特集 社会に支援を求める〜教育現場から〜(理工・医歯薬・家政系を中心に)
学生の基礎学力・学習意欲の低下、人間力の低下に象徴されるように、「学士力」の強化が急がれる。それには、学生に「学び」の重要性を理解させ、社会で活躍することの「喜び」を理解させることにある。社会での自立を育むには、教員だけの力に限界がある。今号と次号に亘り、授業現場から社会の支援を求める学問分野ごとの教員の「声」を紹介し、国、社会、企業等との連携の中で人材育成が一体的に促進されることを期待するものである。
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 機械系の製品開発に有限要素法がどのように利用されているかを、企業の技術者からネットを通じて紹介いただき、また学生の質問にも答えることにより、学習の動機付けが高まる。 | |
○ | メカトロニクス、ロボティクスの授業では、機械・電気等の要素技術をいかに最適に組み合わせるかという開発手法をより深く具体的に学ぶため、企業の専門家からメカトロ製品やロボット製品の事例を解説いただきたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 機械設計の授業では、教科書レベルの知識では不十分で、個々の対象ごとに細かいノウハウを必要とする場合が多いので、実際に社会で使われるモノの設計に携わっている技術者より学生の設計例(授業での知識を基に実際に設計した図面)の不備を指摘・改善案を指導していただき、より具体的・実際的な設計技術を身に付けたい。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | 工学の分野では、近年とみに「技術者倫理」の問題がクローズアップされている。技術者倫理に関して問題となった事例について、関係者(可能であれば当事者)にその問題に関して直面した様々な事象について語っていただき、学生に「技術者倫理」について自ら考える機会を提供したい。 | |
インターンシップ、ワークショップ、調査実習の組織的な受け入れ | ||
○ | インターンシップにより学生がスムーズに技術者として製造や開発に携わることもよいが、工学系では製造現場を知る意味でも教員用のインターンシップの必要性を感じる。学生と教員を含めて、企業の組織的な受け入れにいろいろな面で期待したい。 | |
eラーニング等ITを活用した教育プログラムの共同開発 | ||
○ | メカトロニクスの授業では、NC加工機のエミュレータの開発、生産スケジューリングの簡易的なシミュレーションソフトの開発を希望する。また、機械の構造、動作が動的にわかるプレゼンテーション用ソフトMatlabよりも機能を低くして、使いやすくした制御シミュレーションソフトなども希望したい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | デジタル電子回路の授業では、携帯電話、DVDプレイヤーなど実際の電子機器が、多くのデジタル回路によりその機能を実現していることを、製品開発の技術者からネットで紹介いただき、学習意欲を高めたい。 | |
○ | 急激に変化する情報メディア機器の実例紹介を、各メーカー、通信業界を通して画像で紹介することにより、学生の理解を深めるとともに学ぶ必要性を知り、動機付けができる。 | |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | デジタル電子回路の授業では、システムLSI設計者が実物を使って、実際のLSI開発の工程を説明いただきたい。 | |
○ | 電力伝送システム、エネルギー変換システムの講義では、実務経験者から現場の様子や問題点をネット上でお話いただくことにより、学習の動機付けができ現実感覚を高められる。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 上下水道学の授業で、建設コンサルタントの業務が実際どのように行われているか、実務家から現場情報の紹介や学びのポイントを解説いただくことにより、学生の目的意識を高めることができる。また、講義の内容と社会との関連を明らかにすることで、動機付けを持たせることが可能となる。 | |
○ | 道路工学の授業では、社会基盤施設としての役割等を理解させる必要があるため、道路整備の現況、課題および環境・景観等への取り組みなどに関する情報と実績を関係機関の専門家よりネットワークで紹介いただくことで、道路工学の必要性を理解させ、勉学意識を高揚できる。 | |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | 道路工学の授業では、実務経験者による計画、設計、施工、メンテナンス、アカウンタービリティーまでのプロセスをネットを通じて紹介いただきたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 下水道学の授業では、雨水排除計画の立案を演習として出しているが、そのような演習が実務で役に立つか、建設コンサルタントの技術者から助言評価を受けたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 施工者が実際の建築物の施工のプロセス(日々の現場の写真など)をインターネットで紹介することで、より実践的な知識が深まり、学習意欲を高めることができる。 | |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | 実際の設計プロセスや現場プロセスを知るために、設計事務所の設計者や施工技術者からネット上で解説いただきたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 設計製図の授業では、課題内容をインターネットで公開し、講評などを学外講師から得ることで、実際の設計を日常業務としている専門家などから幅広い評価を期待したい。 | |
