私情協ニュース1

教育改革FD/IT理事長・学長等会議開かれる


 去る、8月2日(木)早稲田大学小野記念講堂を会場に112大学、12短期大学より211名の理事長、学長、学部長等が参加して開催。
 今年度は、教育改革に求められる大学としてのガバナンスの方向性、具体的な取り組みについて共通理解を得る場とした。会は、戸高敏之会長(同志社大学)より、本会開催の趣旨について「学生が身につけるべき能力を大学が保証するには、教職員の意識改革とそれを断行する大学としての強いリーダシップとガバナンス機能の発揮が求められる」との説明があり、ついで会場校を代表して、早稲田大学の白井克彦総長より「大学教育の質を高めるためには授業をネットワーク化し、オープン化することで特徴が再確認され、不足する部分を大学相互で補完することができる」との挨拶があった。会は、引き続き、講演、全体討議、関連情報の紹介が行われた。以下に会議の概要を紹介する。


1.基調講演

「社会が要請する大学改革への提言」

 浦野光人氏(社団法人経済同友会副代表幹事、前教育問題委員会委員長)より、2007年3月に発表された「教育の視点から大学を変える」を踏まえて、概ね次のような説明があった。

1) 大学の最重要ミッションについて、大学教員の意識は7割が研究としているが、企業が大学に期待するものは、あらゆる分野で活躍する多様な人材の輩出、いわゆる教育の重視である。
2) 企業の役割は、欧米先進国に追いつくために既にあるものを改善する、よその成功例を真似る時代から、未知の課題に挑戦する「解のない問題」に取り組まねばならなくなってきた。それに求められる力とは、高い倫理観、志、熱意・意欲、課題発見・解決力、問題解決の方法論、協働力、批判力、国際性と個性・才能であるが、社会人基礎力としてのアクション、シンキング、チームワークも納得性があり、特に、考え抜く力を教育で育てていただきたい。
3) 大学教育への期待としては、専門を通じて教養を育むリベラル・アーツ型の教育が必要。それには、第一に、学問分野の全体像や学問の社会的意義を俯瞰する視点がないと発想が広がらない。イノベーションも「全体像を俯瞰する力」がないと生まれない。第二は、学問分野の中での固有の方法論を身につけるための「アカデミックスキル」、第三は、社会の成り立ち、歴史観、人生観を醸成する「歴史・古典との対話」への工夫が望まれる。
4) 大学改革には、高いミッションとビジョンを踏まえ、研究と教育の質保証の達成に向けた組織運営を学長、理事長の下で統合実現するガバナンスが必要である。また、教員に対して教える能力・技術を高めるため、教授法の研究、能力育成プログラムの開発などファカルティ・ディベロップメントの拡充を組織的に進めることが必要。
5) その上で、教育の府としての改革を提言したい。一つは、研究・教育・組織運営における貢献を評価し、処遇へ反映するなど教育に取り組むインセンティブを高める人事制度が必要。二つは、学生の多様な能力、意欲を総合的に評価した入学選考の見直し、三つは、ステークホルダーに対する責任を全うし、評価を受けることにより大学が良くなっていくための必須条件と考えていただきたい。
6) 本日の会議で、最も重要な視点として、大学が「志し」と「意欲」に満ちた人材の育成と輩出にどれだけ貢献できるのか、議論いただきい。


