文部科学省ニュース

平成19年度情報関係補助金 政府予算決まる



 政府は、平成18年12月24日の臨時閣議で19年度政府予算案を決定した。
 12月18日の伊吹文部科学大臣と尾身財務大臣との事前折衝において、18年7月7日の閣議決定による「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」にそって、私立大学等経常費補助金は対前年度32億減(△0.97%)の3,280億5千万円、私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助は8億円減(△5.7%)の106億3,400万円、私立大学等研究設備整備費補助は2億4,518万9千円(△3.8%)となった。なお、私立大学および地方国立大学に申請が多い科学研究費補助金の基盤研究(B)、(C)に、新規に30%の間接経費(160億円)が法人に交付されることになった。
 2007年度から2011年度までの5年間に国の基礎的財政収支を黒字にすることを目標に歳出削減することになり、19年度はその1年目ということで思い切った削減が行われた。「骨太の方針2006」では、定員割れ私学に対する削減の強化と経営改善を促進する仕組みを一層すすめるとともに、学生数の減少に応じた削減策を行うことにより、施設整備に対する補助を含めた各年度の予算額を名目値で対前年度比1%(年率)とすることを基本とするもので、19年度以降も減額が計画されており、20年度に向けた打開策が喫緊の課題となっている。
 一般補助では、定員割れ大学等への減額の強化をすすめることとして、36億円減額の2,167億7,900万円となった。特別補助では、「各大学等の特色を活かせるきめ細かな支援」として1,007億2,900万円、「新たな学習ニーズ等への対応」30億円、「高等教育機関の質の確保」8億円、「特定分野の人材養成支援」63億4,200万円、「定員割れ改善に取り組んでいる大学等の支援」4億円と、総額1,112億7,100万円と前年度より4億円増となった。
 特別補助は、従来の私立学校振興・共済事業団執行の「特別補助」および文部科学省執行の「私立大学教育研究高度化推進特別補助」を統合し、私学事業団執行による「各大学等の特色を活かせるきめ細かな支援」となった。
 これまで補助項目ごとに予算が設定されていたため、大学の規模により使いづらい点を改良し、特色発揮がしやすくするとともに、大学等が目指す教育研究の取り組みの方向性を大学等が意識し、補助効果を高められるようにするため、補助項目のメニュー化、申請大学等の規模や取り組みに応じたゾーン化することになった。
 その結果、申請ゾ−ンAの「地域社会のニーズに応える教育の推進」として72億2,900万円、申請ゾ−ンBの「個性豊かで多様な教育の推進」として463億円、申請ゾ−ンCの「教育研究活動の高度化・拠点化の形成」として472億円の3つの区分を選択し、その中で他の区分のメニューも取り入れることができるようにした。そして、各ゾーンごとに補助対象経費などに差を設けることが検討されている。
 これらのメニュー化、ゾーン化による計画書の作成は、申請ゾーンを選択する以外、従来の補助項目がメニューに代わる程度で大きな変更はない予定。また、実績見直しについても従来に沿ってメニューごとに行うとのこと。メニュー群の詳細は、次ページに掲載。
 情報関係は、「高度情報化推進メニュー群」として、従来の情報通信設備(借入)支援、教育学術情報ネットワ−ク支援、教育学術コンテンツ支援、教育研究情報利用支援と、「学部教育の高度化・個性化支援メニュー群」の教育・学習方法等改善支援、「知の拠点としての地域貢献支援メニュー群」の地域連携コンソ−シアム形成支援で措置されることになった。なお、従来のサイバ−キャンパス整備事業は、新規に設定された上記のコンソ−シアム形成支援の中で申請することなるが、これまで対象とならなかった拠点校におけるコンソ−シアムの運営についても支援が可能となった。他方、買い取り補助としての学内LANの「情報通信装置」は、1億2百万円減(△10.1%)の9億3百万円、マルチメディアの「情報通信施設」は、1億5千万円減(△7%)の19億6,300万円と大幅に減額。また、1千万円以上の買い取り補助の「情報処理関係設備」は、大学等の動向を踏まえ、1億3,300万円減額の10億8,200万円となった。

私立大学等経常費補助金 内訳 比較表

【目次へ戻る】 【バックナンバー 一覧へ戻る】