賛助会員だより
上智大学では、多様化するステークホルダーへの情報発信媒体として、その役割の重要度を増す公式Webサイトのあり方を重視し、上智大学の理念や特色・ブランド等を戦略的かつ的確に発信できることを目指し、総務局企画広報グループにより、2009年春にリニューアルプロジェクトを発足させた。
はじめに、新サイトの要件とコンセプト(ゴール)を決定するため、下記のような現状の課題抽出を行った。
これらを解決するため、コンテンツ整理、デザイン・レギュレーション策定および、そのガイドライン作成が必須とわかり、その結果、整然とした情報設計と統一された“上智らしい”デザインによる、ユーザビリティ・アクセシビリティの高いサイトを目指し、ステークホルダーとの信頼関係構築(=上智ブランドの向上)に重きを置くことを新サイトのコンセプトとした。
図1 上智大学旧サイト
情報の膨大化により約8,000ページに亘っていたコンテンツを、企画広報グループをはじめとした各部署の担当者が見直し、整理(情報の要不要、重複など)を行った上で新サイトマップを作成し、想定するユーザー導線から新たなカテゴリ分けを行い、さらにその内容ごとに20数種類に分類。それに合わせたページテンプレートパターンをワイヤーフレーム化した。
図2 上智大学新サイト
デザインは、上智大学の「キリスト教ヒューマニズムに基づく建学の精神」を念頭に置いて検討を進めた。検討にはマッピングボードを使用し、関係者がそれぞれ新サイトのテイストに近いと感じたベンチマークサイトを多数プロットして参考にし、方向性を導いた。それにより、「品格」「伝統的」「宗教的」等をキーワード抽出し、臙脂色を軸としたカラースキームを策定、複数デザイン案から手直しを重ね、決定に至った。
サイト構築と並行して、情報設計・デザイン・コーディングルールを定めたガイドラインを作成。サイトコンセプトをはじめ、各種ルールを関係部署へ周知することにより、継続的なサイト更新を行うことができ、学外へ制作を外注した場合も、定義された内容を恒久的に維持し、サイト品質が保てるよう配慮した。
図3 情報設計に使用したサイトマップ・ワイヤーフレーム
ガイドライン作成と周知は、学内でこれまで欠けていた「サイトからの情報発信に対する意識統一」を図るきっかけにもなった。しかし、本来の効果は今後のユーザー及び学内からの評価等によって明らかになり、それらを継続分析し、新たな課題を抽出して改善を重ねることが必要と考える。
「これまでサイト運用の明確なルールがないままコンテンツが肥大化した状況を整備し、且つ、必要な情報を必要な場所に掲載できる仕組みを確立したことで、ユーザーが求める情報に容易にたどりつけるサイトの基礎を構築していただけたと思っています。また、日本語、英語サイトで共通のデザインを使用し、本学のイメージに基づいたビジュアル構築が叶い、「洗練されたシンプルなサイト」という当初の思いが実現できました。今後も安定的な業務の継承と、継続的なサイト分析により、サイトの品質維持に努めていきたいと思っております。」(上智大学企画広報グループ)
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