2.講演

「教育における大学ガバナンスの機能と課題」

 奥島孝康氏(早稲田大学学事顧問)より、概ね次のような説明があった。

1) 教育における大学ガバナンスの一つの大きなテーマとして、Student Satisfactionを念頭に入れなければならない。それぞれの大学では結構努力していると言われるが、本当の意味で学生をどうやって満足させているかを追及しているところは決して多くはない。
2) どうやって学生に学ばせるのか、早稲田大学では、建学以来、「知識よりも感動を、感動よりも実践」を教育方針として掲げており、そのことをどのように具体的にガバナンスの中で考えていくかが、大きな課題である。教えることとは学生の胸に響くよう、教員に気合が入っていなけれならない。ハーバード大学の教授によれば、「教員の魂と学生の魂が共鳴すること」が教育であると。
3) 学生のレジュメの作り方など見ていると、コンピュータを活用して、30数年前に比べ問題にならないくらい上手だが、議論に負けても悔しがらないし、魂が入っていない。それは教員の教育に問題があるのであって、どのように学生を引き込み、学習意欲を持たせる授業を展開すべきか、FDについて考えていくべきではないか。
4) 学生の学びを喚起するようにするのが、ガバナンスと考える。早稲田大学でオープン教育を始めたのもその一例である。学生の希望する授業が受けられるようにすることで、モチベーション付けを大学として行うシステムについて、理事会がFD含めて積極的に構築していかなければならない。
5) 学部教育はリベラル・アーツ化すべきだ。全学の教員を集めてバーチャルファカルティを多く作り、学生にテーマを選択させ、意欲ある学生がテーマ(例えば環境問題)について体系的に学べるようにすることを大学当局がリーダシップを発揮する、これこそがガバナンスではないか。
6) さらに、上記のガバナンスに加え、生涯のキャリア・アップを充実するため、大学院の強化を図るとともに、学部教育の国際化を図るために国際教養学部を作り、英語使用授業の拡大をはかるとともに、海外で1年間の英語学習を学部学生の5割を目標に必須化するようにしている。
7) 教育のガバナンスを大学運営の中心にどの程度リードできるか難しい問題であるが、そこをどのように工夫していくか、その答えは大学当局の「信念」しかない。核になるようなものを大学としてどこから着手するにしても、目覚ましいものを作り上げていくことが大事。信念を逃がさないよう構えることが必要。


3.講演

「大学ガバナンスによる教育改革の試み」

 石川憲一氏(金沢工業大学学長)より、金沢工業大学の現況に続き、プロフィール、ガバナンス、教育改革、教育力向上について、概ね次のような説明があった。

1) 大学の組織的価値は、42年前に掲げた建学綱領の「人間形成、技術革新、産学協同」で、これを学生、理事、教職員が共有すべき価値として共通理解できるよう、「行動規範」(KIT-IDEALS)を設けている。ビジョンとして、教育は人間形成を目的とする教育付加価値日本一の大学、研究は共同と共創による技術革新と産学協同、サービスは自己点検評価システムの成熟による顧客満足度の向上としている。さらに教育目標として「自ら考え行動する技術者の育成」を掲げ、学生、理事、教職員が三位一体となり、互いに必要な知識・技能を与え合い、知恵を生産する工学アカデミアの形成を目指している。
2) 行動規範は、組織と個人があり、組織は「思いやり、知的好奇心、共同と共創の精神」、個人では「誠実、勤勉、活力、自律、リーダシップ、自己実現」を行動の中心に置くとともに、意識改革として、教員、学生、職員の「視点と気づき」が必要。教員は教育の質を向上させ、学生の意欲を触発する、職員は仕事の仕組みを向上させる、学生は目的をもって学習することが可能となる。
3) 顧客価値の創造を目指して活動を展開するには、ガバナンスが必要。第一に、ビジョン・目標を明確にしながらそれを達成するため、トップダウンのみならず、ボトムアップによる個々のリーダシップが正常に作用していることが必要。第二は、価値創造のプロセス作りで、目標達成のプロセスの明確化、指標の設定、知識・技能の集結、対話の活性化をはかることことが必要。第三は、価値を重視するための事実認識の適切性という視点から、顧客、変化する市場、教職員、社会との対話を通じて大学の意思決定を行う。第四は、社会からの信頼性を得るため、教育、研究の成果を広くステークホルダーに公開し、評価を得るとともに、自らの自己点検評価を通じて品質を向上させていく必要がある。
4) 教育改革への取り組みは、平成7年より本格的に着手。基本コンセプトは、学生が目標を持ち達成しようとする学習意欲の触発と増進、教えようとする知識量と学生の受容力の乖離を解消するための知識量の精査と授業の質の検証、工学基礎・専門基礎の重視、勉学意欲に応える教育コアシステムの構築、教育方法の改善を掲げた。
 それを実践していく際の教育ビジョンの具体化としては、学生を主役とした教育実践、教員個々の教育から組織的な教育への転換、学生・企業の評価を取り入れた修学満足度の向上と課外学習でモノづくりの場を提供する「夢考房キャンパス」の形成を目指している。また、教員の行動目標としては、特に「教員が教える教育から学生が学ぶ教育」への転換を意識し、教えるものも、教わるものも共に学び合う教育(「教学半:きょうがくなかば」)を心がけている。教育では、解が多様な問題に対応できるよう、知恵(応用力)の修得による課題探求・解決型に転換した人材育成を目指している。
 学ぶための教育支援と環境作りは、授業と課外学習の調和と継続性を図るため、工学基礎、実践英語、日本語文章力など七つの教育・学習を支援するセンター、進路開発、カウンンセリンングのセンター、修学相談室、365日24時間オープンの自習室などを運営している。
5) GPを活用した教育の組織化と教育改革の推進として、15年度から19年度にかけ七つのテーマに取り組んでいる。その中でポートフォリオシステムを活用した教育を18年度から進めている。学校歴から「何々ができる」という学習歴を重視した時代に対応できるよう、学生自らの気づき、意欲による自己変革を促進する自己成長型教育を展開するため、学生自身による達成度を自己点検できるよう、Webに1週間おきに学生が行動結果を入力し、クラスの修学アドバイザー教員から指導を受ける教育改革を進めている。
6) 教育力向上のためには、人材育成に熱意を持つこと、教職員も共に学ぶという精神を持つこと、個人の情熱だけでは限界があるので、組織として対応できるよう教員同士のコミュニケーションが重要ではないか。