○ | 建築設計の授業では、学生が設計した建築作品を建築家から助言・評価を受け、授業の通用性を目指したい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 経営工学の授業では、産業界における経営課題、ニーズ、現場の改善事例などを何らかの方法によって紹介することにより、授業内容の重要さを認識させ、学習意欲を高めることができる。 | |
○ | 「生産企画と管理(生産管理)」、「生産情報システムの」授業では、生産の現場からの生きた情報(データ、声等)を反映することで、問題意識を高め、問題解決能力を養うきっかけを作ることができる。また、データ、音声等をもとに、シミュレーション技術を応用することで、大学にいながら実践に近い状況を作り出し、生産管理・運用の理解をより深めることができる。 | |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | 信頼性工学の授業では、近年注目されている“失敗学”とも密接に関連しており、失敗事例となったシステムの設計を担当した実務家などからネットワーク上で講義・講演いただくことが有効と考えられる。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | 技術者に必要な知識、能力、態度、倫理観などについて、高齢、中堅、若年層の専門家から話を聞き、学生がその違いを理解した上で自分の将来の姿を考えることができるようにしたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | インターネットで、国公立研究所でロケット等の先端的研究をしている若手研究者、企業で活躍するロボット開発技術者などから、工学基礎教育過程において物理学を理解することの重要性について述べていただき、目的意識と学習意欲の向上を図りたい。 | |
○ | 量子力学等の分野では、この学問がいかに実社会に貢献しているか、半導体工業関連研究者から紹介いただき、学習の動機付けとしたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 無機分析化学の授業では、定量分析法について環境関連会社から現場情報を紹介いただき、実際の応用例を示して動機付けを行いたい。 | |
○ | 社会活動の現場において、有機化学の知識が有効だったか具体例を提供いただければ、学生の学習意欲や関心をさらに高めることができると思われる。 | |
インターンシップ、ワークショップ、調査実習の組織的な受け入れ | ||
○ | 有機化学や天然物有機化学の授業あるいは関連実験・演習では、化学工場や製薬会社などの製造現場体験や研究所の見学や実習などによって、より具体的な学習の動機付けが期待できる。 | |
○ | 環境分析化学や応用環境化学の授業では、工場の廃液処理施設で実体験の授業を実現することで、学びが社会でどのように活用されているか認識を深めさせたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 化学装置工学では、物づくり現場における開発・製造技術の実態としてのシステム設計、設備管理、および品質管理に関する実データを解析できる能力が求められるので、産業界と連携し、支援をいただきたい。 | |
○ | 材料化学の授業では、無機材料(合金・半導体など)の合成で必要となる物質の組成、構造(結晶構造、マクロな組織構造)と物性(電気的、磁気的、機械的特性など)との相互関係を理解させるため、最近注目されている材料や電子部品等の情報を、関係会社からインターネットで提供いただき、授業内容との関連を解説し、学習内容に興味を持たせたい。 | |
○ | 有機化学概論では、石油化学、製薬会社等での研究開発の具体例を紹介することで学習の動機付けを行っており、企業で実際に研究開発に拘わっている方の話を聞かせたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 薬品管理・廃棄物管理(処理)等が安全性・環境に与える影響を考える必要があるので、ISO14001の取得で常時専門家の指導・評価を取り入れる体制を整えたい。 | |
eラーニング等ITを活用した教育プログラムの共同開発 | ||
