賛助会員だより
関西大学は、スマートフォンやタブレット端末を所有する学生が急増したことを受け、全7キャンパスを対象に、1,000台以上のアクセスポイントを持つキャンパスネットワークにおける国内最大級の無線LAN環境整備に着手しました。無線LAN構築は3カ年計画で進められており、2012年度は300台のアクセスポイントを設置し、2012年9月21日から本稼動しています。
関西大学では毎年、PC利用状況などの動向調査を実施しており、これまでの調査では学内で自分のPCを利用するユーザーが1割に満たない状況でした。そのため、2003年から共用エリアなどごく一部で無線LANを運用してきたものの、エリア拡大を微増にとどめていました。
しかしながら近年、スマートフォンやタブレット端末を所有する学生が急増し、無線LAN利用に対する要望が明らかになってきました。それを受け、学内情報化による教育・研究支援を担い、全学のIT戦略を推し進める関西大学ITセンターは、全キャンパスを対象とした無線LAN環境の整備に踏み切りました。この無線LANインフラは、モバイルデバイスを活用した新たな授業形態、教育コンテンツの開発を整備することを目的とした構想のベースとなるものです。
無線LANインフラ構築に際しての要件としては、ユーザーのオペレーション性、使い勝手を考慮し、従来の無線LANのような煩雑な設定を必要とせず、かつセキュアなアクセス環境が保たれること。また、授業でモバイルデバイスを使う際に500〜600人収容の教室でも同時接続が可能な高密な通信環境に対応できること。さらに広大なキャンパスの無線LANを一元的なコンフィグレーションで運用・管理できることが挙げられました。特に大教室のような一カ所で多くのユーザーが安定的に接続できるためには、従来の無線LAN技術では複雑な仕組みになることと、広いキャンパスに点在する建物におけるチャネルマッピング、あるいは独自に運用する研究室内無線LANなどとの電波干渉をなくすため、全エリアを一つのチャネルで運用するシングルチャネルが求められました。そうした要求を満たす無線LANシステムとして当社が採用されました。
導入された機器は、無線LANコントローラのMC4200(冗長構成)とアクセスポイントのAP320シリーズなど。MC4200は、最大500台のアクセスポイントをコントロールでき、最大5,000ユーザーに対応します。アクセスポイントの設置は、パブリックエリア、各学舎の教室エリア、屋外エリアの順に、初年度の2012年度に300台、2013年度に300台、2014年度も300台以上を計画し、ニーズに応じて拡大していく計画です。
また、持込デバイス(BYOD)にセキュアな無線アクセスを低供するIdentity Managerと呼ばれるソリューションを導入しており、今後、認証基盤と連携してIEEE 802.1X認証の導入を容易にしていくとともに、ゲストユーザーに対してID・パスワードの自動発行および管理を行っていく予定です。
関西大学の無線LAN環境によるインフラ整備は、台頭するスマートフォンやタブレット端末に代表されるモバイルデバイスを活用し、新たな教育形態やコンテンツを開発して教育の質を保証する環境づくりを目指すものです。そのためにPBL(Project-Based Learning)やアクティブラーニングなどへの転換、教育効果の高いビジュアル教材の開発、Sakaiなどのラーニングマネジメントシステムの利用拡大、iTunes Uを使った講義や教材の積極的な公開、eポートフォリオの導入などをIT戦略に掲げ、取り組んでいく計画です。
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