事業活動報告 No.2
本協会で作成した教育改善モデル及び教員の実践事例を踏まえ、アクティブ・ラーニングを実現するための様々な教育方法、学修環境を整理・研究する中で、ICTの活用を含めた効果的な取り組みの促進を目指す。
① 質的向上を目指すため、ICTを活用して学力の3要素(基礎的な知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力、主体性・多様性・協働性)を高める教育改善モデルや実践事例を紹介し、事例を踏まえてアクティブ・ラーニングの教育・学修方法を探求する。
② 学位プログラムへの転換を促進・理解するため、授業の可視化、学修成果の可視化など授業情報を共有化する中で、授業科目の相互改善に結びつける仕組みとしてのeシラバス、eポートフォリオなどの活用について理解を深める。
③ ディプロマポリシーの達成度を測定する仕組みとして、本協会が提案しているICTを活用した外部評価の必要性とそのための大学連携コンソーシアムについて理解の共有を図り、教育の質保証を確保するアセスメントモデルの実現に向けた議論を展開する。なお、昨年度の7グループを再編成し以下の6グループで研究を展開する。
分野連携グループの構成
1.経営学・経済学・会計学・心理学・数学グループ
開催日時
平成29年12月9日(土)14:00〜17:30
開催場所
法政大学(市ヶ谷キャンパス)参加者69名
話題提供
① 経営学分野
「地元企業と連携した問題解決型アクティブ・ラーニングの提案」
雑賀 憲彦 氏(名城大学都市情報学部)
② 経済学分野
「大規模授業で学生が主体性を持ち、協働して学ぶ授業の提案」
山ア 好裕 氏(福岡大学経済学部大学院経済学研究科)
③ 会計学分野
「会計情報を体系的に把握し、問題発見・解決に結びつけるアクティブ・ラーニングの提案」
雑岸田 賢次 氏(名古屋学院大学)
④ 心理学分野
「心理学的理論や手法を社会に応用できるアクティブ・ラーニングの提案」
横山 恭子 氏(上智大学総合人間科学部)
⑤ 数学分野
「社会現象を数学的に捉え表現する授業改善モデルの提案」
井川 信子 氏(流通経済大学法学部)
意見交換の内容(特徴的な意見)
<学力の3要素を高める教育・学修方法の工夫・改善とICT活用に関して>
① アクティブ・ラーニングでは解のない問題(例えばCSRなど)に取り組ませて考えさせることが重要である。その際にICTを活用して教員も学生と一緒に考えるような姿勢が必要であることが認識された。
② 会計情報を体系的に把握し、多面的に考え、問題発見・解決に結びつけるICT活用のフォーラム型授業の提案に、半数以上の参加者が賛同し、授業モデルの効果に期待が寄せられた。
③ 学生の主体性を強化する一つの方法として、アクティブ・ラーニングで学修した成果の発表会やポスターセッションなどを、大学全体の教育プログラムとしてICTを活用して支援していくことの重要性が認識された。
<授業科目の相互改善を促進するオープンな議論の必要性とICT活用に関して>
① シラバスをWebに掲載する取り組みは殆どの大学で実施しているが、授業科目の相互改善に向けて、授業内容や目標について教員間で協議するまではいたっていないことが判明した。
② eポートフォリオの導入は3割程度であるが、活用は1割程度と低く、教育改善に向けた取り組みが進んでいないことが判明した。
③ ICTを用いたeシラバスやeポートフォリオを活用して、教育・学修方法の改善をオープンに議論していくことの必要性が確認された。
<ICTによる外部評価モデルの必要性と仕組みに関して>
平成24年度に大学教育への提言」の中で提案した学修到達度の質保証を評価する仕組みとして、共用クラウドにビデオ試問を掲載し、ネット経由で論理の展開力、知識・情報の関連付け、複眼的な思考力などを外部評価する訓練の必要性について紹介が行われ賛同を得た。
経営学・経済学・会計学・心理学・数学グループ
2.社会福祉学・社会学・教育学・統計学・体育学グループ
開催日時
平成29年12月16日(土)14:00〜17:30
開催場所
