賛助会員だより
慶應義塾大学では、教職課程を履修する授業の支援として、ポートフォリオシステム「教職ログブック」(manaba folio)を朝日ネットと開発し、2007年9月より運用を開始しました。
教員を目指す学生にとっては、複数の評価主体が教員養成のプロセスに参加し、個に応じた的確な指導および評価を行うことが重要であり、このプロセスが果たされるためには四つの項目が必須でした。
1)学習管理機能(LMS)
2)学部間、学内外の垣根を越えたコミュニティ機能(SNS)
3)学生が成果物を自ら蓄積・他者の成果物への閲覧および評価者からのフィードバックの蓄積(ポートフォリオ)
4)LMSやSNS等の各機能から、他者の成果物を閲覧(相互閲覧機能)
上記の用件をすべて満たしたポートフォリオシステムは運用開始から4年経過し教職を目指す学生本人の他、教職課程関係者を合わせ、2,000名以上の利用者に活用されています
教職を目指す学生と、とりまく環境を、航海をイメージして表した図
「掲示板の活用」
慶應義塾大学では掲示板を活用し、利用者同士の意見交換を活発化しています。授業での疑問や質問のために掲示板を活用している他、課題について提出したレポートの意見交換の場としても活用しています。他の学生が提出したレポートについても意見交換をすることで、改めて自身の意見を発表できる空間となりました。
「相互閲覧」
同じ授業を履修している利用者同士や、SNSとして活用されているコミュニティを通じた利用者同士が、互いのポートフォリオに蓄積された成果物を相互に閲覧・評価しあうことにより、ネットワーク型の学びを実現しています。
教員も学生のポートフォリオを閲覧することで、一人ひとりの学びを把握し、教員のみ閲覧可能であるマネジメント機能を活用して個々人の学習相談に活かすことが出来ます。
朝日ネット開催の教職に関する事例紹介セミナーでポートフォリオシステムの活用内容についてご講演いただきました。2010年9月10日
教職に関する授業をポートフォリオシステムで管理することで、経年的に履修状況、単位取得状況、評価、提出した課題の内容、相互閲覧で得た他者への意見・他者からの意見を蓄積することができます。
ポートフォリオに蓄積された、「履修科目」「他者からの評価」「自己評価」「自己省察」はそのまま「履修カルテ」としての大きな役割を果たしています。
更に、ポートフォリオ内には指定された課題の他に自身が発言した掲示板を活用したコメントや、他者の課題へのコメントも蓄積されているため、教育実践演習に向けて、これまでのプロセスを細部まで振り返ることを可能にしています。
現在は学内での活用が中心となっています。今後の展望としては、教育実習校の担当教員など、学外の教職課程関係者もネットワーク型の学びの中に登場することで、教職に関する学習の質が一層向上していくことが考えられます。
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TEL:03-3569-3010 FAX:03-3571-8722 |
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(アドレスは全角文字で表示しています) |
http://manaba.jp/ |