情報教育と環境
2.1 ネットワーク
名城大学教育・研究情報ネットワークは、天白キャンパスの情報センターを中核とし、八事、可児の各キャンパスおよび名古屋大学を結ぶ広域ネットワーク(WAN)と、天白、八事および可児キャンパス内に敷設する学内LANに大別できる。本学のネットワークの構成を図1に示す。
広域ネットワーク
広域ネットワークは、天白を中心とし、天白−八事間、天白−可児間を高速ディジタル回線(128Kbps)で接続、インターネットへは近隣の名古屋大学(NICE接続)−天白間を高速ディジタル回線(512Kbps)で接続している。天白−農学部附属農場間(春日井市)はISDN(INSネット64)回線を設置し、利用者が使用するときに回線接続をして使用する。一般の商用データベースへは、学内LANから電話回線(7回線)経由で接続する。学外(教職員、学生)からの大学へのアクセスも利用可能となっている。
学内LAN
本学の学内LANは、可児キャンパスが1995年4月に新しくオープンされ、幹線が FDDI、支線がEtherNetで敷設された。1995年10月に天白と八事キャンパス内に、幹線として建物間を光ケーブルで敷設し、最新のネットワーク機器であるATMスイッチ(Lattis Cell:155Mbytes)と各建物内にEtherスイッチングハブ(EtherCELL)を設置した。ネットワークの形態は、ATMスイッチを中心にしたスター型LAN構成で、バーチャル(仮想)LANの機能を採用した。バーチャルLANは、LANに接続されている端末を論理的にグループ化する機能をもっていて、物理的なケーブリングの変更を行うことなく、ネットワーク機器の移動、追加、変更をソフトウェアで自由に行うことができる特徴がある。
IPアドレスはグローバルアドレスCクラス8本しかないため主としてローカルアドレスを採用している。
支線は将来のことを考え、建物内にUTPカテゴリ5のケーブルを敷設し、全学で約750箇所の情報コンセントを設置した。支線の情報コンセントからは回線速度10Mbpsの通信ができるようになっている。設置当初は、接続された端末数は約400台ぐらいであったが、この1年半で約1,350台にもなった。
ネットワークに流すプロトコルは、TCP/IPのみが望ましいが、最終的にはTCP/IP、Apple Talk、NetWareの3つとした。
図1 ネットワーク構成
2.2 各種サーバ構成
上記のネットワークを教育・研究に有効利用するためのサーバを設置している。サーバ・システムの構成を図1に示す。なお、センターのメインのサーバは、計算サーバ(HPが3台)、ファイルサーバ(HPが1台)、データベースサーバ(HPが1台)で、センター内のFDDIに接続されている。外部向けのサーバは、WWW&Ftpサーバ(HPが1台)とMailサーバ(HPが1台)がある。学内向けにはCD-ROMサーバ(DOS/Vが2台とHPが1台)、PPPサーバ(DOS/Vが2台)、Printサーバ、FAXサーバ(DOS/Vが1台)などがある。これらのサーバは、各学部の情報処理教室、各研究室などから利用できるようになっている。
2.3 運用・管理とサポート
情報センターでは、職員3名と教員1名で、ネットワーク、サーバ、附属情報処理教室の運用・管理とユーザのサポートを行っている。しかし、全てのサポートを行うことはできないため、ネットワーク運用のためのサポートに各学部から教員1名に協力をお願いしている。また、学部学科内でもネットワークやサーバをサポートするグループ作りもお願いしている。
3.1 サーバを利用した情報教育
計算サーバの利用
教育・研究用に6台のUNIXの計算サーバが設置されている。計算サーバは各学部の情報処理教室からネットワーク経由でアプリケーション(Mathematicaなど)やプログラミング授業、インターネット授業などで利用されている。
電子メール
教職員や学生及び学外との情報交換が行われている。授業のなかで電子メールを利用し、ネットワーク上でのエチケットなどの教育がされている。
NetNews
国内で購読できるニュースの一部 fj、tokai等を用意し、教育・研究での情報収集に利用されている。
インターネット
各学部にWWWサーバを設置し、教職員及び学生が自由に利用できるように予定している。インターネット上にはたくさんのデータが蓄積されているため、この代理サーバを利用して、インターネットの中から自分の望むデータを効率良く検索できるようにすることで、問題解決能力の育成を図っている。また近年では就職のために利用されている。
インターネットでの情報発信は、現在準備中で、学部単位でこれから実施される予定である。
商用データベース
研究用としてネットワーク経由で商用データベースのアクセス用に発信4回線(28.8Kbps)の電話回線を利用している。一部のゼミ等で利用されている。
電子掲示版
NetNewsの中でローカルの掲示板を用意し、学内ローカルニュース及び外部のニュースを教育・研究で利用する。
学外からの利用
教職員、学生が家庭等から学内の計算機等を利用できるようにPPP(Point to Point Protocol)接続用の電話回線(着信12回線、28.8Kbps)とINSネット64を1回線用意している。着信12回線は学生も利用しており、回線数の増設なども検討しなければならない状態である。
3.2 情報処理教室での教育
各学部で設置されている情報処理教室の教育内容はここでは省略し、情報センターでの情報教育について述べる。
文責: | 名城大学(前)情報センター長 小山 宏 |
農学部教授 |