早稲田大学(早稲田キャンパス)参加者79名
話題提供
① 社会福祉学分野
「福祉計画策定のために地域連携を目指したアクティブ・ラーニング」
山路 克文 氏(皇學館大学現代日本社会学部)
② 社会学分野
「アナログ的・デジタル的手法を組み合わせたALによる学力の三要素の養成―地域連携・産学連携を事例として―」
干川 剛史 氏(大妻女子大学人間関係学部)
③ 教育学分野
「教育学においてICTを活用して主体的な学びに転換するための授業改善の提案」
竹熊 真波 氏(筑紫女学園大学文学部)
④ 統計学分野
「データを基に問題発見・問題解決に取り組むデータサイエンス教育の提案」
今泉 忠 氏(多摩大学経営情報学部)
⑤ 体育学分野
「スポーツの社会的機能を活用して社会の発展に寄与する授業の提案」
來田 享子 氏(中京大学スポーツ科学部)
田附 俊一 氏(同志社大学スポーツ健康科学部)
意見交換の内容(特徴的な意見)
<学力の3要素を高める教育・学修方法の工夫・改善とICT活用に関して>
① ICTを用いたアクティブ・ラーニングでは、知識・技能、表現力、主体性に効果が見られたが、思考力・判断力などの考える力については取り組みが十分でないことが判明した。
② 思考力、判断力を高めるには、地域社会の課題などに取り組ませる中で、情報を関連付けさせることで多面的に考える力を育成することが重要である。その際、ICTを用いて現場の社会人とコミニュケーションを行うことで学修意欲を高めることが認識された。
③ 大人数授業でアクティブ・ラーニングを効果的に行うには、LMSを始めとするICTの活用は不可欠であることが認識されたが、LMS等を積極的に活用できない教員の支援体制が十分でないことが認識された。
④ ICTを活用したコミュニケーションツールとして、LINEなどに加えて、テーマ別にフレームを設定して体系的に管理できるオンラインホワイトボードの有効性が紹介された。
<授業科目の相互改善を促進するオープンな議論の必要性とICT活用に関して>
① eシラバスの導入は4割程度であり、その内6割が活用している。全体的には、対面での授業参観が中心となっているが、授業参観の感想をICTで提出・共有するなど、改善の動きがあることが認識された。
② 学修成果の可視化には、学年次ごとの学びのプロセスを蓄積して、振り返りができるようにするeポートフォリオが不可欠であり、教員間で共有化していくことの必要性が認識された。
③ eポートフォリオに掲載すべき内容として、学生がeポートフォリオに書き込む意欲を高めるような課外活動、地域実践な活動、実習的な活動などを含めることが有効と認識された。
<ICTによる外部評価モデルの必要性と仕組みに関して>
学修成果の質保証にむけた到達度の外部評価モデルについて提案し賛同を求めたところ、総論賛成の意見が大半を占め、実現に向けた議論を今後も展開することを確認した。
社会福祉学・社会学・教育学・統計学・体育学グループ
3.被服学・美術デザイングループ
開催日時
平成29年12月17日(日)14:00〜17:30
開催場所
大妻女子大学(千代田キャンパス)参加者34名
話題提供
① 被服学分野
「LMSを用いた被服関係科目間の横断的展開の提案」
石原 久代 氏(椙山女学園大学生活科学部)
② 被服学分野
「マルチデバイス対応型被服コンテンツを用いた事前・事後学修による教育効果の検証」
山縣 亮介 氏(名古屋学芸大学メディア造形学部)
③ 美術・デザイン分野
「課題作品のポートフォリオを活用した教育改善の提案」
有馬 十三郎 氏(東京家政大学家政学部)
④ 美術・デザイン分野
「地域のクリエーターや企業、行政と連携した制作体験授業の試み」
宮田 義郎 氏(中京大学工学部)
意見交換の内容(特徴的な意見)
<学力の3要素を高める教育・学修方法の工夫・改善とICT活用に関して>
① ICTを活用したアクティブ・ラーニングでは、知識・技能・主体性・表現力に効果が見られたが、思考力・判断力・創造力については、顕著な効果が見られないことが認識された。
