賛助会員だより
関西大学ではクラウド活用により教育研究システム基盤を強化し、2012年9月より本格運用を開始しました。本システム基盤では、仮想化によりサーバを高信頼なサーバ2台に集約するとともに、学生と教員が利用するファイルサーバに富士通のクラウド型のオンラインファイルサーバサービス「オーガニックストレージサービス(監)」を導入、リソースの最適化と運用効率化、セキュリティ向上を図りました。
これらによりICTトータルコストを30%、消費電力を46%削減するとともに、法定停電などに係らず24時間365日、メールとファイルのサービスを利用できる環境を構築、災害に強いシステムを実現しました。
○サーバ集約とデータセンターの活用
従来のサーバ構成を見直し、メールや認証サーバなどの21台を仮想化により、高信頼性・高可用性で堅牢な基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 1400S2」2台に集約しました。そして、学生と教員が利用するメールやファイルなどのサーバを集約した1台を富士通の明石システムセンターに設置、リソース管理などを行うもう1台を学内に設置し、サーバ間を学術情報ネットワークSINET4で接続しました。
さらに、富士通の大学向け統合ID管理システム「UnifIDone」により、学内とシステムセンターに設置した認証システム間で同期を取ることで、学内のシステム基盤が停止した場合でも、明石システムセンター側で利用者認証を行うことができる環境を構築しました。
○クラウド型ファイルサーバサービスの活用
従来、学生と教員が利用するファイルサーバは、導入後の利用増加を見越して一人当たり1GBの容量を常時用意していましたが100%使われることはありませんでした。今回の構築では、ストレージ利用量の変化に応じて柔軟に容量を拡張できる富士通のオンラインファイルサーバサービス「オーガニックストレージサービス(監)」を活用し、学内に保有するファイルサーバ容量を60%削減しました。学生と教員はこのサービス上のストレージ領域を自分のドライブとして利用できます。
新システム基盤の概要
千里山キャンパスITセンター
オープンPCコーナー
今回の仮想化とクラウド型のオンラインファイルサーバサービスの活用により、学生と教員は、24時間365日、メールサービスの利用と、教材、レポート、研究資料などの参照が可能となるとともに、消費電力を46%削減し、災害対策やセキュリティ強化も実現できました。
さらに、ICTリソース最適化とそれによる業務効率化により、約30%のICTトータルコストを削減できる見込みです。
関西大学はICT環境のクラウド化を進めており、本システム基盤の強化をクラウド化への第1歩と考えています。来年度以降はDaaSを利用したパソコン教室環境の刷新、学内クラウドの構築による運用の効率化とさらなる統合認証強化などを検討しており、今後も積極的に効果的なICT環境の整備に取り組んでいきます。
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