私情協ニュース5
大学情報セキュリティ研究講習会開催報告
本講習会は、これまでの「学内LAN運用管理講習会」を改組し、「大学情報セキュリティ研究講習会」として、大学全体で取り組むべき情報セキュリティ機能の向上を目指し、最新知識の紹介や情報交流、ネットワーク運用管理技術の実習を行うこととした。
今年度講習会は8月4日、5日の2日間わたり東洋大学白山キャンパスで開催した。初日の前半は、全体会で参加者全員による問題の所在を共通認識し、その上で、「セキュリティ情報管理分科会」および「セキュリティ技術分科会」に分かれ、討議・研究課題や実習課題を確認した。初日後半と2日目は、「A−1 セキュリティ政策コース」、「A−2 情報管理コース」、「B−1 ネットワーク基本技術コース」、「B−2 ネットワーク運用管理コース」の4コースに分かれて、講習や事例研究を実施し、B−1とB−2のコースではPCを用いた実習も行った。各実施内容は以下のとおり。
全 体 会
まず、本講習会運営委員長の奥山 徹氏(朝日大学)より、本講習会の意義と大学における情報管理の問題点の提示がなされ、その後、大木栄二郎氏(工学院大学情報学部教授)より、大学における情報管理のあり方について、企業の情報セキュリティマネジメントと対比し紹介された。
セキュリティ情報管理分科会
「情報管理の危機的状況打開のための政策課題と環境課題」をテーマに、情報管理の破綻事例や種々の情報漏洩に関する事例を取り上げ、解決のための基本的な方針を確認し、具体的なコースの検討事項について整理した。
セキュリティ技術分科会
「セキュリティ技術問題の整理と対応策」をテーマに、 セキュリティ技術の活用事例をもとに、望ましい技術対策や最新の技術動向について確認した。
A−2 セキュリティ政策コース
「大学が組織的に取り組むべき情報管理政策」をテーマに、学内の情報管理を含めたセキュリティ問題の政策面における問題について理解を深めることを目的として、「大学固有の情報資産の内容とリスク対応」、「情報セキュリティ政策再考〜実効性の確保を目指して〜」、「これからの情報政策と情報倫理教育」について解説した。
A−2 情報管理コース
「情報漏洩・不正侵入防止などセキュリティ技術の動向確認と対応策の検討」をテーマに、技術面から見たセキュリティ機能を整理し、参加者の大学での対応実態を点検・評価し、最善の対応策を模索することを目的として、「教育用ネットワークのセキュリティと認証」や「セキュリティ技術の取り組み」について大学の事例紹介があり、その後、セキュリティ技術の動向と対応策について企業からの紹介があった。
B−1 ネットワーク基本技術コース
安全なネットワーク構築のための基本技術習得を目的として、インターネットの基礎、ネットワークシステム基礎、LAN、ネットワークアプリケーション、インターネットセキュリティなど、インターネットやLANの仕組みについて、講義、実習、デモンストレーションを行った。
B-2 ネットワーク運用管理コース
無線LANのセキュリティ、運用事例、P2P対策、大学におけるユーザ認証、ログ監視と調査など、ネットワーク、コンピュータを安全に管理・運用に必要な対応策について、実習やデモンストレーションを行った。
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