② クリッカーを用いた授業では、多様な学生の考えに気づくことで、多面的に問題を捉え、視野が拡がることで、思考力の向上につながることが認識された。また、匿名性のある学生間の相互評価ツールとしても役立つことが認識された。
<授業科目の相互改善を促進するオープンな議論の必要性とICT活用に関して>
① eシラバスの導入は6割程度であり、その大半が活用している。また、その内の7割が授業科目の相互改善を促進するために、大学がサイトを設けて、教員同士がオープンに議論を行うことが必要と考えていることが判明した。
② LMSを用いて、関係科目の授業内容、学修コンテンツを明示して、学生に科目間のつながりを理解させることで、学生が主体的に学びに入れるようにする取り組み事例を踏まえて、授業科目間の相互改善を行うことの必要性が認識された。
③ eポートフォリオを継続するためには、学生のモチベーションを高める工夫として、適切なコメントを随時返して指導していくことが重要であるが、eポートフォリオを十分に活用できない教員もいることから、大学としての組織的な支援の必要性が認識された。
④ 基礎科目と専門科目を連携させる取り組みとして、eポートフォリオでは学生の理解度、達成度を相互に確認できることから、授業科目間の相互改善に有効であることが認識された。
<ICTによる外部評価モデルの必要性と仕組みに関して>
学修成果の質保証に向けた到達度の外部評価モデルについて提案し、実現に向けた議論を今後も展開することとした。
被服学・美術デザイン学の分野連携グループ
4.英語教育・法律学・政治学・国際関係学・コミュニケーション関係学グループ
開催日時
平成29年12月23日(土)14:00〜17:30
開催場所
早稲田大学(早稲田キャンパス)参加者64名
話題提供
① 英語教育・コミュニケーション関係学分野
「対話能力向上に向けて評価基準を学生と共有し、多面的な評価を行う取り組み」
小泉 利恵 氏(順天堂大学医学部)
② 法律学分野
「ICTを活用した分野横断フォーラム型授業の提案」
中村 壽宏 氏(神奈川大学大学院法務研究科)
③ 政治学分野
「社会の変容に耐えられる多様性教育のアクティブ・ラーニングの提案」
川島 高峰 氏(明治大学情報コミュニケーション学部)
④ 国際関係学分野
「海外の学生と議論を通じて思考力、多様性、協働性を高めるアクティブ・ラーニングの提案」
林 亮 氏(創価大学文学部)
意見交換の内容(特徴的な意見)
<学力の3要素を高める教育・学修方法の工夫・改善とICT活用に関して>
① ICTを活用した学力の3要素をアンケートで確認したところ、どの要素も1割から2割程度と低く、顕著な効果は見られなかった。
② 学生の参加者にICTを用いたアクティブ・ラーニンの効果を確認したところ、「グループワークの中で自分で考え、整理・発言することで、異なる視点や考えに気づき、考え方の幅が広がった」ことが紹介された。また、アクティブ・ラーニンの負担度を尋ねたところ、むしろ講義形式の授業で知識を暗記する方が負担となっているとのことであった。
<授業科目の相互改善を促進するオープンな議論の必要性とICT活用に関して>
① eシラバスの導入は3割程度であり、その内6割が活用している。また、その内の7割が授業科目の相互改善を促進するために、大学がサイトを設けて、教員同士がオープンに議論を行うことが必要と考えていることが判明した。
② 授業科目の相互改善を促進する大学内でのオープンな議論の必要性を事前アンケートで確認したところ、6割が必要としていることが判明した。その上で、具体的な方法として、例えば、学内に授業改善委員会などを設け、学生を参加させて意見を聴くことや、教員のみならず職員、有識者を含めた仕組みの必要性が認識された。
③ 授業を相互に公開する取り組みとして、授業を収録・公開することが授業改善の第一歩と考えられる。批判や失敗を恐れずに、授業を公開し改善に結びつけるFDの必要性が認識された。また、ティーチングポートフォリオに授業ごとの成果目標と自己評価を記述し、教員間で相互に公開・確認する取り組みについて提案が行われた。
