賛助会員だより
教育におけるICT環境が大きく変化する中、中央大学では情報環境整備センターが、全学のICT環境づくりに取り組まれています。その一環として電子システム株式会社は、教員はもちろん学生が自ら情報発信することを前提とした、映像コンテンツ作成のためのブース型のミニスタジオを構築しました。
中央大学の多摩キャンパスには導入から10年以上が経過したマルチメディアスタジオがあります。このスタジオではe-Learningコンテンツの収録や、全国で400万視聴世帯をもつ「知の回廊」(地域CATVのJ:COM八王子との共同制作)という番組の収録等を行ってきました。
近年、大学の教育においても情報化へのチャレンジが進展する中、中央大学でも「パソコンのないパソコン教室」「本のない図書館」「教室のない大学」「国境のないキャンパス」の四つをキーワードに、ICTを活用した実験と検証を行っています。
その流れの中で、特に学生がアクティブラーニングの一環として映像や音声を含むコンテンツを作成する機会が増え、教員の間でも、もっと手軽に教材を作成したいというニーズが高まってきました。しかし、そのような用途にはマルチメディアスタジオではオーバースペックで使いにくいという問題がありました。そこで、既存のスタジオ機能は残し、スペースの一部を割いて、より簡便に使えるシステムを導入することになりました。
電子システム株式会社は、大学からの要請にお応えし、2014年3月に多摩ITセンターのマルチメディアスタジオ内にブース型のミニスタジオを設置。パソコンとWebカメラで簡単に収録と作成が行える環境を整備し、HD画質に対応した撮影・編集機材も導入しました。
マルチメディアスタジオ内に設置されたブース型のミニスタジオ
HD画質に対応した編集機とビデオカメラ
ブース内の様子
中央大学ではコンテンツプラットフォームとしてXinics社の「Xinics Commons」を使用しており、このアプリケーションを使いこなせる環境であること、適度な遮音性があり、クロマキーで背景が抜けること、一人でも手軽に収録と制作を行えることが必須の条件でした。また安全のために、ブースには非常放送が聞こえる専用スピーカーや火災報知器を取り付け、壁には小窓を設け、ブース内を確認できるように配慮しました。
大学として電子コンテンツづくりに取り組みたいと考えていた折に、本学にも各学部の先生たちが参加する実験的な「ホワイトゲート・プロジェクト」が生まれました。ホワイトゲートの名称は、中央大学を象徴する白門にちなんでいます。当初は電子書籍の制作がテーマでしたが、映像や音声も含んだコンテンツづくり全般に広がり、そのための環境を用意しようということになりました。
同プロジェクトは大手印刷会社やIT会社等の参加企業に支えられており、コンテンツプラットフォームはXinics社提供の「Xinics Commons」を使っています。このアプリケーションは、パソコン内蔵のカメラで映像コンテンツをつくることが簡単にできますが、学生の自宅ではクロマキーが使えなかったり、ノイズが入ったりします。そこで、手軽にコンテンツを制作できるスタジオを学内に用意しようということで、今回の導入につながりました。
まだ実験段階ということもあり、現時点では、利用者を限定しています。同プロジェクトに参加している先生のゼミの学生が、映像シラバスづくりや海外研修のレポートを電子書籍に編集する等に活用している他、総合政策学部の学生やFLP(学部を超えた授業)のジャーナリズムプログラムの学生が、画像や音声の収録に使用しています。制作したコンテンツを収納するサーバも用意しており、将来、中央大学版YouTubeのように使えればよいかなと思っています。また同プロジェクト参加企業の想隆社が提供する実験環境で、電子書籍の制作から販売・広報まで学生自ら行い、著作権についても学ぶという環境を整えようとしています。
現段階で機能面には十分満足しています。このスタジオに限らず、大学全体が今ICT環境を必要としています。たとえば教室にプラズマディスプレイやプロジェクターがあれば電子黒板は不要になるので、今後は、そのあたりのサポートが必要になってくるかと思います。
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