[質 疑]
Q1: 理念を実践することができるものとは何か。
A : 最初の1年間は反対されたが、粘り強く学生に対する大学の責任をお願いして理解いただいた。
 
Q2: 卒業した後の社会での活躍は理想通りか。
A : 3年に1回は、卒業生から、また採用企業からアンケートをいただいている。目指しているゴールからまだまだであるが、それなりの評価をいただいている。


4.全体討議

「FDの実効を高めるための組織的な取り組み」

 東村高良常務理事(関西大学)より、FDの実効を高めるインセンティブな取り組みについて、理系、文科系の大学から事例を紹介いただき、それらを踏まえて教育力の再開発を徹底し、教育改善を進めるための大学としての取り組みについて全体討議するとの趣旨説明があった。

<理系大学としての大同工業大学の事例>
 酒井陽一氏(大同工業大学授業開発センター長)からの事例紹介は概ね次の通り。

1) 入学者全体の低学力化、自信喪失、目的意識の希薄化という教育危機に対処するため、平成11年度より「教育重視型大学への自覚的転位」を教育理念として、全教員が学生に向かい合う教育、学びの喜び・達成感を味わうことのできる教育を再確認し、12年度より学科ごとに人材養成目標、教育目標の設定と学習者が到達するための4年間の標準教育プログラムを策定、それを踏まえてカリキュラムを起こし、全ての授業科目に5〜7項目の学習到達目標を設定するとともに、FD組織としての授業開発センター、学習支援センターの設立、学習目標への到達度の自己評価などを導入した。
2) 全教員が個々の授業について公開し、共同で課題解決に対処できるよう、授業開発センター(教員14名、職員2名)にて実践的に改善することにした。これは17年度特色GPにも採択された。全教員の合意を担保するため教授会において激しい議論の末、全授業の原則公開と研究授業および授業研究会の実施を宣言した「授業憲章2001」を採択した。
3) 公開の研究授業を恒常化するための具体的ルールとしては、半期9回、年間18回を教養部と全学科を規則的にローテーション化し、授業公開直後に授業研究会を非常勤教員まで実施。授業公開の準備として、教員は事前に大学教育観、学生観、授業指針を作成、センターは授業者のシラバス、過去の授業評価アンケート、学習到達度アンケートの結果、成績評価資料を事前に配布。授業研究会では、学生アンケートの検討→参観教員による授業方法論的検討→専門領域教員による授業内容的検討→全体討議→授業者の反省的コメントなどで運営。研究を深化するべく「授業批評」を年4回発行し、実践に基づく大学授業論を学内教職員と学外に配布。さらに、授業研究の促進を拡大するべく、センター管轄による授業開発助成制度(全学に共通する教育課題を公募し、30万円、100万円補助)、授業改善依頼制度を設けている。
4) 授業での効果は、研究授業実施科目の学習到達度評価アンケートで見ると、比較的授業の評価が低かった教員のグループでは実施前の到達度2.4(満点5点)に対し、実施後は2.69と伸び率が大きいが、評価の高いグループは前4.1と後4.24となっており、全体として高まっている。