④ 各教員が「ティーチングポートフォリオに授業ごとの成果目標を記述し、授業終了時に自己評価するこの内容を教員間で相互に公開・確認する取り組みを通じて授業がオープンになり授業改善の取り組みに役立つことが認識された。
<知識の創造を目指す分野横断型フォーラム授業の必要性に関して>
複数分他の教員が参加してネット上で学生に議論させる「ICTを活用した分野横断のフォーラム型授業」について提案し、このような試みの必要性を確認したところ、参加者のほぼ全員から賛同が得られ、この試みについて、取り組んだ結果を次年度に報告することにした。
<ICTによる外部評価モデルの必要性と仕組みに関して>
学修成果の質保証に向けた到達度の外部評価モデルについて提案したところ、評価する環境として、分野に求められる固有の知見を備えることが重要との意見があり、今後の詳細な検討の中で議論していくこととした。
英語教育・法律学・政治学・国際関係学・コミュニケーション関係学のグループ
5.理工学グループ(物理学・化学・機械工学・建築学・経営工学・電気通信工学・土木工学・生物学)
開催日時
平成29年12月24日(日)13:30〜17:00
開催場所
法政大学(市ヶ谷田町校舎)参加者59名
話題提供
① 電気通信工学分野
「プロジェクトによる実践的な体験型学修にICTを活用した授業モデルの提案」
新津 善弘 氏(芝浦工業大学システム理工学部)
② 機械工学分野
「社会問題の解決を目指す分野を超えた共創教育の提案」
鈴木 亮一 氏(金沢工業大学工学部)
③ 経営工学分野
「解のない問題に主体的に取り組ませるアクティブ・ラーニングの提案」
井上 明也 氏(千葉工業大学社会システム科学部)
④ 建築学、土木工学分野
「地域課題の解決に向けた社会人基礎力を育むアクティブ・ラーニングの評価と改善の提案」
澤田 英行 氏(芝浦工業大学システム理工学部)
⑤ 物理学、化学、生物学分野
「e-シラバスによる理工系大学のアクティブ・ラーニングを推進する提案」
山本 知仁 氏(金沢工業大学工学部)
意見交換の内容(特徴的な意見)
<学力の3要素を高める教育・学修方法の工夫・改善とICT活用に関して>
① ICTを活用した学力の3要素の獲得状況についてアンケートでは、主体性5割、知識4割以外は2割程度となっていたことを受けて、考える力(思考力、判断力)を高めるための工夫について議論した。
② 主体的に学ぶ姿勢を身に付けるためには、知識と関連づけて課題に取り組ませる授業デザインが必要で、失敗の経験を通じて真剣に学ばせる仕組みの必要性が確認された。
③ ICTを活用して思考力・判断力を高める学修方法として、ネット上に具体的なテーマを掲げ、学生に自らの問題として関連付けを行わせた上で、グループで批判的に捉え、因果関係を議論させるなどの工夫が確認された。
<分野を横断した総合的な授業の必要性に関して>
① イノベーションに関与できるよう、グループで多面的に知識を組み合わせ議論させる学修の仕組みについて議論した結果、社会や地域の課題解決に大学、学部を越えてロジカルシンキングを競わせる訓練の必要性について賛同を得た。
② 学生からの意見として、分野によって思考のフレームワークや問題のアプローチが異なり、合意形成が取りにくい点もあったが、多様な見方に気付くことができた。
<授業科目の相互改善を促進するための仕組みとICT活用に関して>
① eシラバスについてアンケートでは、7割導入しているが、実際に活用しているのはその内の7割と比較的多くの教員が授業改善に活用していることを受けて、学位プログラム実現のためにeシラバスを通じて個々の授業内容・方法を教員間で理解し、相互改善につなげる必要性が確認された。また、教員以外の第三者を含めたオープンな意見交換のプラットフォームで授業改善について検討することの必要性が確認された。
② 授業改善についての学生からの意見として、一般的な授業では、スキルのパーツになっていて、全体的にどのような力が獲得できるのかイメージできない。他方、PBLの授業では、生活に関わるテーマなど実際に体験ができることから、学ぶことの意味が理解できるようになるのが良い、との意見があった。
