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近畿大学習熟度別入学前e-Learning学習の全学的取り組み

　近畿大学では平成18年度から、ほぼ全学部にわたり入学前e-Learning 教育を各種推薦入試合格者に対して、英語・数学・日本語・物理・化学・生物の6科目を提供している。
　個々の受講者の各教科の学習進捗状況、修了時の習熟度などのデータをリアルタイムでチェックすることができ、進捗状況の芳しくない受講者には適宜注意するなどの体制を整えている。さらに、これらのデータはすべて個人別に整理され、入学後の基礎科目の学習指導に役立てている。
　一方、年々受講する学生数が多くなるのに伴い各科目において習熟度も広がっている傾向が見られていたことから、平成21年度入学生に対してはすべての教科において３段階の習熟度別入学前e-Learning 教育を実施することにした。
　受講者は、まず各科目をe-Learning 学習する際にエントランス（レベルチェック）テストを受けて、その得点により上級、中級、もしくは初級コースのいずれかのe-Learning学習を自動的に受講し、一連のe-Learning 学習を実施した後に修了テストを受験した。
　大学全体における各科目のコース別受講者数は、必修科目である英語および日本語はいずれも90％以上の受講率であり、コース別の割合としては両科目において中級コースが80％弱を占めている。
　各科目の学習進捗度（各科目におけるe-Learning 学習の全体量に対する実施量の割合の平均値）は、いずれの科目においても、中級および上級コースが良好であった。
　特に物理では初級コースにおける習熟度の伸びが特に大きいことなどが明らかになっている。これら一連の結果を活用することで、個人レベルで各科目の習熟度を入学前に把握することができ、入学直後における学習指導にも役立てることができる。さらに、入学前後のe-Learning 学習を通して「学生が自学自習する」ことが身につくことも期待できる。（2009年度リメディアル学会予稿集より抜粋）

教員進捗管理画面−科目別表示

教員進捗管理画面−個人別表示

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