賛助会員だより
今年6月に東京で開催された高校生向けイベント「ミライガク2017」(主催:株式会社マイナビ)。約3,000名の高校生が参加し、身近なキーワードから「社会・学問・職業」のつながりに気づき、将来の進路を考えるための「ゼミ・研究室」体感型ワークショップです。
今年も出展した東洋英和女学院大学のブースでは、尾崎博美准教授が授業を担当。普段から大学の講義でも活用している学習支援アプリresponをインストールしたiPadを一人ひとりの参加者に手渡して、「何でこどもは学校へいくのだろう?」というテーマで授業を実施しました。
そこで、今回のイベント授業でresponを活用しようと考えた意義や、大学の授業でresponを使うメリットについて尾崎先生に伺いました。
※大学の授業では、学生のスマホにresponの無料アプリをインストールして利用しますが、「ミライガク2017」では、responを入れたiPadを30台、朝日ネットが用意しました。
ミライガクに出展した東洋英和女学院大学のブース
「あなたは学校が好きですか?1.はい2.いいえ」授業が始まって最初にスクリーンに映し出された質問です。参加した30名の高校生は戸惑うことなく、一斉に手元のiPadのresponで回答を入力。すると、回答結果はすぐに集計され、円グラフで各自のiPadに表示されます。
次に「なぜあなたは学校へ行くの?」という自由記述式の問いについても、高校生はいつも使っているLINEを操作するかのようにフリックでサッと入力。全員の意見が一覧で表示され、他の人がどんな意見を持っているかを互いに読むことができます。
この授業に参加した高校生のうち、約2/3が「学校が好き」と答えていました。また、「好き」と答えた人も「嫌い」と答えた人も、学校へ行く理由については「将来のため」との答えが多く見られました。このように参加者が回答した結果をすぐに可視化でき、それを全員で共有できることがresponの最大のメリットの一つなのです。
「今日、初めて会った高校生がどんな考えを持っているのかわからないので、冒頭に質問をぶつけて、その結果を活かしながら、一体感のある授業を進めていくことができます。また、参加した高校生にとっても、自分の意見は多数派なのか少数派なのか、他者の意見と何が違うのかなど、集団の中での自分の位置づけが浮き彫りになると、授業に対する興味も大きくなるのです」と、尾崎先生は話します。
実際、参加した高校生へのアンケート結果では、「responを使っていろいろな人の意見を見られて面白かった」「自分では思いつかない意見がたくさんあり、違う考え方を共有できた」といったポジティブな感想が大半だったということです。
尾崎先生が授業でresponを使い始めたのは2015年のこと。前任の大学でresponが一斉導入されたことがきっかけでした。それまでは、学生とのコミュニケーションはコメントペーパーを使った質問や回答のやりとりで十分だと考えていましたが、実際にresponを使ってみると、投げかけた質問に対して全員から返ってくる答えを、教室内ですぐに共有できる即時性や、学生の回答自体をそのまま新しい教材として利用できる応用性など、その効果は想像以上だったと言います。
東洋英和女学院大学 准教授
尾崎 博美 氏
「普段あまり授業で発言しない学生も、実はしっかりとした考えを持っているもので、それを発表する機会がなかっただけなのです。今までは、同じ教室で同じ授業に出ているのに、隣の学生が何を考えているかもわからなかったけど、responを使うと全員が答えて、互いの意見を閲覧し合えるところがいいと学生はみんな言います。学生は他の人の意見を聞くことが好きなんだということを実感しますね」
例えば、尾崎先生が受け持っている「教育学概論」は、約200名が出席する大教室授業です。従来の授業スタイルでは、発言する学生は限られていましたが、responを活用することで、活発な意見交換を可能にしています。
「以前は、学生の意見を聞くのは少人数クラスでなければ難しいと考えていましたが、responを使うようになってからは、大人数だからできる双方向性もあると感じるようになりました。200人もいると、少人数授業とは違った多様な意見も飛び出してきますが、そうしたユニークな意見も含めて全員で共有できることが、授業の幅を大きく拡げてくれています」
尾崎先生は東洋英和女学院大学以外にも2つの大学で教鞭をとっており、他大学の講義でもresponを使えるよう個人予算でresponを導入。複数大学の授業で使用できる「ライトプラン」を朝日ネットと契約しています。
「非常勤講師として複数大学で教える場合、専任の大学と異なり、授業でしか学生と会う機会がないことが多いものです。だから、限られた授業時間の中で、多彩な意見を出してもらい、みんなで共有できるresponは、こうした点からも重要なツールと言えるでしょう」と尾崎先生。
このように先生と学生の“一期一会”性が高いという点では、冒頭で紹介したミライガクのようなイベントにおいても、初対面の出席者がどんな意見を持っているのかを即座に引き出し、授業への興味を引きしていくためのツールとして、responの果たす役割は大きいと言えます。
大学の講義でも、教育イベントでも、講師と出席者、出席者同士が簡単・即座にコミュニケーションできることで、これからの新しい授業のあり方を指し示してくれるrespon。教育関係の皆さまの期待に応えていけるよう、さらなる機能向上を続けてまいります。
responのLIVE画面
問い合わせ先 | |
株式会社朝日ネット | |
TEL:03-3541-1915 | |
E-mail:support@respon.jp | |
(アドレスは全角文字で表示しています) | |
URL:https://respon.jp |