賛助会員だより
創立100周年に向け、将来構想の中核として策定した中期経営計画に基づき実行された学務事務システムの刷新と脱カスタマイズを基本方針とした今回のシステム更新はどのように進められたのか。
パッケージシステム「GAKUEN」導入の背景と、メリットについて千葉商科大学情報基盤センターセンター長国際教養学部教授柏木将宏氏にお話を伺いました。
東京都からほど近い千葉県市川市国府台(こうのだい)で、5学部7学科5大学院研究科、学生数6,000名を擁する千葉商科大学(CUC;Chiba University of Commerce)。
2018年で創立90周年を迎える伝統を誇り、2000年の政策情報学部開設を皮切りに、社会科学系の単科大学から建学の精神である実学教育の総合大学へと発展しています。
千葉商科大学
千葉商科大学では、13年前に導入した学務事務システムを運用してきました。当時は画期的なものでしたが、提供サービスやインターフェース設計の陳腐化が進み、なおざりにできない状態でした。また、カスタマイズ部分の肥大化が問題となっており、保守コストの増加、バージョンアップを計画しても費用が高額に上ってしまい実施できない、といった状況で、さらにいつの間にか「システムを業務に合わせる」ことが慣行になってしまっており「業務の硬直化」も顕在化していました。
そんな中、学園の創立100周年に向けた将来構想として経営計画を策定する話があがり、“業務システムのリプレイス”をその重点戦略アクションプランの一つとして切り出しました。後に正式な「中期経営計画」となり、学務業務システムの刷新が事業計画として決定しました。
その基本方針として、以下3点を示しました。
①運用コスト削減:カスタマイズ前提という方針を見直す
②システムに業務を合わせる:業務システムのベストプラクティスを経験し大学業務のスタンダードに精通する
③無駄な業務を見直す:各部門の業務フローの見直しによる最適化と効率化を進める
ERP(Enter Resources Planning)とカスタマイズ
選定を進める中で、導入の基本方針として掲げた「脱カスタマイズ」に対し、大学業務の総合パッケージシステムであるGAKUENシリーズには、本学の運用で必要な多くの機能が標準に内包されている印象を受けました。他大学からの要望が反映された豊富な基本機能によって、GAKUENシリーズならば、本学の事務業務を「業界標準」に合わせた運用に変えて高効率化が果たせ「脱カスタマイズ」に取り組めるのではないかと感じ、導入を決定しました。
また、この種のシステムは長く使うものなので、350校以上の導入実績を持つトップシェア製品であるという安心感も選定理由に大きく関わっています。
約1年の導入期間を経て、2017年4月からGAKUENシステムを中核として構築された本学の総合情報サービスサイト「CUC PORTAL」がサービスインしています。全学生・教職員が利用する大規模な情報システムの刷新ですから、まず4月は「前年度までの提供サービスを同じ品質で利用者に混乱なく安定的に提供する」ことを第一目標にしていました。
GAKUENシリーズを導入して初めて迎えた4月初旬の履修登録は、全学生がCUC PORTALを利用することになりますが、特に問題もなくスムーズに終え、むしろ同等以上の品質で目標達成ができました。
履修登録の督促連絡をした学生数
例えば、期間中に登録しなかった(履修登録の督促連絡をした)学生数は、前年度と比較して減少していた位ですから、学生にも自然にCUC PORTALが浸透できたのではないかと思います。
一方で、職員の業務は、GAKUENシリーズによる「業界標準」に合わせた「ノンカスタマイズ環境」を利用し始めることになるため、全体的な業務見直しによる負担が、今後、少しの期間かかってくるかもしれない、とも見ています。これについては、ユーザサイドでも業務用の円滑なデータ処理環境が作れるように、新たなEUCツールの導入やクライアントPCの更新などを同じタイミングで実施しました。
「CUC LMS」教員ログイン画面
選定当初は予定していなかったGAKUEN EduTrack(GET)も、全学用LMS「CUC LMS」構築のため、導入するGAKUENプロダクトに加えました。
GAKUENおよびUNIVERSAL PASSPORT(ポータルシステム)とのデータ連係やCUC PORTALからのシングルサインオンなどによる使い易さを活かし、教員や学生が自由に使用してもらえるようにしてあります。以前に導入したeラーニングシステムは、専用教材が高価、教材作成ツールが有償などの点から普及に至りませんでした。その後、学部ごと独自にLMSを立ち上げてはいましたが、全学的なサービス提供の必要性もあり、独自教材が自由に作成公開できる、授業科目以外のプロジェクト活動でも対応できる、コミュニケーションツールとしても使える、運用が担当教員によりほぼ自己完結的に行える、といった特徴を持つGETを導入しました。
手始めに、GETのアンケート機能を使って、新入生全員を対象に、情報系導入教育科目で授業内容の「振り返り」を入力してもらいました。結果データは、教育効果検証や教材改良のためのエビデンスとして利用予定です。今後も、CUC LMSの利用者数や活用範囲を拡げて行きたいと思います。
本学のような新規導入大学からの要望についても、どんどんパッケージにとりいれていただきたいと思っています。GAKUEN/UNIVERSAL PASSPORTの次世代製品であるGAKUEN RXシリーズも、ユーザーインターフェースが格段に良くなり、職員による学生や教員への代理ログインや多言語対応ができるようになるなど、現場の要望がとりいれられた良い製品になっている印象を受けました。
次々と、新しいステージへチャレンジし続けるJASTさん、GAKUENシリーズに今後も期待しています。
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TEL:(03)6718-2790 | |
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TEL:(06)4560-1030 | |
E-mail:g−event@jast.co.jp | |
(アドレスは全角文字で表示しています) | |
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