生が意味があると判断している。
A-16 |
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学生参加型のe-learning教材開発プロセスの構築とその評価 |
京都外国語大学 |
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寺嶋 浩介氏 |
関西大学 |
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久保田 賢一氏 |
e-learning教材開発を授業実践者、インストラクショナル・デザイナーと教材作成者(学生)によるプロジェクトによって行った結果についての報告。その結果適切な組織体制があれば、専門知識・技能が高くないが学生が開発に参加しても、低コストで効果の高い教材が製作できることが明らかになった。
A-18 |
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通信教育におけるeスクーリングの構想と開発 |
創価大学 劉 継生氏
従来のスクーリングに加え、Webによるコンテンツ配信、メッセージ交換、議論と発言の共通の場となる掲示板、メールによる教員への質問、メーリングリスト、オンライン試験などによる通信教育におけるスクーリング方法の提案である。その結果は授業が分かりやすくなり、学習の効率性が高まるなど良好であった。
A-19 |
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学生による学生のためのeラーニングコンテンツ作成と相互評価 |
東京家政学院筑波女子大学短期大学部 垣花 京子氏、堀越真理子氏、山野井一夫氏
自分のペースで学習が進められるCAI環境を学習者が自ら作る活動の報告である。内容は、学生に10問程度の問題を設定し、それぞれの回答に対して解説を行うCAIコースを作成させた。そのコースをWebに載せ、相互評価を行い、最後に作成したコースについてのレポートをまとめさせた結果、学習意欲を高めることとなった。
Bグループ
B-1 |
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Ubiquitousをめざす際の問題点と解決策−無線 LAN+モバイルコンピュータ活用の英語教育− |
国士舘大学 近藤 良子氏
語学教育でのIT活用として、無線LANと携帯用コンピュータを組み合わせた授業環境改善の提案である。USBフラッシュメモリによるファイル移動、携帯用ボイスレコーダによる音声入力、Systemwalker
Live Helpを活用した画面共有とキー介入、LAN上の共有フォルダによる課題提出の有効性を提案した。
B-2 |
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情報検索リテラシーを重視した授業実践の試み |
早稲田大学 原田 康也氏
中大規模の一般教育科目授業に、調べ・まとめ・発表の授業スタイルを取り入れる授業方法改善の実践報告である。4人の小グループを3〜4のメタグループに編成し、グループワークによる課題の取り組みと、メタグループでの発表による相互評価を導入することで授業の活性化を提案した。
B-3 |
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インターネットを活用した米ラジオ局の体験学習型英語教育システムの開発−実践編− |
九州女子大学 佐藤 美恵子氏
大学における英語教育に臨場感ある教育環境を作るという観点から、米国ラジオ局KOITと教室を結び、五つのフェイズ(ヒアリング力向上・表現力習得・討論・電子メールによるコミュニケーション・番組制作の疑似体験)を実践する体験学習型の授業報告である。将来、インターネット配信を検討している。
B-4 |
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CALLを用いたティームティーチングによる二言語同時学習 |
京都外国語大学 小野 隆啓氏、舟杉 真一氏、村上 正之氏、寺嶋 浩介氏
CALL教室において、二言語(英語とフランス語など)を同時に学習する大学教育の外国語授業形態の提案である。対照言語学的観点から各語学担任の2名が2時限連続のテームティーチングを実践、その有効な手段としてCALLを活用した実践例と、今後の他語学との二言語同時学習の展開について報告した。
B-5 |
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情報機器と教師のティームティーチング(自動採点、掲示板、教材提示) |
神戸山手短期大学 緒方 隆文氏
個別化教育を推進する上で、情報機器と教師との分業・連帯、および電子教材と他の媒体との分業・連携が重要であるとの考えに基づいて、その方法論を提案した。具体的には、教材提示・説明、質問、テスト、採点、回収、提出記録の授業実践過程を紹介、その改善すべき内容および方法を示した。
B-6 |
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イントラネット(インターネット)を利用したWeb教材の開発と自学自習支援体制の実践 |
関西大学 山本 英一氏、北村 裕氏
関西大学独自開発のWeb型授業支援システムCEASを利用してBBC衛星放送プログラムをWebベースで教材化した、正課授業補完のオンライン英語自学自習システムの紹介である。大学教育において絶対的に不足する英語学習時間補完のための自主学習をe-Learningで補い、正規授業との連携を計る重要性を提案した。
