賛助会員だより
法政大学では、既存の授業支援システム「Sakai CLE(サカイ・シーエルイー)」の機能を補完するシステムとして、シー・エス・イーのビジュアルコミュニケーションシステム・Cast@cademy(キャスト・アカデミーR、以下 Cast@cademy)を導入し、既存システムの活性化を図るための共同研究を開始しました。
Sakai CLEは、授業を支援するさまざまな機能を持つシステムですが、リアルタイム性のあるコミュニケーション機能を持っていない点が課題でした。Cast@cademyの導入により、リアルタイムコミュニケーションの機能を提供するだけでなく、今後ますます活用の場が増えることが予見されるビデオコンテンツの作成や活用を行います。またSakai CLEからのシームレスな連携を実現することで、教員や学生がリアルタイムにコミュニケーションできる機能を提供し、学内情報基盤が活性化することを導入の目的としています。
Sakai CLE 利用画面 授業を支援する様々な機能を提供。左下には、現在システムに接続しているユーザが表示される
Sakai CLEが提供している機能は、教材の配布、レポート課題の出題および回収、eラーニング、ポートフォリオ作成などです。一方Cast@cademyは、ブロードバンド環境につながるブラウザとWebカメラ、マイクさえあれば双方向通信が可能になり、ユーザー側に特別な専用機器を用意すること無く、リアルタイムコミュニケーションが可能になります。いわば、Sakai CLEが必要としている機能を標準で持っていますが、リアルタイムコミュニケーションの開始準備として、事前にバーチャル会議室の登録が必要になるなど、Sakai CLEとの連携時における課題がありました。
今回の共同研究において連携インターフェイスを利用することで、オープンソースソフトウェアのSakai CLEの拡張機能としてシームレスに統合することを主眼とした研究を行う計画です。
ミーティングモード Cast@cademy を使ってゼミやセミナー開催が可能。Sakaiへの接続メンバーが直接会議を開くなど、連携による情報基盤の活性化を図る。
法政大学では、それぞれの教員が特色ある授業を進められるよう、様々なツールを研究開発しています。その一方で教育の場はますます拡大しているため、海外で一定期間学習を行うSA(Study Abroad)や、直近では震災で被害を受けられた地域の復興支援など、様々な環境で利用できる学習機会の提供も行っています。このような多岐にわたる教育の場を支えるインフラとして、今回Cast@cademyを選択したのは、自由に変更できる連携インターフェイスを持っている点が挙げられます。このインターフェイスを利用してSakai CLEとのシームレスな統合が実現できれば、教育活動を支える学内情報基盤として更なる活性化が見込めると考えています。
今回の共同研究を通して、Sakai CLEとCast@cademyの連携による組織内コミュニケーション活性化の効果を確認できた暁には、蓄積した連携ノウハウを基に、他大学においても教育活動を支える基盤として採用いただけるよう、活用範囲を広げていきたいと考えています。
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