賛助会員だより
「文理融合」を教育理念に据える東海大学。18学部77学科・専攻・課程を擁する総合大学として、地域やグローバルな社会で活躍できる人材の育成、国際レベルの研究拠点の構築、地域と連携した研究活動などを積極的に推進しています。北海道から九州まで、日本中に展開する同大学のキャンパスには、教育・研究系、事務系の様々なITシステムが設置され、教育・研究や学校事務をサポートしています。IT環境を整備する上では、教育・研究機関として、最新の技術を用い多様なニーズに応えられる環境を目指し、例えば仮想化技術やVDI(Virtual Desktop Infrastructure)など、常に先進的なIT活用を進めてきました。その一環として、同大学が新たに取り組みを開始したのが、外部のクラウドサービスやデータセンターの活用です。
「クラウドという新しい技術を取り入れることはもちろん、東日本大震災以来、重要なテーマとなっているBCP対応の強化も目的の一つです。キャンパス内にシステムを持つだけではなく、SaaSを活用したり、より堅牢な環境にシステムを置いたりすることで、信頼性、可用性、安全性を強化できると考えたのです」と同大学の會澤信氏は話します。加えて、日本中のキャンパスに分散しているシステムの運用管理にはコストがかかっており、これらを活用して、できるだけシステムを集約。運用管理を効率化することも狙いでした。「多くの担当者を運用管理から解放することで、学生サービスの向上という本来のミッションに専念してもらいたかったのです」と會澤氏は言います。また、各研究室などが独自に利用しているサーバも集約対象に含めることで、セキュリティレベルの均質化など、ガバナンスの強化につながるという期待もありました。
そこで、同大学が採用したのが、NECのクラウドサービス「NECCI」です。「NECCI」の提供基盤となっている「NEC神奈川DC」の堅牢性、運用品質、先端技術を採用したセキュリティ対策などがBCP対応に有効と判断したことに加え、特に評価したのが、同一データセンター内で、IaaSとハウジングを柔軟に使い分けたり、組み合わせて利用したりできるハイブリッドDCである点です。というのも、同大学では、できるだけシステムを集約したいとは考えていますが、多種多様なシステムを、全て同じ環境に集めるのは現実的ではありません。中には、仮想化環境には適合しないシステムや、外部には持ち出すのが困難なシステムもあります。これらをいかに統合していくかが、重要なポイントだったのです。
「その点、NECCIは、同じデータセンター内にIaaS環境とハウジング環境が共存している上、両環境をLAN接続することも可能。今後のシステム展開の可能性が大きく広がると判断したのです」と同大学の東永祥氏は話します。例えばNECCI上でシステムを開発し、検証を行った後にスムーズにハウジング環境で本番稼働させたり、Webサーバはクラウド化しつつもDBサーバはハウジングで運用するなど、柔軟なシステム構成が可能になります。
また、NEC神奈川DCの立地も採用を後押ししました。「首都圏にあるデータセンターのアクセス性の高さは、安心感につながります。また、我々の中核キャンパスである湘南キャンパスとの間でネットワークを敷設する上でもメリットが大きいと考えました」(東氏)
さらに「SINET4」に接続している点も採用の決め手となりました。「私たち自身でSINET4への接続を行わなければならないとなると、当然、ネットワークを敷設するためのコストや時間がかかります。最初からSINET4への接続環境が整備されており、それらが不要になる点は非常に魅力的でした」と東氏は言います。
まず同大学が取り組んだのが、メールシステムと教職員グループウェアのクラウド化。そして、各部署・研究室で管理運用している各種サーバ、学生サークルなどのWebサーバのハウジング環境への設置です。中でも、メールおよび教職員グループウェアについては、マイクロソフトのOffice 365とNECCIを組み合わせ、オリジナルの仕組みを構築。具体的には、Office 365にアクセスする際の認証基盤とメーリングリストの機能をNECCI上に構築し、二つのサービスを連携させています。
「安全な運用が求められる認証情報は、できるだけ“手の届くところ”で管理したいと考えたからです。また、メーリングリストについては、我々の求める機能がOffice 365になかったことから、独自に開発することにしました」(東氏)。現在、メールについては、在学中の学生約3万名、教職員約7千名、卒業生約1万名、合計約4万7千名分のアカウントを運用しており、今後も年々増加していく予定です。
今回実行したメールや教職員グループウェア、Webサーバの移行は、同大学が目指すクラウドおよびデータセンターの活用に向けた第一歩にすぎません。成果を本格的に享受していくのはこれからです。「移行が加速すれば、信頼性、可用性、安全性をより強化していける上、運用管理負荷や消費電力などの削減にもつながるでしょう」と東氏は言います。NECCIとNEC神奈川DCによって、様々なシステムの集約に最適な「ハイブリッド」なシステム基盤を手に入れた同大学。学内の様々なシステムが更改時期を迎える段階で、その都度、最適な運用形態を検討し、積極的に移行を進めていく考えです。
「大学が最適な情報基盤を獲得するためには、学内の環境、移行先、移行方法、他のシステムとの連携など、様々な検討を行わなければなりません。大学をはじめ教育機関のニーズに精通している強みを活かし、NECには、強力なサポートを期待しています」と會澤氏は最後に強調しました。
NECではこうした同大学からの期待に応えるべく、今後の同大学の取り組みを全力でサポートしてまいります。
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