B-7 |
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WBTからLMSへ:成蹊大学Web-Based Learning System「もも吉V2」の取り組み |
成蹊大学 日比野 啓氏、田辺 春美氏、鈴木 誠一氏
Video-on-DemandをベースにしたWBTとしての「もも吉V1」を改良し、learning Management Systemとして発展させた「もも吉V2」の改善効果の実践報告である。
主要な改善点は、教材作成機能、成績管理、掲示板と電子メールによる掲示・回答・レポート提出であり、多言語対応や他教科応用にも言及した。
B-8 |
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オリジナルE-learning中国語教育の試み |
愛知淑徳大学 馮 富榮氏、杜 英起氏
普通授業での中国語教育の諸問題を分析し、その改善策と方法を具体的に提案することによってE-learningを構築した実証的な実践報告である。過去4年間の中国語正規授業の工夫とE-learning構築の連携を検証することにより、その効果と学習者の学習意欲増大の結果を報告した。
B-9 |
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eラーニングのインストラクショナル・デザイン−経済学の事例− |
帝塚山大学 中嶋 航一氏、堀 真寿美氏
帝塚山大学独自開発のWeb型eラーニングシステムTIES(タイズ)を四つの視点からデザインした経過を報告した。その基本コンセプトは、「予習=授業=復習」と構造化した講義シナリオ、柔軟で理論的な思考とプロセスの理解重視したコンテンツ、教師の負担を省く効率的な教材作成支援、そして教材と授業の共有を具体化するコンテンツ共有である。
B-10 |
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教育実習支援システムを用いた高大連携による情報処理教育 |
名古屋産業大学 |
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宇田 紀之氏 |
愛知県立守山高等学校 |
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舟橋 周作氏 |
教職免許「情報」の取得のための、高校における教育実習にあたり、大学のサーバを用いて高大連携でWeb Based Trainingを試みたものである。WBTの即答性や学習時間の拘束がない点が生徒に評価され、学習意欲を向上させるとともに、アクセスデータやメール応答の分析によって生徒の実力やニーズを把握した。
B-11 |
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総合的な学習の時間における関係発見能力育成学習の開発 |
常葉学園大学 小田切 真氏
教育学部の実践対象の中学校における情報リテラシー教育を「関係を発見する能力」の育成に対象を絞り、市販の歴史データベースソフト「クロノス・システム」を用いて、歴史的事実と時間空間を意識した想像性・創造性、三次元要素を関係付けて直線で結ぶ「コセット」の作成などにより、再現性・実証性を導く実践的教育を試みた。
B-12 |
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マルチストーリー型デジタル紙芝居を応用した保育教材の開発 |
武蔵野学院大学 |
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木川 裕氏 |
武蔵野短期大学 |
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荻原 尚氏、田中 利則氏 |
物語の筋書きが途中で多重に分岐できる構造の、手書き手法を多用したデジタル紙芝居による保育教材を開発して、「読み聞かせ」の伝統的な教育手法に加え、子供達の考える力と想像力を養うよう試みた。マルチストーリー型コラボレーション作品、マルチメディア教材用のテンプレート集、紙芝居表現学習プログラムを作成して教材作成上の創意工夫も容易にした。
B-13 |
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文系に統計を教える −共同作業を通じて− |
愛知大学 谷口 正明氏、坂東 昌子氏、藤井 孝宗氏、岩田 員典氏、齋藤 毅氏
文系の学生に統計学をいかに解りやすく教えるかを課題に、500人余の受講生を対象として教員5人がテキストの共同執筆、教材とデータセットおよびシラバスの共通化の下、毎回の授業アンケートを行ってデータベース化した。その結果、毎回の調査を分析・検討してテキストを修正するなど、授業に細かくフィードバックし柔軟性のある対応を可能とした。
山梨学院大学 今井 久氏
会計処理、特に簿記の仕組みを、コンピュータを利用して修得させるために表計算ソフトを活用し、関数機能、マクロ機能を習得させながら、仕訳表の集計、試算表、財務諸表の作成を試みたものである。マクロプログラムにより印刷機能とリセット機能を付加して更に実用性を高めている。
B-15 |
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教員の声と板書によるe-ラーニング簿記学習教材 |
