賛助会員だより
スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイスの普及によって、いつでもどこでもネットワークに接続できる環境を望む声は多く、特にスマートフォンを日常的に使いこなしている若者が集う大学環境では、その傾向はより顕著なものとなっています。流通経済大学では、龍ケ崎キャンパス(茨城県)及び新松戸キャンパス(千葉県)のネットワークインフラを刷新、冗長構成を採用することで信頼性を高めながら、両キャンパス全域に無線LAN環境を整備しています。
龍ケ崎キャンパス (茨城県)
2012年に学内に設置されたIT戦略会議の中で、学士課程教育の情報環境整備及び事務システムの刷新と合せて、ネットワーク更改について議論が展開され、通信事業者と共同で新松戸キャンパスに設置したWi-Fi環境のさらなる利便性向上を念頭に、新たな環境整備に取り組むプロジェクトがスタートすることとなりました。
携帯電話が主流で無線LAN環境に接続できるスマートフォンやタブレットなどが普及していなかった以前とは異なり、プロジェクトでは「無線LAN導入が前提」でネットワーク更改が検討されました。その背景には、この数年でのモバイルデバイスの爆発的な普及があり、現在では、ほとんどの学生が当たり前のようにスマートフォンを持ち日常的に利活用していることから、教育的な観点も含めて無線LANのインフラ整備をしていくことは必然的な流れと判断し、無線LAN環境を強化、推進することになりました。
新松戸キャンパス(千葉県)
新たなネットワーク環境を設計するにあたって要件としてあげられたのが、BCP(事業継続計画)も考慮した上で、両キャンパスで冗長化することにより信頼性を最大限に高めたネットワークを構築することでした。
同時に、キャンパス内全域に無線LANが届くようにし、途切れない環境の設計を前提に要求仕様を策定され、特に使いやすさを確保しながら高いセキュリティを担保できるよう、無線LANネットワークと学内ネットワークのセグメントを分離させつつ、Web認証やMacアドレス認証など複数の認証方法が選択できるような環境整備を必要とされていました。
他にも、物理的に離れた両キャンパスにアクセスポイント(以下、AP)を大量に設置するため、環境設定やメンテナンスなどの際に一括でコントロールできるような環境も要望のポイントとして挙げられ、例えば、「教室など特定の場所では無線環境をオフにして欲しい」といった要望が出ることも事前に想定されており、遠隔地からでもコントロールできる柔軟性の高いシステム構築を構想されていました。
また、運用面、サポート面でも十分な検討がされました。これは、以前に、キャンパスごとに異なるベンダー企業が構築していたことで、障害発生時などに切り分けが難しい場面も経験されたことを踏まえ、今回のプロジェクトでは、今まで以上に迅速な対応が可能になるよう両キャンパスのサポートを一つのベンダー企業に統一することも重要なポイントとなりました。
現在は両キャンパスにそれぞれDHCP・認証サーバ及びモビリティ・コントローラーを設置、キャンパス間を広域イーサネットで接続しながらインターネット回線はそれぞれ個別に敷設されています。
Aruba モビリティ・コントローラー
両キャンパスを同じ構成にすることでネットワークの冗長化を実現し、信頼性を高めるネットワークを作り上げています。親しみやすいネーミングを意識した「RKU Wi-Fi」の名称で両キャンパス全域をカバーする無線LAN環境を構築することに成功しています。
「いつでもどこでも使える環境」にするべく、屋内にAPを適切に設置し、屋外にも電波が届くような設計にもなっています。
http://www.rku.ac.jp/wi-fi/より
また、山梨県の山中湖村にあるセミナーハウスにもAPを設置し、龍ケ崎キャンパス内にあるモビリティ・コントローラーで管理することで、「いつでもどこでも使える環境」の実践を行っています。
山中湖セミナーハウス
実際の利用状況については、ゼミの学生に無線LANが使えることを伝えると、すぐに接続の手続きをする学生が多くみられるようです。教職員及び学生あわせて5,700名ほどいる同大学の中で5,200台あまりが既に申請されており、かなり活発に利用されている状況です。
また、関心を持たれている教員の方々は意欲的に無線LANを活用され、実際の講義の現場でも使われ始めています。ユニークな活用方法の一例として、スポーツ健康科学部での教員養成の現場において、実際の授業風景をiPadで撮影し、その場で無線LANを経由して学生にメールを送ります。特に、スポーツの分野は自宅学習のための教材が少ないこともあり、自分の体の動きをフィードバックしてあげられる、とても有効なコンテンツの一つとなっているようで、そのコンテンツを有効活用するためのインフラ基盤としても無線LANが活躍しています。
総合情報センターのご担当者からは、次のようなコメントをいただいています。
「個人的な感想ですが、繋がりにくかったり遅かったりしたことを感じたことはありません。メールや情報収集など日常的に利用しているため、キャンパス内に入るとまるで依存症のように落ち着かなくなることも。それだけ生活に欠かせないものになっています。」
「一度無線LANを使ってしまうと、ある意味水のような存在になり、接続していることを意識しなくなります。今ではなくてはならないものになっていますね。」
また、利用者からの声については、「サッカー場や室内運動場、合宿所などスポーツ関連施設の一部にも電波が届くようにAPが設置されています。当初からエリアを大幅に拡張して導入しており、特にエリアに関する不満の声は上がっていません。」龍ケ崎キャンパスは丘の上にあって、通信事業者の電波がそもそも届きにくい場所もあるとのことで、不満の声よりも、無線LANが使えるということへの評価の声が聞こえてくるようです。
同大学では、大学など教育研究機関の間でキャンパス無線LANの相互利用を実現する「eduroam」と呼ばれる国立情報学研究所のサービスを2014年10月1日から開始しています。今後新たな建物が作られた段階でさらにAPの増設を行っていき、エリアの拡大を図っていく予定とのことで、一層の利便性向上が期待されています。
今後のさらなる活用という面では、LMSなども含めて無線LANを使うことを前提に授業のなかでどう活用できるのかの具体的な検討が始まるといいます。
アルバネットワークスでは、国内外での大変多くの文教、教育分野のお客様への導入経験と実績があります。数多くのお客様からいただいた貴重なコメントやアドバイスを十二分に活かして、同大学の今後の取り組みを支援していけるように尽力して参ります。
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