1) |
従来、学内演習では「紙上模擬患者」による思考トレーニングを行ってきました。しかし、印刷媒体に頼る症例情報提示では、学生は患者や患者をとりまく環境のイメージ化ができにくいため、患者の反応としての文脈(行間)を読み取ることが難しく、効果的な演習になりませんでした。 |
2) |
看護学実習開講時間の短縮(本学においては、保健師助産師看護師学校養成所指定規則による26単位の開講)が進み、学生はさらに逼迫した時間制約の中で実習しています。直接体験による対象や臨地(環境)のイメージ化・現状把握が益々困難な状況となっています。 |
3) |
近年の一般的傾向として、学際的な思考・クリティカルシンキングの苦手な学生が多く見受けられるようになりました。学生は、暗記主体の学習方法からの発想転換を迫られて学習上の困難に直面し、挫折する場合も少なくありません。その結果、時としてネガティブな意識が惹起されることもあるようです。 |
4) |
私立看護大学は、公立系看護大学や看護専門学校に比して1クラスあたりの学生数が多く、一人ひとりの学生に対して教員が十分に指導時間を確保できにくい状況です。また、学生の学力・学習意欲の多様化にもなかなか対応しきれなくなっています。 |
5) |
看護系大学の特色ですが、実習開講時、教員は臨地での指導に赴くため、学内に不在の時間が多く発生し、学内で演習中の学生に臨機応変に学習支援ができないという悩みを抱えています。 |