九州産業大学 金川 一夫氏
eラーニング簿記学習において、実質的な授業に近い形で自習効果を高めるため、教員の映像を敢えて外し、音声と板書による説明を基にWBTデジタル教材を作成した。学習者は画面上の板書とヘッドフォンからの説明を繰り返し聞きながら紙媒体の補助教材や練習問題で自習することで、自ら事後に理解度を容易に確認できる。
B-16 |
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マルチメディア統計百科事典の統計教育への活用 |
立教大学 |
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山口 和範氏、酒折 文武氏 |
実践女子大学 |
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竹内 光悦氏 |
東京情報大学 |
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藤原 丈史氏 |
東洋大学 |
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渡辺 美智子氏 |
既に作成済みの「マルチメディア統計百科事典」を活用するため、統計学のデータ分析技術を重視し、ある職務において高い業績を上げている人の行動特性(コンピテンシー)の概念を導入した5段階自己評価シートを開発した。これにより学習意欲の向上とスキルなど行動体験による評価が可能で、教育目標の明確化や教育効果の客観的評価に寄与できる。
B-17 |
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Web上の協同学習形式による心理学の教材理解の促進に関する実践 |
大阪経済大学 光田 基郎氏、滋野 和重氏
心理学実験実習においてフリーソフトのチャット12点をWeb上で用い、錯視実験、閲覧内容の理解促進実験、カウンセリング・ロールプレー基本練習などに活用した。実験データはSPSSで分析されるが、実験過程でのチャットによる討議が匿名での集団思考や提言を試みるなど、討議における発言の調整、理解の明確化、学習意欲の向上などの効果がみられた。
B-18 |
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学生と町役場の協働による地域情報メールマガジン配信 |
東洋大学 中挾 知延子氏
インターンシップ科目の一環として情報技術実務と地域貢献を包含した、地元群馬県板倉町役場との協働によるメールマガジン「いたくら@めるまが」を2003年4月から配信している。この試行では、マルチメディアを用いて地元情報を配信するスキルの向上と情報発信能力の養成を目標としているが、メルマガの編集技術、配信技術の習得に向上がみられた外、配信登録者も増加して地元評価も得られつつある。
B-19 |
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ITを活用した文系学生向けまちづくり教育のデザイン |
江戸川大学 天野 徹氏
ITを活用した“まちづくり”教育を事例として、学生の問題発見能力、合意形成能力、問題解決能力などの養成を目的とした文理融合型・実践型教育を試みた。シミュレーションソフトSimCity、3Dモデリング・CAD・Shadeを用いたCG実習、地域の現場との連携等々の実践を蓄積しながら学習意欲の向上を促進した。
Cグループ
C-1 |
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サイバーキャンパスを利用したアーカイブス学習 |
明治薬科大学 梶原 正宏氏、日野 文男氏、向日 良夫氏、高取 和彦氏
薬学学習用アーカイブスを市販のコンテンツ作成ツールを利用して作成した。内容は、薬剤師国家試験自習システムや授業の演習内容をアーカイブしたものなどで、学外からインターネット経由で繰り返し、自学自習ができるようになり、90%近くの学生がこのシステムを支持し、国家試験合格率向上にも大きく貢献している。今後、学外の卒業生、社会人、さらに海外の大学との連携の発展性が期待されている。
東京歯科大学 御手洗 智氏、井出 吉信氏、河田 英司氏
補助教材としてのCD-ROMに解剖学の講義と平行した実習内容をムービー、アニメーション、3Dデータとして収めている。学生がこのCD-ROMを利用することで、自身の学力把握、そのフィードバックを自分のペースで繰り返して学ぶことが可能となった。いまだ、ネットワーク経由のマルチメディアコンテンツ再生に不慣れな初学生にとって、容易にこのコンテンツを利用できるメリットは大きい。
城西大学 堀合 公威氏、石井 宏氏
理科の基礎知識が不十分なまま入学してきた学生に、化学実験の基本操作を提示するため、ビデオ撮影した実験風景を動画ファイルとして、Webブラウザ上で自由に閲覧できるようにした。実習前の事前学習として提示することで、初歩的な実験の操作ミスが軽減され、学生の意欲的な取り組みに効果的であったと思われる。
C-4 |
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理工系初年級学生のためのWebを用いた物理補習授業の on demand 配信 |
東海大学 佐藤 実氏
理工系初年度学生向けの物理の補習授業をビデオカメラで撮影し、Web上でオンデマンドに配信した。同時に、講義中に提示したスライドも同期させ、受講学生の便宜が図られた。作成にかかる人的、時間的コストが大きく、教員負担で、個人的に長期に実施することが困難である。