○ | 物質の安全な取り扱い、基本的な器具の取り扱いに関する教育プログラムの共同開発が望まれる。 |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | 動物細胞工学の授業では、バイオ関連の開発プロジェクトについて成功例、失敗例を現役の企業人にネットで講義いただきたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 地学の授業では、資源採掘や環境保全、防災の現場関係者の話を通して、産業と地学の関わりの実例を学び学習意欲を高めることができる。 |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | ネットワーク実践では、企業の情報システム部門の技術者から、トラブルシューティングの実例などを紹介していただくことで、実務に対する関心を喚起させたい。 | |
○ | 情報関連の授業では、実践的開発の実習(要求分析・モデリングなど上流工程が特に重要)について実務経験豊富な方にネットワークを通じて協力いただければ、効果的と思う。 | |
○ | モデル化とシミュレーションの授業では、3次元CAD/CAEを実際に活用している方から、具体的な活用の仕方や、実務上の注意点、苦労話などを聞けると教育効果が高いと思う。 | |
○ | インターネット関連企業の関係者に、最新のセキュリティ被害の事例紹介、実演、対策方法をネットで解説していただき、情報セキュリティや情報リテラシーの重要性を理解させたい。また、個人情報保護法や著作権等の知的所有権、人権などについて弁護士に解説していただき、情報を扱う際の倫理観を確立させたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 情報企画では、学生が制作した作品を辛口で評価して欲しい。実際のプロから見れば、自分たちの作品がいかに未熟か、あるいは意外に新鮮さがあるかなど、実社会に通じるか否かを知ることで、学生の理解が向上する。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | 将来計画、職業観を醸成するため、IT企業の関係者に、企業での仕事内容と情報機器の活用事例、仕事をする上での心構えなどを語っていただきたい。特に、チーム作業の多い企業において重視される、コミュニケーション能力、責任感、明朗さなどの重要性を、具体例を挙げて説いていただきたい。 | |
○ | 技術者または制作者になるための生き方、心構え、価値観などを習得するため、PostgreSQL、ArgoUMLなどのフリーウェアの国内開発関係者や、大規模ソフトウェアシステムの開発者による事例や体験に関する講演を行っていただきたい。 | |
インターンシップ、ワークショップ、調査実習の組織的な受け入れ | ||
○ | モデル化とシミュレーションの授業およびゼミ教育に関連して、3次元CAD/CAEについては、実際の現場での実習的体験が必要であり、インターンシップをぜひ実現したい。 | |
eラーニング等ITを活用した教育プログラムの共同開発 | ||
○ | コンピュータハードウェアの動作過程、各種アルゴリズムの実行過程、コンピュータネットワークの動作過程をビジュアルに表示し、インタラクティブに操作可能なシミュレータの共同開発、コンピュータウィルスの感染やフィッシング詐欺に代表されるセキュリティ被害を疑似体験できるインターネットシミュレータを共同開発したい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | データベースやプログラミング(開発・設計とも)について、現場のSEやプログラマがどのようにシステムを構築しているか紹介することにより、学習内容に現実味が帯びるため、学習意欲を高めることができる。 | |
○ | 講義の何コマかを利用して第一線で活躍する企業の方から事業・製品に直接関わる話題を紹介いただくことは、技術と社会との結びつきを理解する上で学生にとって極めて有意義である。 | |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | 情報メディア論の授業では、様々な分野における情報化の課程とその効果を、各企業における情報化推進部門の担当者からネットワーク上で話を聞くことで、具体的な問題の所在やその解決に関わる様々な技術や考え方に対する理解を深めることができる。 | |
○ | データベースの授業では、データベースを正しく設計しなかったことによる具体的な事故や弊害の報告を実務経験者からネットワークで紹介いただき、正しい設計方法を学習することの重要性を認識できるようにしたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | ホームページ製作、CG製作などアートの感覚が必要なものは、アート専門家の助言・評価を期待したい。 | |
○ | ソフトウェア設計の授業では、企画書の作成や設計書の作成について専門家の助言・評価を受けたい。 | |
○ | 実験科目で開発したデータベース、JAVAアプリケーションをネット上で公開し、専門家より助言いただきたい。 | |
eラーニング等ITを活用した教育プログラムの共同開発 | ||
