賛助会員だより
創立130周年を迎える東洋大学は約3万2千人の学生が通う総合大学。早くからICTの導入にも積極的で、全学向けの教育支援システム(サービス名称「ToyoNet-ACE」)として、朝日ネットのmanaba courseを7年前から活用し、今では学内の誰もが知る教育インフラとなりました。
それに加えて、2016年度からはスマートフォン(スマホ)を使って、授業の出席確認や、教員の質問に対する回答が教室内でできるresponを導入。教室にいる全学生が授業中に自分の意見を発表できることで、教員と学生の双方向コミュニケーションはもちろん、学生同士の多彩な意見交換も可能にするなど、これまでの大学授業のかたちを変えようとしています。
そこで、responを授業で活発に活用されている同大学副学長・経済学部総合政策学科教授の松原聡先生と、responの導入・運用を担当している情報システム課の藤原喜仁氏・大迫槙氏にお話を伺いました。
東洋大学 副学長
松原 聡 氏
「では質問です。トランプ大統領が署名したこの大統領令に賛成か反対か、そしてその理由も答えてください」。松原先生の経済政策の授業をのぞいてみると、講義中ところどころでこのようなアンケートがスクリーンに提示されます。すると教室にいる学生たちはすぐにスマホで入力を開始。数分も経たないうちに、その集計結果がグラフとなり、一人ひとりの意見が続々と表示され、興味深い意見を先生が取り上げてコメントしていきます。学生同士が他者の意見を知り、自分の考えを再考したり、次の質問への検討材料にするなど、授業中に学んでいく姿がリアルタイムに感じ取れます。
授業中にresponでアンケートを実施
学生はスマホで回答する
松原先生がこうした双方向の授業に取り組み始めたのは、Twitterがサービスを開始して間もない2009年から。教員が前に立って講義するだけの一方通行の授業形式に、かねてから物足りなさを感じていたところ、Twitterを利用しての双方向の授業を思いついたということでした。その後、Facebookのアンケート機能を利用するなどして、双方向授業に取り組んできたそうです。そして、学生がほぼ100%スマホを持つ時代になったため、専用アプリをインストールすれば誰でも簡単に使える学内サービスとなったresponを授業に導入することにしました。
responの利用法はとてもシンプル。教員はあらかじめ質問項目を作っておき、授業の進行に合わせてアンケートの番号を表示します。学生はその番号を自分のスマホに入力して、表示される回答フォームから選択肢を選んだり、自由入力したりすることで回答を提出する。提出後は他の学生の意見をスマホで見ることができます。
情報システム課
大迫 槙 氏
「他の学生の回答を手元で見られることはとても刺激的ですし、興味を持った意見には★印をつけて評価できるのも、SNSに慣れた学生には自然に違和感なく受け入れられるのだと思います」と大迫さんが話すように、自分とは異なる考えや新たな情報に触れられる機会はこれまでの授業ではなかったことです。
また、藤原さんも「スマホ世代の学生にはすぐに使いこなせるツールです。新たな機器の購入も必要なく、容易に導入できる点も大きな長所ですね」とresponのメリットを話します。
情報システム課 課長補佐
藤原 喜仁 氏
反転授業とは、授業と宿題の役割を反転させる今注目の新しい指導形態です。これまでの授業は先生が講義で知識を教え、学生は授業後の復習で学んだ知識を定着させるものでしたが、反転授業では、学生は授業前に教材動画を見てあらかじめ知識を得ておき、実際の授業では、学生の理解度に合わせて教員が教案を変えたり、発展的な討論を行ったりすることができます。
「こうした新しい授業形態でresponを使えば、学生の理解度をその場で確かめたり、学生同士の意見交換ができたりと、様々な活用法が考えられます」と話す松原先生は、佐賀県武雄市の公立小学校で反転授業の実証研究を行っており、responを活用した授業が学びの質をさらに高めていくものと考えています。
http://www.saga-s.co.jp/column/ictedu/
授業の中で、教員と学生、学生同士がリアルタイムでコミュニケーションすることで、学びのさらなる可能性を広げていくrespon。東洋大学をはじめとする皆さまの新しい試みにご活用いただけるよう、開発を続けて参ります。
responアプリの回答画面
問い合わせ先 |
株式会社朝日ネット |
TEL:03-3541-1915 |
E-mail:support@respon.jp |
(アドレスは全角文字で表示しています) |
responホームページ https://respon.jp |