近畿大学 徐 丙鉄氏
科学副読本として物理のいくつかの代表的な自然現象を、テキストや静止画だけでないシミュレーションつきの内容としてWeb上にコンテンツを作成した。科学リテラシーとしての導入基礎教育の一端を担うことができると期待される。
C-6 |
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表計算ソフトを利用した数値電磁気学と授業支援 |
北海道工業大学 槌本 昌則氏
電磁気学の講義で学んだ内容を、その授業時間の後半の20分程度で実際にノートパソコンを利用させて数値的に自分で図解させて確認させる点に大きな特徴がある。特別な電磁界解析ソフトではなく、一般的な表計算ソフトウェアで課題を処理させる点にも特徴があり、パソコンリテラシーにも有効ではないかと期待される。
C-7 |
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専門基礎教育(数学・物理学)へのWebCTの利用 |
帝京大学 古井 貞隆氏
市販のLMSであるWebCTと数式処理ソフトであるwebMathematicaを組み合わせることで、学生の質の多様化に対応できる数学の教育システムを構築した。2年間の追跡調査によれば、WebCTを利用した学生の割合が増加し、予習時間が増えたためか成績の向上も見られた。
大妻女子大学 浪平 博人氏
データの分布を多次元平面上で視覚化し、主軸の考え方や、主成分分析について講義を行えるようなソフトウェアを開発した。このほかにも、分散・共分散の算出、固有地問題などを扱うソフトを開発し、グローバルな観点で教育に利用できるとしている。
C-9 |
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ネットワーク上での記述式演習問題とランダム問題生成ソフトを併用した自学自習の効果 |
広島工業大学 横田 壽氏
学生の質の多様化に対応するために、自分で学ぶことを習慣づけるソフトを作成した。問題の数値がランダムに変化するようにすることで、独力で解く習慣をつけさせ、名前と得点の表示でやる気を起こさせることを試みた。2年間実施した結果によれば、成績の向上に寄与できることが判明した。
C-10 |
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多人数教育を目的とした工学基礎数学の教育支援 |
日本大学 鈴木 潔光氏、戸塚 英臣氏、藤井利江子氏
携帯電話の表示系にフーリエ級数展開された波形のグラフを提示するシステムを構築し、講義の電子化とともに復習を促すことを試みた。学生の反応は概ね良好であったが、成績には反映しなかった。ただし、コンピュータが得意な学生などには有効であることが判明した。
日本大学 戸塚 英臣氏、藤井 利江子氏、鈴木 潔光氏
携帯電話を利用することで、数学力の中でも重要なグラフを読む力をつけるソフトウェアを作成した。Javaで作ったが携帯電話の種類によって、動作しないものがあることなどが判明した。また、画面のサイズが小さいことなどの問題があり、通常のPC上で見せることも視野に入れておくことが必要であることがわかった。
東海大学 渡辺 信氏
教育をしている側の楽しみは、自分の作った教材で学生のレベルが上がることである。一方、教育を受けている側の楽しみは、面白いだけでは良くなく、主体性のある授業であるべきだとの考えを、Excelを用いて確率の授業を行った際の学生とのやりとりから思いついた。
C-13 |
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技術指導のIT機器アシスト(製図・図学) |
九州造形短期大学 岩田 綾彬氏
製図・図学の学習において、教師による1回の説明では、課題の内容、作図方法が理解できない学生が生じる。そのような学生に対して、課題説明、技術的解決方法を、IT機器によりリピート上映しておき、その間に学生個々の進度を把握し、個人的な質問に対応・指導が可能になり、高い授業評価を受けている。
C-14 |
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光回線上のPC会議システムを用いた2大学間の設計教育の相互講評会 |
東京工芸大学 |
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眞鍋 信太郎氏、佐々木 誠氏 |
宮城大学 |
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平岡 善浩氏 |
設計製図科目の履修学生のモチベーションを高く維持するために、他大学との相互講評会が有効であると考え、PCにVideoキャプチャカードがあれば利用可能な双方向映像通信システムを、光回線を用いて実験を行った。詳細な図面も十分認識でき、同一会場のやり取りに近い形の講評会実現できたことが報告された。
C-15 |
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WWWに基づく工学教育用遠隔学生実験システムの開発と評価 |
法政大学 岩月 正見氏、米川 輝氏
学生実験として本格的に運用可能な、移動ロボット車制御遠隔実験において、学生の作成した制御プログラムをアップロードし、サーバ側で解釈し、実験装置を自由に操作するシステムについて報告があった。応答時間が遅い、映像が見にくいといった問題点はあるものの、概ね好意的な評価が得られた。