○ | 様々な具体的システムのシミュレーションの説明が必要となるため、企業の設計・開発部門との教育プログラムの共同開発を期待したい。 | |
○ | システム構築の各段階での知識を具体的に習得するために、失敗事例・成功事例を蓄積する協同開発をしたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 情報社会の授業では、企業活動や社会活動の中で、情報技術がどのように活用されているか、その現場の状況を紹介したり、取材した映像などを教材として活用し、就業経験のない学生達に現実感覚を持たせることが可能と思われる。 | |
○ | ヒューマンインターフェイス論の授業では、携帯電話やカーナビ、日常的な道具の設計や評価に関わる現場から様々な問題を学生に提示いただくことで、学習への動機付けが高まる。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | Webプログラミングの授業では、学生の作った作品に対してWebデザイナーより評価いただきたい。客観的な評価の難しい成果物についての専門家による評価が実現できるとよい。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | 情報システム各論の授業では、顧客のニーズを仕様書までにまとめる過程、実例を話していただき、コミュニケーション能力や、仕事の手順について語っていただきたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 保全生態学の授業において、保全地域の管理の実際について、実務家からのメッセージを学生に届けることで学習意欲が湧く。緑地管理学の授業において、公園緑地の特徴的な管理について、ネットワークで紹介し、学習意欲を高めたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 大学で得た専門性を生かして食品に関わる仕事に就きたいと考えている学生が多いため、講義や実習の内容がこうした会社での仕事にどのように関わっているのかを、現場情報を通して実感させたい。 | |
インターンシップ、ワークショップ、調査実習の組織的な受け入れ | ||
○ | 食品化学の授業では、食品関連の企業に就職を希望する学生が多いので、積極的に関心がある学生については食品開発現場でのインターンシップが実現できることを期待する。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 木質材料学の講義では、建材メーカー、ハウスメーカーなどの関係者から、新しい材料の情報や現場で求められている材料の性質などネット等により紹介いただき、授業の内容をより身近に感じさせることが可能となる。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 獣医伝染病学の講義では、産業動物の飼育方法の情報が十分でない。例えば、BSEが発生してもその牛が飼育されていた牛舎など、その飼育形態についての情報が極めて少なく、牛が生まれてから肉牛や乳牛となり、その一生を終わるまでの現場の情報が必要だと考える。また、愛玩動物においても、生産から飼育に届くまでの飼育形態は不明であり、伝染病を予防・阻止するためには生産・飼育・販売の実態に関する情報を関係者からインターネット等で入手できればと考える。 | |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | 細胞生物学の授業では、バイオ、アグリビジネス、医療業界などの関係者を招聘し、学問に裏打ちされた技術力の確かさを認識させるとともに、将来の展望を考えさせるきっかけにしたい。 |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 動物園論の授業では、動物園に対する学習の成果を動物園・水族館関係者から助言・評価を受けたい。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | 動物園論の授業では、将来設計、職業観を醸成するため、野生動物関連産業で活躍されている方にネットワークで仕事上の成功・失敗などを語っていただきたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 医療管理学の授業では、病院や医療機器メーカー、薬剤メーカーなどとの協力により、医療機器や病院内のハード面を医療安全の視点から紹介いただくことで、学習効果の向上が期待できる。 | |
○ | 医学の授業全般(臨床系)では、薬業界から医薬品の効能・使用法・副作用などの情報および医療器械業界から使用法・典型的な画像などの情報を提供いただき、講義やカンフアレンスでの教材の豊富化を図りたい。 | |
○ | 再生医療などの先端医療について社会のニーズ、企業の取り組み、海外の進捗状況を関係機関から情報の提供を受けることで、学習の動機付けを高めたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 医療管理学の授業では、学生が検討した医療安全の視点からのアプローチに対して、現場での採用可能性について助言・評価を受けることにより、実践学としての実力がつく。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | 最近、医療事故が新聞紙上で問題になることが多いので、医療における医師の責任の範囲・リスクマネージメントなど法曹界や検事の方々の判断基準をお話しいただきたい。 | |
