賛助会員だより
株式会社ヒューコム
ファイバチャネルをバックボーンとして
超高速データ伝送システムを実現した
キャンパスネットワーク
甲南女子大学
甲南女子大学では、平成9年度に全学的に光ファイバーケーブル敷設を含めたキャンパス・ネットワークの基盤整備が行われた。平成8年度まで1教室のみでしか利用できなかったネットワークを、全棟で可能にすると共に、既存のネットワークの高速化、高度化が図られた。
甲南女子大学キャンパスネットワークはファイバチャネルをバックボーンとして、その機能を最大限に生かすべく各用途別にUNIXサーバを導入し、情報処理教育・研究のため、300台以上の端末が設置されている。
1.ファイバチャネル・ネットワークの特徴
ファイバーチャネルは、米国ANSI×3T11で標準化された、高速なI/Oチャネル技術の新規格である。
この規格は、従来の代表的なI/Oチャネルの規格であるSCSIと比較すると、1ギガビット以上の高速LANを実現でき、しかも破格的に伝送距離が延ばせるため動画像や音声など大容量マルチメディア情報の送受信に適している。
また、TCP/IP以外に、HIPPI、SCSIなど各種のプロトコルでの通信が可能であり、既存のメインフレームやワークステーション間のネットワークも構築できるという特徴を持っている。また、貴重なデータの事故による消失に備えて、離れた場所でのリアルタイムなバックアップにも有効である。
甲南女子大学では、バックボーンの構成として、〈マスタースレイブ構成〉を採用し、近い将来、サーバ機等の処理能力が向上した際に、ネットワーク部分が快適なスループットを確保する上でボトルネックにならないように拡張性を持ったシステムを構築した。これによって、必要に応じて新たにファイバチャネルスイッチをマスターに接続でき、また、サーバ群をファイバチャネルNICを用いて直接接続することができる。
バックボーンから各ブランチネットワークへの入り口はスループットのボトルネックとなる可能性が高いため、高機能UNIXマシンでファイバチャネル・ルータを構成した。
各コンピュータ教室の端末は、以上の高速なバックボーンを生かすべく100BASE-TXで接続している。また、各教室にはプロキシサーバ・ファイルサーバ(兼用)を設置することによって、web検索やホームページ作成などの授業を快適にしている。
2.運用・保守管理
システムの運用・保守管理は導入業者(NTT)の協力を得て行っている。
障害発生時には、その回復待時間を最短に押さえるため、大学側でより詳細な情報を集めおおよその原因箇所を特定してから、保守業者に対応を依頼している。そのツールとしてネットワーク監視ソフト(Vista Manager、Sunnet Manager)を利用している。
3.ネットワーク導入効果
高速で快適なキャンパスネットワークの構築により、教員にとっては情報処理教育の手段・手法の選択肢が拡がり、それに伴って学生の学習・研究意欲も向上してきた。さらに、今までの教室という閉ざされた空間から、グローバルなネットワークの中での学習空間という観念的変化によって計り知れない発想が生み出されることも期待される。
4.今後の運用について
学内の基盤整備はほぼ完了した。今後は学外(インターネット)へのアクセス環境の向上を図るため、マルチホーム化(インターネットへの出入り口を複数化すること)や階層型Cached Proxyサーバ群の構築を検討している。また、ファイバチャネルの特長を生かし、双方向マルチメディアデータ送受信を利用した授業なども検討していきたい。
(原稿協力:甲南女子大学管財課 嶋中寿一郎)
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ファイバチャネル事業部 |
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TEL:03-5306-7359 |
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