C-16 |
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CDブートLinuxを用いた実験・演習環境の構築とその実践 |
拓殖大学 佐々木 整氏
家族でPCを共有していたり、ソフトウェアのインストールに慣れない学生が多いことから、学校以外での予習・復習のためのPC環境を提供する方法として、CDブーツのLinuxを提案している。授業で用いるテキストや試験問題を含み、shellの設定も授業と同一のものを配布し、学習環境が整えられたことが報告されている。
C-17 |
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統計的分析手法によるJava言語の関連構造解析システムの研究・開発 |
大阪芸術大学 |
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武村 泰宏氏 |
奈良先端科学技術大学院大学 |
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松本 健一氏 |
プログラミング言語の教育では、教育実績が少ないため、コンセンサスの得られた体系が存在していない。これを解決するために、P.W.Airasianらの順序理論を用いて、Java言語における教育順序関係を見出す手法を提案している。上記手法を用いた、簡単な問題に対する回答を入力すると順序関係が表示されるシステムの報告があった。
C-18
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原点理解と拡大比較による通信プロトコルの教育方法 |
日本工業大学 小林 哲二氏
通信プロトコルの原点的存在であるHDLC手順を理解させるために、「HDLCトレーナー」の開発を行っている。さらに、HDLC手順以外のプロトコルについて、HDLC手順との比較図表を教員が配布し、学生は、学習しながらコンピュータを使用してこの図表を充実させることにより、思考力・学力の向上を図っている。
C-19 |
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工学基礎実験科目におけるWEBを活用したFD活動の実践 |
金沢工業大学 西 誠氏、千徳 英一氏、北庄司信之氏、柴原 正和氏
工学基礎実験1,700名の受講者に対する授業アンケートを、従来から使用している授業支援のWebページを活用することにより、教員へのフィードバック時間が大幅に短縮された。その結果、意識の高いうちに次回への改善策を教員間で模索でき、さらに策定した改善策を学生に提示し、それに対する学生の意見も取り込めるようになった。
Dグループ
D-1 |
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学習者に合わせたe-Learning教材作成の試み |
大阪経済大学 太田 幸一氏
ネット配信による授業で学習の動機付けを高めるために、音声によるナレーションとバック音楽および鑑賞用画像やアニメーションを盛り込んだe-Learning教材の作成を試みた。PowerPointのスライドショーによる提示が行えるような教材を作成して、C言語の授業で実施してみたところ、プレゼンテーションソフトによる提示の効果は認められたが、教材に対する好き嫌いの評価は半々に分かれた。
D-2 |
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授業支援型e-Learningシステムの開発と自発学習促進スパイラル教育法への活用 |
関西大学 荒川 雅裕氏、冬木 正彦氏、植木 泰博氏
授業で習得する知識を、語句の定義などの宣言的知識と、論理的思考を必要とする手続き的知識に分類し、授業支援システムとして開発したCEASを利用して、予習・授業・復習のサイクルを繰り返しながら学習目標を達成する教育法を実施した。多人数クラスでの応用プログラミングの授業において、CEASによる予習課題と復習課題の提出を強制しながら授業を進めた結果、期末試験の成績に顕著な効果が見られた。
D-3 |
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e-Learningによる授業運営支援および理解度向上への応用 |
四国大学 村井 礼氏、奥村 英樹氏、吉村 幸雄氏、武市 泰彦氏、山本 耕司氏
学生が楽しくアクセスできるように工夫したe-LearningシステムSELSの紹介と利用報告である。オンライン試験を実施し、結果を分析して講義に生かすという授業運営を行った。試験結果を個人別に分析すると各学生の理解度を把握でき、自己組織化特徴地図を用いることで学生別の特徴を抽出できた。また、問題別に分析することで、クラス全体の苦手分野の把握や指導方法の改善を行うことができた。
D-4 |
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講義のデジタル化・遠隔講義・コンピュータドリルを併用した多様な学生に対する満足度と理解度を向上させる教育 |
帝塚山大学 日置 慎治氏
学生の学習状況の多様性を前提として、状況に応じた対応策を実施した。学習レベルの違いに対応するためにドリル型のe-Learning教材を使用し、欠席による遅れに対応するためにデジタル化した講義の受講とレポートを義務付けた。また、二つのキャンパスでの受講に対応するために遠隔講義システムを使用し、単位互換による他大学学生にはデジタル講義と遠隔講義システムを併用して対応した。