eラーニング等ITを活用した教育プログラムの共同開発 | ||
○ | 心臓外科や脳外科などの授業では、難手術で経験ができない術式、内視鏡手術や今後進歩するであろうロボット外科のシミュレーションをCGで体験できるよう共同開発したい。 | |
○ | 解剖学などの講義では、3D画像をとり入れた自己学習教材の共同開発が望まれる。 | |
○ | 問診から診断、治療までのシュミレーションができる教材の共同開発が望まれる。 | |
○ | 医学教育上、EBMを医薬品メーカーなどと共有できるしくみの開発を希望する。 | |
○ | 生理学の授業では、人体の機能についてアニメーション政策技術を持つ企業と共同して、精度の高いシミュレーションの開発を期待する。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 医療従事者と患者間の十分なコミュニケーションを確立するために、“接遇や話し方”のスキルを身につけさせることで、現実感覚を持たせたい。各方面から、実際の患者を講演者として招き、患者側から見た医療を理解させることで医療人間としての学習の動機付けが高まる。 | |
○ | 医科および歯科の基礎系の授業では医療機関あるいは報道関係機関から、医療事故における事例を列挙いただき、基礎学力あるいは豊富な知識がいかに医療事故を防止するかを理解させ、学習意識を高めたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 臨床歯科医学の授業では、症例に対して診断と治療が的確に行えているか否かを、他の歯科医師からも評価を受けたい。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | 法倫理、生命倫理観を醸成するために、司法裁判官から種々の人間関係や人の生き様について話を聞きたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 医薬品化学の授業では、創薬に対する基本的な考え方を産業界の関係者からネットワークで紹介し学習意欲を高めるとともに学びの意義を把握させたい。また、合成化学の授業においても、産業界の関係者から、薬を合成する際の実践的な経験を紹介いただくことにより、社会における必然性や位置付けなどを理解させたい。 | |
○ | 新薬承認までの過程を薬学部の学生に紹介するために、治験後の新薬承認までの過程を製薬会社の臨床開発部の方に説明いただきたい。また、薬の開発にかかわるトピックスを解説いただくことで、薬に対する社会経済的側面や世界的な動向を学習することが可能となり、創薬に対する新たな認識が生まれる。 | |
○ | 病院・診療所、薬局・医薬品販売業、製薬企業などを結ぶ臨床データベースを構築し、双方向的情報交換ができるようにすることで、「患者個人のための薬物治療」を目指した問題解決能力育成、情報取扱に関する態度育成を図ることが可能になる。 | |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | 医薬品開発の現場におけるメーカーのMR教育用スタッフや、厚生労働省OBにより臨床治験のガイドラインについてネットワークで講義いただきたい。 | |
○ | 有機化学の授業では、製薬のプロセスにおける有機合成での失敗や成功例について、どのように難局を乗り越えて、医薬品に育薬できたか、実務家に紹介いただきたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 治験の授業では、特別講師として招いた製薬会社の臨床開発部スタッフより講義の評価、助言を受けたい。 | |
○ | 薬剤学の授業では、製剤研究に携わる研究者および品質管理に携わる管理薬剤師に助言・評価を受けたい。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | 地域住民(主に高齢者)との小グループディスカッションによる交流によって、健康や薬についての考えを知り、個々のQOLに対する価値観を理解することができる。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 産業界での取り組みなどがヘルスケアにどのようなインパクトがあるか、ネットワークを介して情報を提供いただくことで、学生に考えさせる材料を与えることが可能となる。 | |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | クリティカルケア論の授業では、二次救命処置のプロセスや看護の視点を学ぶため、救命救急士や救急認定看護師と協力し、技術や考え方を実演いただきたい。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | 救急の現場で活躍されている方に、救命救急での協働に必要なこと、救命救急における情熱など、専門職業人としての成長について、ネットワークで語っていただきたい。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 給食経営管理の授業では、理論をより確実なものにするために特定給食業界の実態をネットワークで紹介することが有効と考える。 | |