<ICTによる外部評価モデルの必要性と仕組みに関して>
平成24年度に「大学教育への提言」の中で提案していた学修到達度の質保証を評価する仕組みとして、共用クラウドにビデオ試問を掲載し、ネット経由で論理の展開力、知識・情報の関連付け、複眼的な思考力などを外部評価する訓練の必要性について紹介が行われ、今後検討を深めていくことの提案について確認をした結果、大半の賛同を得た。
物理学・化学・機械工学・建築学・経営工学・電気通信工学・土木工学・生物学のグループ
6.栄養学・薬学・医学・歯学・看護学グループ
開催日時
平成30年1月21日(日)14:00〜17:30
開催場所
帝京平成大学(中野キャンパス)参加者81名
話題提供
① 栄養学分野
「現場・教員連携による栄養マネジメント学修改善の提案」
石ア 由美子 氏(福山大学生命工学部)
② 薬学分野
「基礎から臨床までをつなげる分野横断的統合型教育の効果と課題」
松野 純男 氏(近畿大学 薬学部)
③ 医学分野
「ICT活用による多職種連携、分野横断型の教育改善モデルの提案」
藤倉 輝道 氏(日本医科大学医学教育センター)
④ 歯学分野
「医療系分野での多分野連携PBL授業の実践と教育効果・課題」
片岡 竜太 氏(昭和大学歯学部)
⑤ 看護学分野
「eポートフォリオを活用した看護学授業の実践と評価」
梶井 文子 氏(東京慈恵会医科大学医学部)
意見交換の内容(特徴的な意見)
<学力の3要素を高める教育・学修方法の工夫・改善とICT活用に関して>
① ICTを活用した学力の3要素をアンケートで確認したところ、知識6割、思考力5割、表現力5割、主体性8割、協働性5割であり、傾向として知識の獲得と主体性の向上に効果があるが、考える力の育成という点ではやや低いことが判明した。
② ICTを活用した教育・学修方法の工夫・改善として、従来の学問体系別の講義で知識を鵜呑みにするのではなく、「超高齢化社会にどう対応するか」などをテーマとして、ネットを活用して知識の関連付けを行い統合的に学ぶ授業デザインが有効性が認識された。
<多職種連携教育を発展させるための工夫に関して>
① 栄養・看護・医療・福祉分野では、多職種の視点を総合してアセスメントやケア・プランの作成が必須なことから、ICTを用いて情報交換する多職種連携教育が不可欠になっている。また、教科書と臨地実習との乖離を埋めるためにICTを用いて現場に即した情報を取り込んだペーパーペーシェントによる模擬訓練が有効であることが認識された。
② ICT活用による多職種連携や分野横断型の統合型教育を今後大学の授業で積極的に展開していくことについて、参加者の受け止め方を確認したところ、殆どの参加者から賛同が得られた。
<授業科目の相互改善を促進するための仕組みとICT活用に関して>
① eシラバスは既に参加の8割が導入し8割が活用しているが、教員相互の授業改善への活用はまだ少ない。シラバスに掲載する内容は、教員同士で授業が調整できるように、コアカリキュラムのどの部分に該当し、何を身に付けることができるのかを明示することの必要性を認識した上で、他の教科と重複した部分を確認・調整することが大事であることを認識した。
② eシラバスに掲載すべき内容について検討したところ、学士力に対する授業科目の位置づけと役割、事前・事後学修の進め方、アクティブ・ラーニングの有・無、他の授業科目との相互関係などが確認された。また、eシラバスは学生のためだけでなく、授業を担当する教員が相互に改善を図る不可欠なツールとして、活用を積極的にする必要性が認識された。
③ 学修成果を可視化するeーポートフォリオは、6割で導入されているが、十分に活用されていないことが判明した。そこで、活用の工夫について検討したところ、授業の可視化、学修成果の可視化を学内の教職員、学生が共有できるようなサイトを導入していくことが、一つの方法であることを確認した。
<ICTによる外部評価モデルの必要性と仕組みに関して>
学修成果の質保証に向けた到達度の外部評価モデルについて提案し、実現に向けた議論を今後も展開することとした。
栄養学・薬学・医学・歯学・看護学グループ