<文系大学としての創価大学の事例>
 坂本辰朗氏(創価大学前教育・学習活動支援センター長)からの事例紹介は概ね次の通り。

1) 開学以来、徹底して建学の理念である「学生中心の大学」を目指している。平成11年度の学長が発表した「学生の学習活動」と「教員の教育活動」の双方同時の改善を目的とする教育ビジョンを実現するため、12年度より学習支援とFD活動の中心機関として、「教授・学習活動支援センター」が設置され、その事業は15年度には特色GPとしても採択された。
2) 教授・学習活動支援センターでは、FD活動について、特定の授業技法を修得することを目的としたものでなく、授業内容・方法の改善そのものを検証の対象にして、教育の重要性を確認する。研究における「成長と学習の過程」とをいかに関連付けることができるか、また、受講者という立場ではなく、FD活動の推進者としてかかわることが重要としている。
3) FD活動にインセンティブを高める工夫として、授業見学会を実施している。通常の授業公開とは別に、特定の日時の授業を担当者了解の下で全学に公開する。見学と同時にビデオ撮影し、同日教員有志で開催するセンター主催の教育サロンでビデオをもとに授業者と学部の枠を超えて、授業の改善以上に教育の哲学・思想にまで話がおよぶよう自由な意見交換を続けている。また、17年度より有志教員の授業ポートフォリオをデジタル化し、大学の教員Webサイトに掲載して、大学としての良い授業事例の募集・奨励を実施している。さらに、FD活動についての教員の意識改革を促す「講演会」、FD合宿の開催、参加型学習法・ITを活用した教材作りに関する「ワークショップ」の開催、導入教育、初年次教育における共同学習の可能性をはじめデータベース活用など研究に関係下ものも含めて「FDフォーラム」を開催、などに取り組んでいる。

[意見交換]
Q1: 大同工業大学の授業改革憲章について合意を得るまでの様子について
A : 教授会で何度か提案したが、なかなか合意が得られなかった。しかし、FDセンター長の説得力、学長のリーダシップ、ここで改革を実行しなければ大学が持たない、という教員の危機感が一体となって教授会で合意されたと理解している。
 
Q2: 創価大学での取り組みでどのような効果が見られたか
A : 4回フォーラムを実施して、学外教員を含め140人なので、学内教員では3分の1程度1,000人が参加、比較的良い結果と判断している。学習支援と教育支援を結び付けることにより、学生のニーズを学習相談しながら吸い上げ、大学全体のカリキュラムに反映させている。例えば、全学的共通科目として「日本語表現」を開設、新入生に対する勉強ワンポイントアドバイス(1,000人が希望)を試行する中で、全学部で1年生向け「導入教育」を実施するようになった。
 

Q3:

学生と一緒にFD活動をする取り組みが必要と考えるがどうか、また、FDに参加いただきたい教員をどのように呼び込むか
A : 創価大学ではFDフォーラムで、手強い学生代表を10人程度呼ぶ。本来、来ていただきたい教員に参加いただけない歯がゆさは確かにある。例えば、学生から「教科書を買わされたが、一度も使わなかった」という意見を参加しない教員に伝える方法として、直接教員に言えないので、啓蒙アンケートの形で教科書の使い方について教員にアンケートをとり、意識を間接的に鼓舞している。
 