倉敷芸術科学大学 村山 公保氏
ホームページや他人のレポートからのコピーを防ぐため、オープンソースの考え方を応用して、学生の提出するレポートをオープン化する試みを行った。各自のホームページ上に提出されたレポートを、リンク一覧から容易に閲覧できるようにし、また議論や質問用の掲示板も用意した。その結果、他人のレポートを参考にしながら自分で考えてレポートを作成する学生が多くなり、学習効果が向上した。
D-6 |
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実用的な教育ソフトウェアを学部学生に開発させる試み |
神奈川大学 内田 智史氏
卒業研究の学生に、e-Learningシステムなどを利用してプログラミング教育を行い、大学の教育現場で実際に使われる本格的な実用ソフトを開発させるという教育を実施している。グループウェアシステムの利用により、教員と学生との緊密な連絡体制を確立し、信頼性と安定性を備えた実用システムの開発に参加することで、学生のやる気と実感を喚起することに成功している。
D-7 |
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小型コンピューターCricketを用いた制御プログラミングワークショップ |
関西学院大学 |
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武田 俊之氏 |
株式会社CSK |
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森 秀樹氏 |
文系学生にアルゴリズム的思考とプログラミングの概念を学ばせるために、小型コンピュータCricketを制御して動くおもちゃを製作するワークショップを実施した。その結果、学生のモチベーションと作品のレベルは高く、ワークショップの効果は期待通りであったが、プログラミング言語教育としては不十分だったことや、評価方法の確立が必要であることなどが改善すべき点として明らかになった。
D-8 |
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Web-Based Trainingにおける重要概念支援システムの開発 |
中村学園大学 |
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福永 良浩氏、姉川 正紀氏、田所 耕哉氏 |
九州工業大学 |
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竹内 章氏、国近 秀信氏 |
広島大学 |
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平嶋 宗氏 |
Web教材に下線引きを行わせることで、教材内容に対して重要概念の探索を行うような学習活動を把握できるシステムを開発した。学習者の下線引きによる学習者記録知識を、教授者の下線引きによる教授者記録知識と比較して得られる下線率という学習指標を用いることで、WBTシステムとして妥当な学習履歴を得ることができた。このシステムを予習で利用することが有効であることも示唆された。
D-9 |
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オンライン理解度テストのGPAS法による有効性評価と授業改善への効果 |
東京電機大学 小林 浩氏、佐野 香氏、中村 尚五氏
GPAS法は、学生ごとの総合能力や科目固有の影響要因を隠蔽し、試験成績から各学生の頑張り度合いを求めてグルーピングして、IT活用度合いとの関係を示すことでその有効性を判断する方法である。この方法で、オンライン理解度テストの活用の有効性を中間試験の直後に学生にフィードバックしたところ、期末試験ではクラス全体の理解度テストの活用と学習意欲の向上が示され、試験の成績も向上した。
D-10 |
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物語導入型教材コンテンツを活用したセルフラーニング型授業 |
帝京大学 渡辺 博芳氏、佐々木 茂氏、高井久美子氏、武井 惠雄氏
学生に自己学習力と状況の理解力を持たせることを目的に、仮想的に「状況の中での学習」の実現を目指して物語導入型の教材を学生に提供することで、学生が楽しく学習できるセルフラーニング型の授業についての報告である。教材には、新入社員がオブジェクト指向の考え方を身につけていく物語を取り上げている。物語の表示、非表示を切り替えボタンで選択できるところに特徴がみられる。また、物語導入型教材は幅広く適用可能であるとしている。
D-11 |
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グループワークによるソフトウェア開発に向けたオブジェクト指向教育実践の試みとその評価 |
芝浦工業大学 松浦 佐江子氏
ソフトウェア工学の実践的教育を目的に、オブジェクト指向開発に基づくグループワークによるソフトウェア開発実験の報告である。グループワークによるソフトウェア開発の方法やカプセル化されたオブジェクトで捉えるオブジェクト指向の特徴を理解させ、他人のプログラムを読ませることで自己プログラムの開発力の向上を図っている。その大様範囲は広いとしている。
D-12 |
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Web形式個別学習教材を併用した情報系専門科目の試み |
