文部科学省ニュース2
文部科学省は、去る8月下旬に平成18年度概算要求を財務省に提出した。
18年度の要求にあたっては、政府は前年度に比べ公共投資の3%削減に加え、省庁の判断で増減できる裁量的経費および科学技術振興費含め3%削減、人件費等義務的経費の抑制、予算の重点化を促進するための「重点化促進財源」1千億円の新設など、17年度以上に厳しい概算要求基準を8月11日の閣議でとりまとめ、歳出の徹底した見直しに努めるよう指示した。
これを受けて文部科学省では、私立大学等経常費補助金について、一般補助、特別補助、私立大学教育研究高度化推進特別補助含めて、全体で2.4%増、80億円増の3,372億5千万円を要求することになった。
増額80億円の内訳は、教員の雇用保険含む「一般補助」で19億7,700万円、新規の授業料減免事業等支援経費35億円を含む「生涯学習・地域活性化推進特別経費」で39億7千万円、法科大学院支援経費を含む「大学院高度化推進特別経費」で16億5千万円、「学術研究推進特別経費」で1億円、「高度情報化推進特別経費」で3億円とした。
その中で、高度情報化推進特別経費は、17年度の217億100万円から1.3%増の220億円100万円が要求されることになった。内訳は、コンピュータ、マルチメディア機器、通信機器などの「情報通信設備の借入」が前年度同額の110億円、ネットワークの通信費やセキュリティ関係費、データベース更新費などの「教育学術情報ネットワーク」が60億5,100万円から62億5,100万円と3.3%増の2億円の増、電子教材の開発などの「教育学術コンテンツ」は前年度同額の29億円、ネットワークで大学連携する「サイバー・キャンパス整備経費」も前年度同額の7億円、e−ジャーナルなどの「教育学術情報利用経費」は、大学の要望に沿って10億500万円から11億500万円と9.5%増の1億円増が要求された。また、大学教育高度化推進特別経費としての「教育・学習方法等改善支援経費」は、前年同額の98億8,800万円が要求された。
買い取り補助としての学内LANの「情報通信装置」は、5,800万円増の10億9,300万円、マルチメディアの「情報通信施設」は、ほぼ前年度同額の23億1,800万円が要求された。1千万円以上の買い取り補助の「情報処理関係設備」は、大学の動向を踏まえて9,200万円減額の13億7,100万円が要求された。
本協会としては、文部科学省の概算要求に先立ち、6月に全国の私立大学、短期大学等を対象に情報関係の国庫補助希望調査を実施。その結果を踏まえ私立大学側の要求をとりまとめ、7月29日に文部科学省に要望した。要望に際しては、特に学内LANのセキュリティや維持費を中心とする教育学術情報ネットワークの増額をはじめ、教育研究基盤として市販されているジャーナルやデータベースの基盤整備、学内LANの敷設を重点的に増額を働きかけた。なお、サイバー・キャンパス整備費については、産学連携などによる教育研究活動の進展を踏まえ、これまでの補助対象について見直し、連携による活動が拡大するようネットワークによる研究活動を含めること、大学間の他に企業、地方公共団体の参加が可能となるように対象範囲の拡大を要望するとともに、対象経費についても既設の経費の他に連携のための運営費を含めるよう検討を要請した。
以上は、私立大学を中心とした補助であるが、18年度では国公私立大学を通じた大学教育改革の支援として、「特色ある大学教育等支援プログラム」36億8、079万円、「魅力ある大学院教育イニシアチブ」44億4,400万円、「現代的教育ニ−ズ取組支援プログラム」39億6千万円、「大学教育の国際化プログラム」23億8,187万円、「実践的総合キャリア教育推進プログラム」7億4,001万円、「法科大学院等専門職大学院教育推進プログラム」18億円、「教員養成推進プログラム」9億5千万円、「医療人教育支援プログラム」115億円、「6年制薬学教育支援プログラム(新規)」4億8千万円、「21世紀COEプログラム」401億6,273万円も要求している。
平成18年度 情報関係文部科学省概算要求 単位:百万円