Q4: 今回の会議でガバナンスがFD、教育改善とどのように関わっているのか
A : (本協会戸高会長より回答)教育改革を進めていく場合に、組織としての取り組みがなかなかできない。学力の幅が多様化している中での教育に真剣に取り組むには、個々の教員が別々に対応しているだけでは難しい。やはり、理事長、学長先生の指導力がないと全学的なFD活動が実現しにくいのではないか、ということでガバナンス力の重要性を理解いただくことにした。

<まとめ>
 これまでの意見を踏まえて、司会より全体会議でのまとめが提示された。

一、
理事長・学長等のリーダシップの下に、教育改革実施プロジェクトの組織化、制度化の整備が急がれる。
二、
教員に人材育成を職務として意識いただくよう、教育活動全般について「授業改革憲章」などをとりまとめ、教員全員から授業改善の自発的取り組みについての合意を求め進んでいく。
三、 ファカルティ・ディベロップメントの形骸化を改め、真の授業研究とするようFD研究組織を設置していただくことが望まれる。
四、
教員の授業活動、学生の学習指導活動を支援する組織を早急に整備することが望まれる。
五、 学内で教育改革を広く議論する場として教育再生フォーラム等を構築することが望まれる。


5.関連情報提供

「ファカルティ・ディベロップメントとIT活用出版の紹介」

 大学教育における人材育成の課題から大学教員に求められる教育力まで第1章として掲げている。第2章では18の分野別にコア・カリキュラムの方向性を踏まえ、教育現場での課題、課題に対処するための授業の設計、学生の到達能力のイメージ、授業の運営方法、ITを活用した具体的な授業モデルの紹介など、350ページにまとめ、大学の学部・学科の規模に応じて昨年、無料配布した。

「教育の情報化に関する自己点検・評価のガイドライン」
 国からの補助金で情報環境の整備が進められているが、教育での効果が高まっているのか、大学自らが費用対効果を含め自己点検・評価し、環境整備の適正化を図ることができるよう、評価のガイドラインを策定した。政策面、組織面、環境・技術面、財政面で配慮すべき点を整理し、点検評価の項目をモデルとして作成したので、大学で活用いただきたい。

「情報化投資額の実態」
 18年度決算によると、教育研究部門の1大学当りの投資額は3.4%減。短期大学は、16.2%の減、特に短大法人では27%減少した。大学の設備関係は増加校と減少校がほぼ拮抗で51対49、工事関係は減少校が多く39対45、短大は増減なしが多くなっている。経費面では教材などのソフトの関係費、維持保守の管理費が増えてきている。昼間部の学生一人当りは、5.8万円で微増、短大は4.2万円で10%減少した。
 規模別の詳細は、表に掲載の通りである。

表 大学規模別 教育研究部門の情報投資額


「研究室等におけるソフトウエアライセンスの適正管理」

 授業や研究活動でのソフトの使用を巡って、ライセンス取得が十分に処理されているとは言えないことから、本協会としても加盟大学に対してソフトウエアの適正使用を徹底すべく、大学として取り組むべきガイドラインを作成した。
 コンピュータを設置する全ての施設でソフトウエアを使用する教員、学生、職員、臨時職員を対象として、コンピュータにインストールされているソフトウエアのライセンスの有無を点検する。適正を欠く使用が発見された場合には学内のしかるべき部署で適正に向けた対応を行う。
 管理体制として、ソフトウエアの管理に関する問題を検討する全学的委員会組織を設立し、ソフトウエア管理に関するルール(ソフトウエア管理規程)を策定し、管理点検を統括する組織として情報センター等の担当部門を定め、研究室、事務室、教室単位の管理責任者を定めるとともに、報告されたソフトウエア管理の実態を監査する。
 責任者は、ソフトウエアの台帳、領主書の写し、使用許諾書、ライセンス証を保管し、ライセンス手続きの正当性確認など全責任を持つ。
 不正使用への対処としては、大学としての適正回復のためのアライセンス取得、故意・過失による場合には管理責任者にもライセンス取得経費の一部を自己弁済させるなどとした。
 大学におかれては、新しい問題として対応していただくことを要請する。


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