賛助会員だより
埼玉県行田市のものつくり大学は、2001年4月に開学以来、多くのテクノロジスト(高度実践技術者)を養成している。図書情報センターは、大きな窓ガラスから光が差し込む校内の中心に位置し、約3万8千冊の資料を有し、デジタルライブラリーの機能も備えている[1]。また、システム面では大学図書館情報システム「ネオシリウス」を導入し、サーバを学内に設置していたが、リース満了に伴う次期システム検討を機に、システム導入自体の在り方を再検討することとなった。
システム選定の初期段階(2011年11月頃)から、ものつくり大学はハードウェアの寿命に縛られない「クラウド型」に関心を寄せていた。教職員で構成される情報システム検討委員会に属する図書館支援システム作業部会[2]を中心に検討する中で、昨今の節電対策はじめ、落雷への備えや、セキュリティの強化等の課題を可能な限り省力化して実現することが一番の優先事項であり、同時に利用者側のメリットにつなげるための観点も大事にしていた。
このような背景から、既存システムと同等の機能を維持することができ、カスタマイズやバージョンアップにも支障なく対応でき、サポート面も既存システムと同様のサービスが受けられる「ネオシリウス・クラウド」は、新たな選定条件を満たしており、コスト面においても中長期的な試算を行った結果、大きなメリットがあることが確認された。
システム決定後、2012年10月の本稼働に向けて、導入スケジュールに沿って環境整備がスタートした。
主に、クラウド環境構築、データ移行、データチェックという3ステップとなり、これらを3ヵ月という比較的短期間で終えて、無事に本稼働を迎えることができた。また、ものつくり大学の発表記録[3]によれば、「クラウド型に変更した現在、弊害等は出ておらず、管理者にとっては停電によるシステム停止の不安もなく、バックアップテープの交換が不要のため、負担軽減となった。また、学生にとってはどこからでも蔵書検索ができるというメリットがあり、管理者・ユーザーにとって良いシステムだと言える」とある。
また、クラウド型採用による成果として、これまではハードウェア寿命に引きずられる形で数年おきにシステム選定業務を行ってきたが、今後は大学の希望するタイミングでシステム選定することができるようになったのは大きなメリット、との声も聞かれた。
ものつくり大学 http://www.iot.ac.jp/
ものつくり大学 図書情報センター OPACトップ画面
参考文献および関連URL | |
[1] | ものつくり大学 http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/517395.pdf (参照2013-01-22) |
[2] | ものつくり大学「自己点検評価報告書」 平成23(2011)年度 http://www.iot.ac.jp/cms_img/guide/evaluation/valuation/4/pdf1.pdf (参照2013-01-22) |
[3] | ものつくり大学「ネオシリウス・クラウド 導入事例の発表記録」 http://www.iot.ac.jp/cms_img/information/214/doc_pdf.pdf (参照2013-01-22) |
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