生物学の情報教育
猪口雅彦(岡山理科大学理学部講師)
遺伝情報の解析では、DNA塩基配列データベースが利用される。大腸菌やいくつかの微生物では既にその全遺伝情報が解読され、ヒトなどの高等動植物についても全遺伝情報の解読プロジェクトが世界規模で進められているなど、現在までに決定された遺伝子の塩基配列は膨大な量に及び、日々新たに追加され続けている。そのため、インターネットを利用してネットワーク上のデータベースにアクセスするのが常態となっている(図2)。主要なDNAデータベースは、日・米・欧の公的な機関がそれぞれ開設しており、それぞれに追加されたデータは相互に参照できるようになっている。
図1 NH ImageによるDNA電気泳動の画像解析
また、生物化学では多種多様な天然有機化合物の構造決定が行われるが、その構造解析に分子動力学計算ソフトや化学構造描画ソフトが利用されている。また、従来書誌文献を用いていた化学物質情報の検索も、インターネットを利用したオンライン検索で行われるようになっている。
図2 日本DNAデータバンク(DDBJ)のホームページ