教育支援室の課題は、40周年記念館を契機に様々な授業内容・形態に対応した支援システムの開発を進めるとともに、キャリア形成支援、学生生活支援の拠点となるような発展を計画している。
図1 講義支援システム
17年度では、岐阜大学「岐阜県方言のしくみを学ぶ」、岐阜経済大学「NPOコミュニティ論」、「キャリアアップ講座」(岐阜県経営者協会の寄付講座)、岐阜聖徳学園大学「英語のコミュニケーション」、中部学院大学「人間福祉学」、岐阜女子大学「デジタル・アーキビスト概論」を実施。その他には、eラーニングを利用した高大連携、包括的単位互換制度を実施している。単位互換性制度のためのポータルサイトを構築、履修登録、シラバスの閲覧等をすべてWeb上で行う。提供科目の一部は、インターネット授業を実施、Web上で履修することが可能で、全国で初めてではないかと言われている。
図2 岐阜県国際ネットワーク大学コンソーシアム共同授業の実施
意見1: | 15年程前までは、企業は大学に対して即戦力となるような人材を要求してこなかったが、今日では企業に人材養成の余裕がなくなってきたことから、大学教育に完成度の高い人材育成を求めてきている。そうであるならば、企業も大学教育に対して産学連携し、人材育成を一緒に考えてはどうか、提案すべきと考える。 |
意見2: | 日本は国際競争力が21位だが、大学教育は60カ国で最低で、日本の大学教育に病根がある。それを改める手段として、教育の産学連携構想は非常に突破口になる。 |
意見3: | 産学官連携を進めながら教育改革することに大学人として誰もが異存ない。大規模の大学だけではなく、小規模の大学にメリットがあるよう考えていただきたい。 |
意見4: | 大規模の大学は卒業生が多いことから個別に連携できるが、中小規模の大学は卒業生が少なく連携の人脈があまりない。問題提起の産学官連携は規模にかかわらず、どのような規模の大学においても同等な効果が得られるのではないか。 |
補助金の活用については、特に教育学術コンテンツの申請が少なく、設備の申請は多いが、コンテンツ作りへの対応が少ない。講義ノート、教材の電子化作りを外注委託して半額補助で整備することは、経営戦略、教育戦略に欠かせない。大学で教員にアンケートを行い、それをもとに教育改善の計画を策定し、補助金要求していただきたい。また、本協会の補助金のWebサイトにアンケートの雛型を掲載しているので、活用いただき18年度補助金の申請に備えていただきたい。
表1 大学規模別 教育研究部門の情報投資額
* | Webページに試験の成績を掲載する場合 成績を相互に比較させて刺激する、または個人への成績の伝達などが目的であっても、掲載する目的を学生に明示し、許諾、同意を得ておく必要がある。個人への成績伝達が目的であれば、個人だけが見られるようなシステムを構築する必要がある。相互に比較させる場合には、個人を特定化しないよう、全員の成績を一覧化するような工夫が必要。 |
* | 学生に連絡するために携帯電話番号、電子メールアドレスを収集する場合 調査では6割の教員が収集しているが、収集に際して書面による本人の同意が必要になる。例えば、科目名、教員の氏名、使用目的などを示した上で、個人情報を可能な限り記入してもらう。拒否しても成績などに影響しないことを明記する。 |
* | ゼミ学生の名簿を作る場合 学生から見れば他の学生は第三者になるので、各学生の同意を得ておく必要がある。ゼミ専用Webへの個人情報掲載は個人認証によるアクセス制限をかけ、緊急の場合には承諾の上で連絡網を作るか、ゼミ専用Webの掲示板に連絡内容を掲載するような方法をとる。また、連絡先のメールアドレスは、学生個人で所有しているアドレスではなく、大学で設定したアドレスを使うのも一つの方法である。 |
* | 学生の論文、作品などをWebに掲載して、学外の専門家などに評価してもらう場合 学生の作品を教育の素材として使うような場合であっても、学生に同意を得る必要がある。また、学外の専門家から助言・評価を受ける場合も、学生の同意を得ておく必要がある。作品や論文掲載の際には、そのテーマや氏名を付記する。 |
* | 成績情報などを教員が自宅に持ち帰る場合 一般的には、個人情報を学外へ持ち出してはならないのが原理原則である。学外へ持ち出して流出した場合、法律上、学校法人は安全管理措置義務違反、従業者監督義務違反として処罰される可能性がある。また、情報を暗号化しておくなど、万が一紛失した場合の対応策についても講じておくことが重要。 |