賛助会員だより
立命館大学では「誰一人取り残さない、充実した学びを保障する」ことを2021年度の授業実施方針として掲げ、学内のあらゆる環境を整備しました。徹底した感染症対策でキャンパスでのリアルな学びを重視するとともに積極的にサイバー技術を取り入れ、一人ひとりの事情に配慮して「誰もが、いつでも、どこででも、学び、学び合える環境」づくりを進めています。そうした取組みの中、講義収録・配信システム「Panopto」が全学に導入されました。
立命館大学では、学生がキャンパスに足を運び、教員や友人と顔を合わせて共に学んでいく対面授業に重きを置いていました。しかし2020年春、新型コロナウイルス感染症の影響により休校もやむを得ない状況となる中、どうにかして学生たちに授業を受けてもらいたいという思いからオンライン授業の方法を検討。当初は一般的なウェブ会議システムや動画配信サービスを使って実施していましたが、URLさえ入手すれば誰でもアクセスできてしまうことや、授業の動画をダウンロードしてSNS等で拡散される危険性があること、そしてシステムの不具合など、いくつかの課題がありました。
そこで大学が採用したのが、オンライン授業に特化し、安全で安定性の高いクラウド型講義収録・配信システム「Panopto」です。Panoptoが評価された理由として、学生のIDと結びついた管理により無差別にアクセスされないことや動画のダウンロードが禁止できることがありました。また、同様のシステムで課題とされているダウンタイムもなく、さらに、保存期間が無制限に設定できる点は使いやすいと高く評価されました。教学部次長の長谷川哲氏は、「他システムと違って期間制限がないことは魅力的でした。長期間公開しておけるため、試験の直前に1回目の授業を見返すことも可能です。学生にとってありがたいシステムですね。」と語ります。
Panoptoの導入と並行し、全教室にカメラを配備。どの教室でも授業を収録することができ、教室でのリアルな授業とオンライン向けの収録・配信によるハイブリッド授業が実現できるようになりました。また、受講生がいないオンラインのみの授業はノートパソコン1台でどこでも収録することが可能です。
授業中の収録はWebカメラを使用
運用開始後約4〜5か月経過した現在の総講義数は約6300コンテンツ。連日多くの学生がPanoptoを使ってオンデマンドによる授業を視聴しています。毎週140人ほどの学生に向けて講義を配信している薬学部教授の鈴木健二氏に話を聞きました。「Panoptoは資料画面と、教員が話している動画の画面が2つ表示されるため非常に分かりやすい。特に資料の画面は見やすく学生からも好評です。また、資料のスライド一覧やOCRで取り込んだ目次の文字をクリックすれば瞬時にその場面に戻ることができ、学生の学習効率が向上しました。」
Panoptoは視聴中に必要と感じた任意の箇所へメモを残すことができ、再視聴する際にはメモをクリックすればその時間帯の動画を素早く再生できます。鈴木教授は「薬学部では国家試験に向けて多くの情報を体系的に学習する必要があります。授業のスピードも速く、メモを取る時間がないとスマートフォンで黒板の写真を撮る学生もいます。オンライン授業は自分の好きな位置で一時停止できますし、Panoptoならその位置にメモも残せるため学生が自分のペースで学習できるようになりました。」と語ります。
Panoptoの収録から配信までの流れ
Panoptoは、視聴者情報はもちろん、個人の視聴時間も教員側から確認することができます。さらに、1つの動画の中で多く見られている場所を解析することも可能なため、教員の「繰り返し見られているからここは分かりづらかったかもしれない」という気付きや、テストの結果が芳しくなかった問題と照らし合わせて「資料のこの部分をもっと分かりやすくしよう」といったコンテンツの改修へも活用されています。
Panoptoの導入により無事にオンライン授業を実施できるようになりましたが、導入して終わりではなく、さらなる学習支援システムの追求につなげ、学生たちの大切な4年間の学びに寄与できるよう今後も整備していきたいと考えています。(長谷川氏)
講義収録・配信システム「Panopto」
登録ID数 最大40,000ID
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