○ | 食品安全学夜食品衛生学の授業では、安全性や衛生生の確保に対して、企業や行政がどのように対応しているか、時事問題も含めて紹介し、理解を深めることが有用である。 | |
実務経験者による教育の実現 | ||
○ | 臨床栄養学の授業では、栄養摂取のプロセスを検証するため、医師、管理栄養士等から栄養サポートの実際をネットワークを通じて紹介したい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 栄養学関連の授業では、学生が立てた献立を各方面で活躍する栄養士から評価いただきたい。 | |
○ | 栄養教育の授業では、学生のロールプレイングに対して、教育対象のニーズ、知識、意識などのレベルに応じた教育プログラムの作成のあり方、教育場面の実際、評価法(効果測定)などについて専門分野の管理栄養士から助言・評価いただきたい。 | |
インターンシップ、ワークショップ、調査実習の組織的な受け入れ | ||
○ | 食品安全学の授業では、食品企業における安全性確保のシステムを把握するために、インターンシップや調査実習の受け入れが望ましい。 | |
○ | 栄養指導実習、公衆栄養学実習等の授業では、栄養調査の調査対象者が身近な者でしかできないため、企業などの健康管理のための食事調査などのフィールドとして提供していただけると有り難い。学生は授業に、会社は社員への健康管理としてデータを活用できる。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | アパレル企業での企画会議や展示会、縫製仕様書の作成など現場でどのように進行されているかをインターネットで見せられると、学習意欲を喚起することができる。 |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | 設計製図の授業では、コンセプチュアルな問題や専門的な問題について双方向的な交流が可能なネットワーク環境で、実務者と学生がディスカッションすることで刺激を与えることができる。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | スポーツ科学演習では、体力の低下について健康産業界からインターネットで紹介することにより、学生に実感させ運動と健康問題を体感させる。 | |
○ | スポーツバイオメカニクスの授業において、スポーツ用品開発などに研究結果を応用している企業の例をインターネットを通じて紹介したい。もしくはインターネットを通じて学生と企業の双方向の意見交換を行いたい。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | スポーツ運動学では、オリンピック選手など一流選手のトレーニング方法などについて助言を受けたい。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | スポーツ運動学の授業では、日本を代表する一流スポーツ選手に、トレーニングに対する意識や競技場面での体験談を語っていただきたい。 | |
○ | スポーツ理論・スポーツマーケティングの授業では、スポーツボランティアへの理解・共感・共鳴があってより効果が期待でき、ボランティアの体験談は非常に有益である。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 「芸術学」の授業では、最先端のデザインや現代のアート表現の動向を学ぶ際、注目を集めているアーティストおよびその関係者や、話題の企画展を発案したキュレーターらの発言をインタビュー形式などで紹介することが有意義である。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | プロダクトデザインでは、医療、福祉関係機関からの現実的なノウハウにより、医療、福祉機器のデザインに対して、学習のモチベーションを得ることができる。 | |
学習成果に対する専門家の助言・評価 | ||
○ | アドバタイズメント実習では、実際のデザイナーや企業SP部の人に評価を受ける。 |
現場情報・体験情報の紹介 | ||
○ | 現代文明論・芸術論・環境アートの授業において、自動車メーカー(ホンダ)や電気メーカー(ソニー、キーエンス)の技術者から、ものづくりに対する考え方をリアリティーを持った生の声として、常時インターネットで流していただくことを望む。学生達が自らそこにアクセスし、考えることにより学習の動機付けが高まると考える。 | |
人間力養成のための教養教育の実現 | ||
○ | ゲーム評価法演習では、ゲームメーカのクリエータに市販ゲームコンテンツ作成の問題点を語っていただき、この分野の面白さと難しさを理解させたい。 |