日本大学 山本 登氏
エリート教育やマス教育と区別した、Web形式の個別学習教材を併用したユニバーサル教育を目指して、情報工学科の必修科目であるPASCALを使用した「命令セットアーキテクチャ」の科目での実践報告である。「命令セットアーキテクチャ」は学生にとって理解困難な科目であるが、水準を落とすことなく学生の学ぶ意欲を高め、理解させる方法を膨大な教材を準備することで模索している。そのために、抽象的でとっつき難い対象が多い科目の教育への適用にも応用が可能であるとしている。
D-13 |
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PBLとしての実用ITシステム開発プロジェクト |
同志社大学 |
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金田 重郎氏 |
甲南大学 |
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井上 明氏 |
常磐会短期大学 |
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新谷 公朗氏 |
PBL(Problem/Project Based Learning)の知識工学科学生の卒業研究への適用例の報告である。すなわち、学生が実社会で企業との共同でプロジェクトを組み実用システムを開発することで、ITシステムが社会とどう関わるのか、どのようにITシステムを開発すべきかを新規性と理論と実践の必要性を含めて理解させることにあるとしている。実例として京都のNPO的活動であるイベント情報公開システムを上げている。
D-14 |
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データベースの製品開発とコラボレートしたゼミ指導法の提案 |
流通科学大学 小無 啓司氏
学生に興味とやる気を持たせながら、即戦力の卒業生を育成することを目的とした情報処理関連ゼミのインターンシップ、すなわち、ゼミと企業との連携によるオフキャンバスプログラムの実施例の報告である。実際には企業が開発中の、または他の企業から請け負ったデータベースの構築、改善等の作業に学生を参画させることにより、注文者の生の声に触れて改良作業を行うことにより、技術の向上とともに責任感と向上心が格段に向上したしている。
D-15 |
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携帯型トレーニング支援システムの開発による科学する体育への実践報告 |
松山大学 鳥居 鉱太郎氏、酒井 達郎氏
科学的体育教育には、個人差のある学生の個人データをデータベースに持つ情報システムの活用が必要である。しかし、体育教育の特徴である屋内外の運動施設等ではノートパソコンや携帯情報端末の使用には限界がある。そこで携帯電話を用いた情報通信による情報システムを開発し、個別運動メニューの作成、掲示を行い、全受講生が持つ携帯電話からの検索を可能にしている。プログラムはExcelを使用している。
D-16 |
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マルチメディアを用いた音楽教育カリキュラムの構築とその教育効果 |
武蔵野短期大学 |
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荻原 尚氏 |
武蔵野学院大学 |
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木川 裕氏 |
芸術系教育は、知識だけでなく、感覚的理解の教授も必要であり、感覚的理解には、芸術的基礎能力が不可欠であるとしている。そこで、音声データを中心にしたマルチメディアを用いた音楽教育教材を作成し、音楽的基礎能力を育成するセルフ・トレーニング・プログラムと併用することで、音楽に対する感覚的理解と基礎能力を同時に育成し、講義に対するモチベーションを向上させるためのカリキュラムを構築している。
D-17 |
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グラフィックスプログラミングを用いた作品の制作とその表現 |
兵庫大学 森下 博氏
社会学部3年生を対象に動的な作品の制作を目的とした情報処理実習IIIにおいて、いかに自らの意志を表現する道具として、プログラミングに興味を持たせ、活用させるかの実践を行っている。流れるメッセージの速さや色は人によって感じ方が異なる。プログラミングの習得そのものよりも伝えたい内容を右から左へ流したり、ボタン操作で速度や色を変化させることのできる表現の可能性を示している。
D-18 |
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高野山古地図を利用した自己増殖的デジタル教材作成の研究 |
高野山大学 藤吉 圭二氏、山陰加春夫氏
歴史研究・教育において古地図をはじめとする画像資料の利用が重要である。しかし、歴史的文化財としての画像資料の活用は困難である。そこで、巨大サイズの画像資料をモニタ上で詳細に閲覧できるデジタル撮影・閲覧技術と画像上の任意の位置にメモの書き込みの追加機能を付加することで、高野山古地図の1枚のデジタル化に成功し、実践に使用して成果を上げている。
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